《文:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》アカデミー賞の次に人気がある映画賞、といっても過言ではないゴールデングローブ賞。しかし、賞の権限を司る「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の大スキャンダルがゴールデングローブ賞の存続を危うくしている。いったい何が起きているのか?ハリウッド外国プレス協会(HFPA):小グループからハリウッドを牛耳る存在へそもそもHFPAというのはどういう団体なのだろう?あんなに有名なゴールデングローブ賞を司っているのだから、さぞや大きな団体かと思いきや、実際は全く異なる。ことの始めは1943年。ハリウッドに住む8人の外国人映画ジャーナリストたちが、大スターへの取材権利がもらえず苛立っていた。そこで考え出したのが、独自の映画賞をスタートさせるという案。それがゴールデングローブ賞の誕生だった。長いこと弱小映画大賞と言われていたが、83年に入りアメリカTV界の巨匠、故ディック・クラークが関わり始めてから、出演者たちの質が格段に飛躍。95年にメジャーネットワークNBCで放映されることになってから、「アカデミー賞の数週間前に放映される大切な映画賞」としての地位を確立した。ゴールデングローブ賞候補になること、そして受賞とあらば、アカデミー賞の前宣伝として絶好の機会だ。アカデミー賞は、全米映画アカデミー会員の投票により決められる。アカデミー会員は映画関係の仕事を持つ人たちばかり。よって、暇なときは一般人が思うほど映画を観ないというのが知られざる実情だ。アカデミー賞投票時期に会員にドッサリ届けられる、候補作品のサンプルは、「人気のある数本を抜かしては、知らない作品ばかり」という話をよく耳にする。だが、そんなアカデミー会員でも、「ゴールデングローブ受賞作品」と聞けば、「試しに見てみるか…」ということになる。これが作品PR陣営の最大の狙いなのだ。よって、映画PR陣営は、陰ではHFPAを疎んじていても、営業上は取り入るしかない、という悪循環ができあがる。作品の宣伝担当者たちは、HFPA協会会員の心証を良くしようと、あの手この手を尽くし始め、担当作品への投票を獲得すべく、HFPA会員たちを豪華な夕食へ接待し、「PRツアー」と称した映画撮影現場を訪ねるエキゾチックな海外旅行(最高級ホテルの滞在含む)、大手新聞社や雑誌社を犠牲にしてまでのセレブ独占インタビュー枠など、上げ膳据え膳のおもてなし作戦を図る。だが、この特権を笠に着始めたHFPA会員の中には、自分たちをないがしろにできない立場のPRスタッフ、挙げ句の果てにはセレブを個人的に誘ったりあるまじき発言や行動を取ったりする人も現れ、水面下での目に余る行動が問題になりはじめた。少人数「エリート・クラブ」の崩壊序曲HFPAは入会すると、その人が亡くなるまで永久会員となり、誰かが亡くなっても補充するという決まりはないので現在の会員数はたったの87名。貧弱なこの会員数を知って驚く読者も多いのではないか。HFPA会員の質の低下も大きな問題となっていた。永久会員制度が仇となっている部分もあり、今やHFPA内で真のジャーナリストとして活躍している会員はほんの一握りであるとロサンゼルス・タイムズ紙も報じている。会員の中には、年老いた廃業寸前のライターをはじめ、不動産業が本職のメンバー、高級車のセールスマン、執筆などしない単なるお金持ちの映画ファンなども多いという。おまけに、本当に実力のある外国ジャーナリストの入会が却下される事態がたびたび指摘され、それは現在の老会員たちが自分たちへの注目を奪われたくないがための入会妨害だと問題視されている。HFPAはアメリカ映画業界に貢献した海外のジャーナリストたちが協会メンバーとなる資格を有する、というのが表向きで、世界中の著名ジャーナリストから申し込みを受け付けているが、入会には不透明なガイドラインと審査があり、ジャーナリストとしての貢献度よりも会員に気に入られた人間でないと入会できない、という暗黙の了解があるのだ。この小さなグループが、授賞式放映関連で手にする収入がなんと27万ドル(約3,000万円)。この巨額な金額をめぐり、協会内での金銭癒着問題も取り沙汰されてきた。トム・クルーズまでもがボイコット!堕ちたHFPAゴールデングローブ授賞式では、飲み放題食べ放題、セレブとも会い放題で映画ファンにとっては天国のような会場だ。その授賞式チケットを、HFPA会員が日本円にして100万円あまりで外部の人間に違法売買しているというスキャンダルも露見した。そして、今年に入って大問題となっているのが、HFPA内の人種が異常に偏っているという事実。「外国人」ジャーナリスト協会という看板を掲げ、南アメリカやアフリカ諸国からのジャーナリストも交えているはずの団体なのに、なぜか黒人ジャーナリストがゼロなのだ。人種問題が大きく取り上げられる近年の世相において、これは致命的だ。ことを悪化させたのが、改善を誓ったHFPAが、1時間で書いたような情けない改定版規約を発表したことだ。これには大手スタジオやセレブまでもが不信感をあらわにした。HFPAの収入源だったNBCネットワークが来年度の放映中止を発表したのに続き、 Netflix社もボイコット声明を発表。続いてトム・クルーズが、受賞したゴールデングローブ像をすべて返還してボイコットを発表し、世界中でニュースになった。そしてとどめがワーナー・ブラザースやHBOの親会社であるワーナー・メディアだ。「HFPAが根底より行いを改め、我々も納得がいく会員規約を公表しない限り、一切関係を断つ」という辛辣な書状を発表した。映画ファンであっても、これまでゴールデングローブ賞の内部事情など聞いたこともないし興味もなかったという人も多いだろう。しかし、毎年楽しみにしている映画賞が、賄賂をはじめ資金横領や人種差別など、「いかさま」の上になりたった賞だとしたら、ファンとしてどういう気分になるだろうか?筆者はライターである前に映画の大ファンだ。ゴールデングローブ賞を楽しみにしているひとりとして、HFPAの改善を願っている。(text:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美)
2021年05月18日2021年度アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた映画『アイダよ、何処へ?』が、2021年9月17日(金)より東京・渋谷のBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開される。惨劇「スレブレニツァ・ジェノサイド」の真実を描く映画『アイダよ、何処へ?』は、第二次世界大戦後の欧州最悪のジェノサイド(=集団虐殺)とされる、約8千人のイスラム教徒が虐殺された惨劇「スレブレニツァ・ジェノサイド」の真実を描いた衝撃の作品。1995年のボスニア・ヘルツェゴヴィナ東部のスレブレニツァを舞台に、国連平和維持軍で通訳として働く女性アイダが同胞や家族を必死に守ろうとする姿を描く。気鋭の女性監督ヤスミラ・ジュバニッチ監督を務めるのは、31歳の時に発表した長編デビュー作『サラエボの花』でベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた、ヨーロッパを代表する気鋭の女性監督ヤスミラ・ジュバニッチ。『サラエボの花』を発表して以来、『サラエボ、希望の街角』をはじめ、一貫して故郷ボスニア・ヘルツゴヴィナで起きた悲劇を描き続けている。ヤスミラ・ジュバニッチは、映画『アイダよ、何処へ?』について下記の通りコメントを寄せた。ヤスミラ・ジュバニッチ コメント全文5 年の歳月をかけ、多くの障害を乗り越えて、ようやく映画を完成させることができました。スレブレニツァ事件はボスニア人にとってつらい記憶です。 25 年を経た今でも遺体の捜索は続いているし、虐殺を逃れた人たちの多くはまだ生きている。そして、殺害された遺体が新たに発見されたら誰かが刑に処されることになる。だからセルビアでは事件自体を否定する声もあるし、さまざまな感情が渦巻く政治的にも難しい問題なのです。そこに踏み込むのは私には無理だとずっと思ってきました。ですが5作品を手掛け、ようやく私にも撮れると感じたんです。それで 調査を始めて大勢に話を聞くところから始めましたが、想像以上の大仕事でした。生き延びた人たちー彼らは今も生きているし、実際に起こったことをその目で見ているーへの大きな責任もある。だから、私たちボスニア人にとって苦痛に満ちたこの出来事を、できるだけ正確に世界に伝えたかったのです 。アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートなお、映画『アイダよ、何処へ?』は、第74回アカデミー賞外国語映画賞受賞作『ノー・マンズ・ランド』以来19年ぶりにボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画として、2021年度のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。映画『アイダよ、何処へ?』<ストーリー>ボスニア紛争末期の1995年7月11日、ボスニア東部の町スレブレニツァがセルビア人勢力の侵攻によって陥落。避難場所を求める 2 万人の市民が、町の外れにある国連施設に殺到した。国連保護軍の通訳として働くアイダは、夫と二人の息子を強引に施設内に招き入れるが、町を支配したムラディッチ将軍率いるセルビア人勢力は、国連軍との合意を一方的に破り、避難民の“移送”とおぞましい処刑を開始する。愛する家族と同胞たちの命を守るため、アイダはあらゆる手を尽くそうと施設の内外を奔走するが――。作品詳細映画『アイダよ、何処へ?』公開日:2021年9月17日(金)よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開監督:ヤスミラ・ジュバニッチ出演:ヤスナ・ジュリチッチ/イズディン・バイロヴィッチボスニア・ヘルツェゴヴィナ・オーストリア・ルーマニア・オランダ・ドイツ・ポーランド・フランス・ノルウェー・トルコ合作映画/ボスニア語・セルビア語・英語他/2020年/101分/原題:Quo Vadis, Aida提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
2021年05月09日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスで開催され、クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が作品賞をはじめ、監督賞、主演女優賞の最多3部門で栄冠に輝いた。ベネチア国際映画祭での金獅子賞受賞を皮切りに、トロント国際映画祭、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞といったオスカー前哨戦で圧倒的な強さを発揮した本作が、アカデミー賞でも大本命としてのポテンシャルを見せつけた。ジャオ監督は監督賞を受賞し、女性監督として『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー(第82回)以来2人目の快挙を達成した(なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのも、『ハート・ロッカー』以来2作目となる)。主演女優賞も『ノマドランド』からフランシス・マクドーマンドが受賞。こちらも前哨戦での勢いそのままに、彼女にとって『ファーゴ』(第69回)、『スリー・ビルボード』(第90回)に続く3度目の同賞受賞を果たした。これで主演女優賞の受賞回数としては、通算4度輝いたキャサリン・ヘプバーンに次ぎ、歴代2位を誇ることになる。『ノマドランド』はジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性・ファーン(マクドーマンド)が、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を通して、人間にとっての誇りと尊厳、自由に生きる意義を問いかけた。フィクションとドキュメンタリーの境界を巧みに行き来する芸術性に加えて、主人公のたくましい姿に、コロナ禍を生き抜こうと葛藤する現代人が、自らを重ね合わせたのも旋風の大きな要因。まさに“今年の1本”と呼ぶにふさわしい本作が、激動のアカデミー賞を制する結果となった。中国出身の女性監督が手がけた『ノマドランド』が作品賞と監督賞に輝いた第93回のアカデミー賞で、もう1つ歴史的瞬間が刻まれたのが、助演女優賞。『ミナリ』のユン・ヨジョンが、韓国人俳優として初めてアカデミー賞の俳優部門で受賞する快挙を成し遂げたのだ。1980年代、農業での成功を夢見て、アメリカ南部に移住した韓国出身の一家が、理不尽な境遇にも負けず生きる姿を描くヒューマンドラマで、ヨジョンは毒舌で破天荒な祖母スンジャを好演。前哨戦にあたる全米映画俳優組合(SAG)賞、英国アカデミー賞でも助演女優賞を獲得していた。なお、『ミナリ』は大半が韓国語のセリフだが、ブラッド・ピットの映画製作会社「PLAN B」が製作に関わったアメリカ映画となる。例年と異なり、セレモニーの最後に発表されたのが主演男優賞。受賞したのは『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスだった。史上最高齢で2度目の受賞。遺作『マ・レイニーのブラックボトム』で“最期の熱演”を披露し、昨年8月に43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんは受賞を逃した。最後の最後、大方の予想に反する驚きのどんでん返しが待っていた。また、助演男優賞は『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』のダニエル・カルーヤが初受賞している。新型コロナウイルスの影響により、開催が危ぶまれた中、例年の2月開催から4月に延期された今年のアカデミー賞授賞式。劇場閉鎖が長引く現状を考慮し、NetflixやAmazon Prime Videoといったインターネットを通じて配信された作品も、各部門のノミネート資格を得る異例の条件が加えられた。昨年から一転し、俳優賞全部門に非白人の候補が名を連ねた。異例尽くし、そしてニューノーマルともいえる投票の結果、会員たちは『ノマドランド』を筆頭に、時代や人種、性別や障がいの有無といった枠組みを超えて、逆境にもめけず前を向く人々の力強さと多様な生き方を祝福した。繰り返しになるが、その姿にコロナ禍を生きる私たちが大いに共感を覚えることは言うまでもない。【第93回アカデミー賞主な受賞結果】作品賞:『ノマドランド』監督賞:クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞:アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞:フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞:ダニエル・カルーヤ『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』助演女優賞:ユン・ヨジョン『ミナリ』国際長編映画賞:『アナザー・ラウンド』(デンマーク)脚本賞:『プロミシング・ヤング・ウーマン』脚色賞:『ファーザー』音響賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』編集賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』撮影賞:『Mank/マンク』美術賞:『Mank/マンク』衣装デザイン賞:『マ・レイニーのブラックボトム』メイク・ヘアスタイリング賞:『マ・レイニーのブラックボトム』作曲賞:『ソウルフル・ワールド』歌曲賞:『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』“Fight For You”視覚効果賞:『TENET テネット』長編アニメ映画賞:『ソウルフル・ワールド』長編ドキュメンタリー映画賞:『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』短編実写映画賞:『隔たる世界の2人』短編アニメ映画賞:『愛してると言っておくね』短編ドキュメンタリー賞:『コレット(原題)』取材・文=内田涼『ノマドランド』公開中生中継!第93回アカデミー賞授賞式放送日時:4月26日(月)午前8:30 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]第93回アカデミー賞授賞式<字幕版>4月26日(月)夜9:00 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]番組オフィシャルサイト:
2021年04月26日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン駅の2つの会場で開催され、作品賞にクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が輝いた。第77回(2020年)ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を皮切りに、第45回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞、第78回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞。第74回英国アカデミー賞でも、作品賞をはじめ最多4部門に輝いていた。オスカー前哨戦で圧倒的な存在感を示した“大本命”が、今年のアカデミー賞でも順当に作品賞を手にし、コロナ禍に揺れた映画賞レースにおいて有終の美を飾った。なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのは、キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』(第82回)以来2度目となる。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性が“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を、アメリカ西部の雄大な自然を背景に描いた。誇りを胸に、自由に生きる主人公には、コロナ禍に苦悩する世界中の観客から強い共感が寄せられていた。受賞コメントクロエ・ジャオ監督プロデューサー陣、フランシス・マクドーマンドを代表してご挨拶します。他の候補者の皆さんにもお礼を申し上げます。フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、原作者のジェシカ・ブルーダー、そしてノマドの皆さん。多くの人たちのおかげで、この作品が完成しました。皆さんは真実の優しさを示してくれました。プロデューサーも務める主演のフランシス・マクドーマンドぜひ、大きなスクリーンで見てください。仲間を連れて映画館に行き、隣にも観客がいる状況で。ウルフにこの映画を捧げます(オオカミの鳴き声をまねて、雄たけび)(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月26日本年度アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『アイダよ、何処へ?』(原題:Quo Vadis, Aida?)が、この秋、日本公開決定。ティザービジュアルも到着した。1995年夏。セルビア人勢力によって占拠されたボスニア・ヘルツェゴヴィナの町、スレブレニツァ。2万5千人もの住人たちが保護を求めて国連基地に集まっていた。国連平和維持軍で通訳として働くアイダは、交渉の中で極めて重要な情報を得ることに。セルビア人勢力の動きがエスカレートし、基地までも占拠しようとする中、アイダは逃げてきた同胞、その中にいる夫と息子たちを守ることはできるのか――。本作は、長編デビュー作『サラエボの花』が2006年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、注目されたヤスミラ・ジュバニッチ監督による最新作。『サラエボ、希望の街角』をはじめ、一貫して故郷ボスニア・ヘルツェゴヴィナの悲劇、ボスニア紛争の傷跡を描き続けている監督が、オスカー初ノミネートを果たした本作は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ東部のスレブレニツァで約8000人のイスラム教徒が虐殺された惨劇から25年という節目に、国連平和維持軍で通訳として働く女性アイダが、必死に家族を守ろうとする姿を通して、その真実を描く衝撃のドラマだ。ヴェネチア国際映画祭では無冠だったが、オスカー候補への追い上げで注目されている本作。RottenTomatoesでは、100%フレッシュの高評価を得ている。『アイダよ、何処へ?』は9月17日(金)よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2021年04月25日英国アカデミー賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではさらに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズが撮影賞を受賞した。主演男優賞は『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス。助演男優賞は『Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ、助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジュン。イギリス映画賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』。脚本賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』、脚色賞は『ファーザー』だった。文=猿渡由紀『ノマドランド』公開中
2021年04月12日日曜日(現地時間)、英国アカデミー賞(BAFTA賞)がバーチャル開催された。クロエ・ジャオ監督作の『ノマドランド』が作品賞、監督賞を含む4部門を受賞。ジャオ監督は英国アカデミー賞史上、監督賞を受賞した2人目の女性であり、初の有色人種女性という偉業を達成した。なお、監督賞を受賞した初の女性は、2010年のキャスリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』)。ジャオ監督は「この賞を、ノマディックコミュニティの人たちに捧げたいです。彼らは、生活の中に私たちを快く受け入れてくれましたから。夢、葛藤、深い尊厳について共有してくれたのです。年を重ねるということの美しさーー私たちが慈しみ、祝福すべき旅路を教えてくれたことに感謝します」とスピーチした。主演男優賞のアンソニー・ホプキンス(83)は、同賞の史上最年長受賞者となった。「テレグラフ」紙によると、本人は受賞するとは全く予想していなかったそうで、オンラインでの授賞式を見ずにウェールズのホテルで絵を描いていたという。主な受賞者・受賞作品は以下の通り。作品賞『ノマドランド』監督賞クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』助演女優賞ユン・ヨジョン『ミナリ』オリジナル脚本賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェンネル英国作品賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Hiromi Kaku)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月12日アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが9日、都内で行われた「令和2年度・3年度 吉川英治賞贈呈式」に出席した。著書『オルタネート』(新潮社)で「第42回吉川英治文学新人賞」を受賞した加藤。「(発表されてから)このひと月、本当にたくさんの方から『おめでとうございます』と言われて、あまり小説を読まないような知人からも『すごいね』とたくさん言われて、賞の偉大さを身に染みて感じています」と語った。デビュー小説『ピンクとグレー』のときの編集者や装丁を手がけた作家からも連絡をもらったことを明かし、「ここから10年経ったんだな。頑張ってきたなと、少し自分を褒めたくなりました」としみじみ。「僕個人ではなく、編集関係者、装丁の方、本当に多くの方が関わってくださっているんだなと改めて思い出し、作家活動に関わってくださったすべての皆さんにお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます」と感謝の思いを述べた。また、「『オルタネート』はちょうど2年前くらい前に書き始めて、そのときはまさかこの作品が文学賞の候補になり受賞できるとは思っていませんでした。今、自分がここに立っているのが夢のようだなと思っています」と心境を告白。さらに、「『加藤シゲアキ、作家やっていいんだよ』と慰めていただいた感覚もあります。ここからも頑張って書き続けていきたいと思いますし、吉川英治文学新人賞は僕にとって心強い味方になりました」とも話した。『オルタネート』は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代が舞台に、SNSの存在に翻弄されていく若者たちの姿を、繊細かつエモーショナルな筆致で表現した作品。加藤にとって3年ぶりの新作長編で、「第164回直木賞」、「2021年本屋大賞」にもノミネートされた。
2021年04月09日世界各国の映画祭で観客賞を受賞しながら、「『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞で波乱を起こす作品」と海外メディアから評された映画『ミナリ』。本年度の第93回アカデミー賞でも作品賞、監督賞ほか6部門にノミネート。主演のスティーヴン・ユァンもアジア系アメリカ人として初めて主演俳優賞にノミネートされた。ユァンといえば、海外ドラマファンでなくともその名は知る、大人気サバイバル・ヒューマンドラマ「ウォーキング・デッド」のグレン・リー役でお馴染み。大出世作となったこの「ウォーキング・デッド」を含め、製作総指揮も務めた『ミナリ』までの彼の軌跡に追った。コメディ&音楽のセンスも抜群!スティーヴン・ユァンの魅力1983年12月21日、韓国ソウル生まれ。幼少時にカナダをへてアメリカに移住し、ミシガン州トロイで育つ。「ウォーキング・デッド」においても、グレンが“ミシガン出身で韓国からの移民”と話すシーンがあり、自身の境遇が生かされている。心理学を学んでいた大学在学中から演技に目覚め、卒業後はシカゴでアジア系アメリカ人で構成されるスケッチ・コメディグループ「シチュー・フライデー・ナイト」に参加。また、ビル・マーレイやスティーブ・カレル、マシ・オカらを輩出した即興コメディ劇団の名門「セカンド・シティ」のメンバーでもあった。短編映画やコメディ映画『My Name Is Jerry』(原題/09)などに出演し、人気ドラマシリーズ「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」シーズン3にシェルドンの元ルームメイト役でゲスト出演、1シーンながらもコメディ俳優としての才覚を発揮する。そして2009年に受けたオーディションで、AMCの「ウォーキング・デッド」(10~)の主要キャラクター、グレン役を見事に掴むと、シーズン1からシーズン7第1話まで同役を演じた。ドラマは日本をはじめ世界的人気を博し、彼も一躍ブレイク。アメリカのTVシリーズで最も成功したアジア系俳優のひとりとなった。走り回ったり、大声で叫んだり、何かと体力を消耗する撮影にはボクシングで鍛えて臨んでいたとか。2016年12月に写真家ジョアンナ・パクと結婚、現在は2児の父でもある。また、声優の仕事にも定評があり、ロボットアニメシリーズ「ヴォルトロン」をはじめ、「ファイナル・スペース」、映画『ザ・スターはじめてのクリスマス』、ギレルモ・デル・トロ監督の「トロールハンターズ」「ミッシング・スリー」「ウィザード」の“アルカディア物語”など多数の作品で活躍する。確かにユァンの深みのある低めの声質は、聞いていて心地よい。「ウォーキング・デッド」シーズン2ではグレンが「誰かギターを弾ける?」と尋ねるシーンがあったが、実は彼こそギターの達人で美しい歌声の持ち主。しかも、2016年にはJ.Y.Parkことパク・ジニョンの「Fire」MVにアメリカの人気司会者コナン・オブライエン、「TWICE」「Wonder Girls」と参加したことも。K-POPアイドル風メイクでキレキレに踊る姿も必見だ。映画では『アイ・オリジンズ』(14)や『ホワイト・ボイス』(18)ほか、ポン・ジュノ監督『Okja/オクジャ』、イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』と母国・韓国を代表するアイコニックな監督の作品に相次いで出演、“「ウォーキング・デッド」のアジア人”だけじゃない魅力をスクリーンで見せつけた。主演の短編映画『頑固者』(18)はショートショートフィルムフェスティバル &アジアでも日本に紹介されている。2019年には『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピールによる「トワイライト・ゾーン」リブートや、YouTube Premiumのシュールなコメディ・アンソロジー「ウィアード・シティ」にも参加。次回作は『ミナリ』の「A24」製作、トニー賞受賞舞台をエイミー・シューマーで映画化した『The Humans』(原題)で、ジェイン・ハウディシェルやリチャード・ジェンキンスといったベテラン、『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』のビーニー・フェルドスタインらと共演。さらに「トロールハンターズ」の新作ほか、ジョーダン・ピールが手がけるダニエル・カルーヤ共演のホラーなども待機する。「ウォーキング・デッド」で愛された“グレン”“ウォーカー”が大量発生した終末世界で、キャップを被った元ピザ配達の青年はいつしか銃を携え、愛する妻や仲間を命がけで守るたくましい青年へと見事な成長を遂げた。ミショーン役ダナイ・グリラを筆頭に、アフリカ系やヒスパニック系ほか、女性キャラクターも数多く登場し活躍する作品ではあるが、アジア系俳優のユァンが期待された以上の役割を演じたことに誰も異論はないはず。極限サバイバルでの人間関係も色濃く描かれた本作で、彼が演じたグレンは視聴者が心を寄せた屈指の人気キャラクターだ。シーズン序盤のグレンは、気弱なところはあるが生きるために必死。俊敏で機転が利き、偵察や物資調達の名人。仲間思いで誠実、決して嘘がつけない男。当初ダリル(ノーマン・リーダス)に中国人と間違えられるも、「韓国だ」とはっきり言うシーンもあった。人気キャラクターとなったゆえの宿命か(!?)、幾度も幾度も絶対絶命のピンチに遭遇しながら“絶対に生き抜く”という覚悟で乗り越えてきたグレン。シーズンを重ねるごとに、リーダー格の保安官リック(アンドリュー・リンカーン)が終末世界での大混乱に際して倫理観が揺らぎ、生きた人間を殺めることにも躊躇しなくなっていくのとは対照的に、グレンの変わらぬ善意に溢れた人間性はより強い印象を放っていった。シーズン2で出会い、シーズン3で夫婦となったマギー(ローレン・コーハン)から、グレンは“賢くて頼りがいのある”男性であり、囮や偵察に使われるなんて「軽視されている」と指摘されるシーンも印象的。さらに、マギーとともに捕虜になったとき初めて感情を爆発させ、ウォーカーを倒すシーンや、離ればなれになったマギーを探しにいく際の黒ずくめの防御服を着た姿などもグレンを語る上では外せない。必要とされれば、やるしかない。とにかく、前に進むしかない。そんな彼の生き様は観る者を高揚させたが、あまりにも衝撃的すぎる最期には世界中のファンが騒然となり、日本でも追悼特別映像が作られたほど。愛する者のために力強く成長していく姿を見せてきたグレン(と彼の精神)が理不尽な暴力に倒れたことは、現実の不寛容な世界を暗示しているようでもある。そして時を経て、映画『ミナリ』ではアメリカン・ドリームが打ち砕かれる恐怖を家族にも見せまいとする、理想の父親像や“男らしさ”に囚われすぎた役どころを演じている点も見逃せない。ポン・ジュノ監督×プランBとタッグ『Okja/オクジャ』(2017)ブラッド・ピットの製作会社「プランB」とポン・ジュノ監督が組んだNetflixオリジナル映画。多国籍企業のスーパーピッグ計画により誕生した“オクジャ”は、韓国の山村で少女ミジャ(アン・ソヒョン)とともに立派に育ったが、やがてアメリカへ連れていかれることに。そこへオクジャを救い、ミジャに手を貸す活動家ジェイ(ポール・ダノ)率いるALF(動物解放戦線)が現れる。ユァンが演じたのは、ALFメンバーの韓国系アメリカ人でミジャへの通訳を任されるケイ。だが、彼がジェイの言葉を正しくミジャに伝えなかったことから、さらなる悲劇がミジャとオクジャに降りかかる――。昨年度の各映画賞でポン・ジュノ監督が何度も口にしていた、「英語を習えば役に立つ」「翻訳は尊い」が身に染みたはずの(?)ケイの活躍ぶりは要チョック。ミステリアスな青年を怪演…イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』(2018)主人公イ・ジョンス(ユ・アイン)は兵役を終え、大学を卒業してもバイト暮らしの小説家志望の青年。パントマイムを勉強中という幼なじみシン・ヘミ(チョン・ジョンソ)と再会するが、彼女がアフリカ旅行から帰ってくると見知らぬ年上の男ベンと親しくなっていて――。ポン・ジュノ監督と組んだ縁から、イ・チャンドン監督に起用されたというユァン。「ウォーキング・デッド」の純朴青年が、優雅で都会的な雰囲気をまとい、カリスマ性と色気を放つ危険な男を演じることになるとは!彼の含み笑いには、胸騒ぎが止まらない。一等地に住み、高級車に乗り回す裕福でインテリなベンが、田舎の幻想的なマジックアワーを背景にジョンスに語る“ビニールハウス”の比喩が鍵を握る。あまりにも魅惑的なベンを演じたユァンはロサンゼルス映画批評家協会賞、全米批評家協会賞などで助演男優賞を受賞。アカデミー賞にもノミネートされてほしかった作品。感染パニックの高層ビル内で大暴れ『Z Inc. ゼット・インク』(2018)製作総指揮も兼任したユァンが演じる大手法律事務所の弁護士デレク・チョーは、ある日、同僚のミスの責任を押しつけられ解雇を言い渡される。そんなとき、感情と理性のバランスを狂わせるウィルス「ID7」が社内で蔓延、高層ビルのオフィスがまるごと隔離処置されてしまう。「ウォーキング・デッド」序盤のころのグレンの姿はどこへやら。本作では一切の迷いナシ、解雇撤回を求めてペントハウスにいるボスのもとへ、クライアントの女性(サマラ・ウィービング)とコンビを組みながら血で血を洗うバトルを繰り返して暴れ回る。本作で不思議な爽快感を得てしまうのは、かなり職場にストレスがたまっている証拠かも!?こんな彼氏に思い当たる節あり?「トゥカ&バーティー」(2019)自信家で自由奔放なオオハシのトゥカ(声:ティファニー・ハディッシュ)と、自分に自信のもてないウタツグミのバーティー(声:アリ・ウォン)はルームシェアをする親友同士。バーティーが彼氏のスペックルと同居することになり、トゥカは真上の部屋に引っ越すのだが…。トゥカとの友情や職場のセクハラなどに悩み、内に抱えがちなバーティーに対し、彼女が悶々としていることは分かっても、それが何に対してなのか見当もつかず(そのモヤモヤの原因は自分ではないと思っている)、あるときは鈍感すぎ、あるときはセンシティブすぎる彼氏スペックルの声を演じているのがユァン。大切なパートナーに黙って家を購入してしまうあたりは、『ミナリ』のジェイコブにも通じる!?なお、Netflixではシーズン2の更新がキャンセルされたが、カートゥーンネットワークの大人向け時間帯「Adult Swim」にて2021年内に復活が決定(日本上陸は未定)。また、カップルを演じたウォンとは「A24」製作のドラマシリーズで再共演することになり、ともに製作総指揮も務める。「ザ・ボーイズ」に匹敵する!?「インビンシブル ~無敵のヒーロー~」(2021)Amazon Original作品として3月26日より配信されたばかりの本作は、「ウォーキング・デッド」の原作者で製作総指揮のロバート・カークマンが手がけるスーパーヒーローアニメ。17歳のマーク・グレイソンは父親のスーパーパワーを受け継ぎ、地球で最も偉大なヒーローの1人として活動することになるが、ある衝撃的な出来事がすべてを変えてしまう…。成長途上のティーンエイジ・ヒーロー物かと思いきや、なんとR18+指定の完全大人向け。「ザ・ボーイズ」並に血しぶきが飛び、ユァンが声を務めるマーク=インビンシブルの“ヒーローであること”の恐怖や葛藤、試練に焦点が当てられる。J.K.シモンズ、サンドラ・オー、マーク・ハミルほか声優陣は豪華で、マギー役のローレン・コーハンら「ウォーキング・デッド」キャストも。全8話。「子どもたちに成功する姿を見せてやりたい」『ミナリ』(2020)リー・アイザック・チョン監督が妻のいとこだった縁もあって、参加を決めたというユァン。主演とともに製作総指揮にも名を連ねている。韓国から移住したのが4歳ごろという彼は、まさに自分の親世代に当たるジェイコブを演じた。「プランB」がこれまでも取り組んできたような、家族の再生を描くリー監督の自伝的物語であり、誰もが共感できる夫婦や、孫と祖母の普遍的な物語ともなっている。最初は西海岸で、ヒヨコの鑑別をしながら地道に働いて資金を貯めたジェイコブは、アーカンソーの高原に50エーカーもの土地を買う。映画冒頭で一家が目にする光景は、妻モニカ(ハン・イェリ)でなくとも「約束が違うじゃない!」と言いたくなるほど、何もない。ジェイコブはこの地に、自分の手で一から農園を作ることに意欲を燃やす。家族の運命を自分が握っているという、使命感とある種の優越感にひたっていることが、トラクターの後をついてくる子どもたちの様子を悠々と振り返る姿からもうかがえる。まるで、“俺が拓いた道についてくればいい”とでも言いたげだ。しかし、水が干上がり思うように作物が育たなかったり、取引先が見つからなかったりと苦難は続く。ジェイコブが闘うのは大自然でも、家族の困難でもなく、自らが背負った“子どもたちに成功する姿を見せなければ”“彼らのために道を作らなければ”という十字架のようなもの。やがてジェイコブは、アメリカン・ドリームとは父親や夫だけのものではないと気づくことになる。これまでも男性ゆえに求められる強さと、恐怖やプレッシャーと向き合う役柄を演じてきたユァン。2度目の収穫からがおいしいとされる「ミナリ」のごとく、世界的ヒットシリーズを糧にした本作で次なる躍進のときを迎えている。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ウォーキング・デッド [海外TVドラマ]© 2010 American Movie Classic Company,LLC. All Rights Reserved.【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-オクジャ/okja Netflixにて配信バーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reservedミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
2021年04月09日今年1月に開館5周年を迎えたロームシアター京都(京都市左京区)が2021年度の自主事業ラインアップを発表した。2021年度のテーマは「声」。《自分たちの「声」(=活動)を取りもどすこと》と《声なき声に耳を傾けること》というふたつの意味を持たせているという。同劇場のプログラムディレクター小倉由佳子氏は「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、舞台芸術は活動停止・縮小を余儀なくされた。舞台芸術の醍醐味と言える、集うこと、殊に声を出すことが制限された」とコロナ禍における現状の厳しさを述べた上で、「ロームシアター京都では、状況に応じた上演・創作環境のなかでも、自分たちの表現を追い求め、場をつくり出し、観客との関係をあきらめないアーティストたちとの協働によって、プログラムを展開していく」などと語った。自主事業ラインナップは、「作品創造」「京響プログラム」「伝統芸能の継承」など、6つのカテゴリーに分けて紹介された。ラインナップは以下の通り。1.作品創造・Sound Around 001。7月17、18日。ジャンルや固定観念にとらわれない「音楽」を軸とした表現活動を行うアーティストによるパフォーマンスを紹介する新シリーズ。出演は「いまいけぷろじぇくと」ほか。市原佐都子「妖精の問題」Photo:Kai Maetani・レパートリーの創造 市原佐都子/Q「妖精の問題」リクリエーション。2022年1月下旬。作・演出は市原佐都子。・レパートリーの創造 関連プログラム「シーサイドタウン」を振り返る。6月上旬。登壇者は松田正隆、村川拓也ほか。・レパートリーの創造 ダムタイプ創設メンバー・髙谷史郎の新作準備のためのトークシリーズ。4月9日ほか全4回。トーク出演は高谷史郎、東岳志ほか。・小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅧ ROHM CLASSIC SPECIAL。3月18日、20日。音楽監督は小澤征爾、管弦楽は小澤征爾音楽塾オーケストラほか。ダミアン・ジャレ×名和晃平クリエーション(c)Yoshikazu Inoue・ダミアン・ジャレ×名和晃平 「PLANET[wanderer]」クリエーション。京都発の彫刻家と、世界で脚光を浴びる振付家によるコラボレーション第2弾。7月上旬〜中旬、本番2022年4月下旬。振付はダミアン・ジャレ、舞台美術は名和晃平。・ロームシアター京都レパートリー作品ジゼル・ヴィエンヌ、エティエンヌ・ビドー=レイ「ショールームダミーズ #4」パリ公演。11月10日〜13日。演出・振付・舞台美術はジゼル・ヴィエンヌ、エティエンヌ・ビドー=レイ。・アンディ・マンリークリエーション。イギリス国内外で公演を行うアンディ・マンリーによる子ども向け新作。11月中旬〜12月初旬。アンディ・マンリー2.京響プログラム・京都市交響楽団×藤野可織 オーケストラストーリーコンサート「ねむらないひめたち」6月20日。・広上淳一×京響コーラス「フォーレ:レクイエム」。8月9日。・京都市交響楽団コンサート 京都市交響楽団×石丸幹二音楽と詩(ことば) メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」。9月5日。・京都市交響楽団コンサート 京響クロスオーバー オーケストラ・プレミアム 作曲家・編曲家プロジェクト「大島こうすけ×西川貴教×京都市交響楽団」。10月10日。3.伝統芸能の継承・市民寄席。5月25日ほか。・能の世界へおこしやす〜京都薪能鑑賞のための公開講座〜。6月1、2日。・第71回京都薪能ー地・水・火・風・空ー。6月1、2日。・能楽チャリティ公演〜祈りよとどけ、京都より〜。8月25日。・《継承と創造》1 「宮古・八重山・琉球の芸能」(仮)。2022年2月11、12日。・伝統芸能入門講座。2021年秋開講予定。案内人:木ノ下裕一。京都薪能4.ロームシアター京都セレクション・ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU”。参加アーティスト:(1)福井裕孝 (2)敷地理。(1)7月2〜4日(予定)(2)2022年2月(調整中)。・[フェスティバル]KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2021 AUTUMN。10月1〜24日。・ぐうたららばい vol.2「海底歩行者」。10月30、31日。作・演出・音楽は糸井幸之介。・太陽劇団「金夢島 L’ÎLE D’OR」(仮題)。11月6、7日。演出はアリアーヌ・ムヌーシュキン。・ピチェ・クランチェン・ダンスカンパニー「No.60」。12月3、4日。5.ラーニング・劇場の学校プロジェクト。7〜8月、12月。・新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室2021「ドン・パスクワーレ」。10月26、27日。・小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅧ 子どものためのオペラ ローム クラシック スペシャル。2022年3月。・リサーチプログラム。通年(2022年3月に最終報告会を予定)。・ロームシアター京都×京都市ユースサービス協会連携事業 未来のわたし - 劇場の仕事 - 。通年。6.コミュニティ・プレイ!シアターin Summer 2021 ステージプログラム『快傑ゾロ』アルファ人形劇場 from チェコ共和国。8月8日。・プレイ!シアターin Summer 2021 ロームシアター京都×京都市文化会館5館連携事業「シアターデビュー!」促進プログラム。日程未定。・プレイ!シアターin Summer 2021 オープンデイ。8月14、15日。・プレイ!シアターin Summer 2021 京都市交響楽団0歳からの夏休みコンサート 京都市動物園コラボレーションスペシャル。8月14 日。・ホリデー・パフォーマンス。6月27日、12月(予定)。・OKAZAKI PARK STAGE 2021。10月1日。・地域の課題を考えるプラットフォーム「仕事と働くことを考える」。7月〜2022年1月(計4回開催)。・機関誌「ASSEMBLY(アセンブリー)」。発行メディア・発行時期検討中。・「いま」を考えるトークシリーズ。年4回開催。・アセンブリープログラム。ロームシアター京都 プログラムディレクター 小倉由佳子取材・文:五月女菜穂
2021年03月19日米津玄師が、令和2年度(2020年4月〜2021年3月)の第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞・大衆芸能部門を受賞した。大衆芸能部門において、平成生まれのアーティストの新人賞受賞は初めての快挙となる。芸術選奨文部科学大臣新人賞は文化庁が毎年度、芸術各分野において優れた業績を挙げ、新生面を開いた人物に対して送られる賞となっており、米津が2020年8月にリリースしたアルバム『STRAY SHEEP』において「沈静化したポップス界の再活性化」を促したことが評価され、今回の受賞に至った。アルバム『STRAY SHEEP』は、CDの売上枚数と、デジタルダウンロードのDL数およびストリーミングの再生数を合計したセールスがダブルミリオンを突破し、今なお記録を更新し続けている。3億5,000万ユーザーを誇るオンラインゲーム「FORTNITE」での革新的なバーチャルライブの開催や、ユニクロとのコラボTシャツの販売、さらには世界的映画監督・是枝裕和氏が手掛けた「カナリヤ」MVの公開など、1年を通して様々な活動を展開。米津が2020年度に受賞したランキングは今回の賞も含めて29冠を達成した。■令和2年度「第71回 芸術選奨文部科学大臣 新人賞」大衆芸能部門 贈呈理由米津玄師氏は2018年に発表され、ロング・ヒットとなった「Lemon」でその存在を広く知られ、Foorinへの提供曲「パプリカ」のヒットにより幅広いファンの支持を得た。ヒップ・ホップ的なセンス、歌謡曲的な要素を継承したメロディー、エレクトロニクスとアコースティックを融合させた斬新で充実した完成度の高い音楽性が評価され、アルバム「STRAY SHEEP」では新型コロナウイルス禍による混沌(こんとん)とした社会状況を反映した新曲も収録。沈静化したポップス界の再活性化を促す端緒となった。文化庁 報道資料リリース情報米津玄師 5th ALBUM『STRAY SHEEP』2020年8月5日(水) 発売『STRAY SHEEP』ジャケット<商品形態>おまもり盤(初回限定):CD+ボックス+キーホルダー / 税抜4,500円アートブック盤(初回限定):CD+Blu-ray+アートブック / 税抜6,800円アートブック盤(初回限定):CD+DVD+アートブック / 税抜6,800円通常盤:CD only / 税抜3,000円<収録内容>【CD】(全形態共通)01. カムパネルラ02. Flamingo(ソニーワイヤレスヘッドホンCM)03. 感電(TBS系金曜ドラマ「MIU404」主題歌)04. PLACEBO + 野田洋次郎(野田洋次郎とのコラボ楽曲)05. パプリカ(Foorin「パプリカ」のセルフカバー)06. 馬と鹿(TBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌)07. 優しい人08. Lemon(TBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」主題歌)09. まちがいさがし(菅田将暉「まちがいさがし」のセルフカバー)10. ひまわり11. 迷える羊(大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)12. Décolleté13. TEENAGE RIOT(ギャツビーCM)14. 海の幽霊(映画「海獣の子供」主題歌)15. カナリヤ【Blu-ray・DVD】(アートブック盤(初回限定)のみに収録)LIVE VIDEO:米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃2019.3.11 幕張メッセ展示ホール01. Flamingo02. LOSER03. 砂の惑星04. 飛燕05. かいじゅうのマーチ06. アイネクライネ07. 春雷08. Moonlight09. fogbound10. amen11. Paper Flower12. Undercover13. 爱丽丝14. ピースサイン15. TEENAGE RIOT16. Nighthawks17. orion18. LemonEN1. ごめんねEN2. クランベリーとパンケーキEN3. 灰色と青MUSIC VIDEO:01. Lemon02. Flamingo03. TEENAGE RIOT04. 海の幽霊05. パプリカ06. 馬と鹿関連リンク米津玄師 オフィシャルHP米津玄師 公式twitter
2021年03月03日公益財団法人ソニー音楽財団による、第19回(2020年度)「斎藤秀雄メモリアル基金賞」のチェロ部門受賞者は、新倉瞳(チェロ)に決定した。※指揮者部門の該当者はなし。若手チェリスト、指揮者を顕彰することを目的とした「斎藤秀雄メモリアル基金賞」は、チェリスト・指揮者として高名な故・斎藤秀雄(1902-1974)氏に因み、2002年に創設された。過去の受賞者には、第1回(2002年度)植木昭雄、第2回(2003年度)古川展生等、日本を代表するチェリストが受賞している。一方、今回は該当者がなかった指揮部門においては、第1回(2002年度)大野和士、第2回(2003年度)広上淳一など、こちらも現在、第一線で活躍する指揮者を輩出。若手チェリスト・指揮者を世に送り出す重要な機会を提供し続けている。●新倉瞳/Hitomo Niikura(チェロ)幼少期をアメリカとドイツで過ごし、8 歳よりドイツでチェロを始める。桐朋学園女子高等学 校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業、卒業時には皇居桃華楽堂新人演奏会に出演、御前演奏を行う。その後、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了。これまでにJan Vymyslicky、毛利伯郎、堤剛、Thomas Demenga、Martin Zaller (バロ ック・チェロ) の各氏に師事。室内楽を徳永二男、原田幸一郎の各氏に師事。 2014 年より Camerata Zürich のソロ首席チェリストをつとめている。2003年いしかわミュージックアカデミーにてIMA音楽賞を受賞し、アメリカ/アスペン音楽 祭に奨学生として参加。2007年第28回霧島国際音楽祭にて霧島国際音楽祭賞を受賞。2009 年ル ーマニア国際音楽コンクール室内楽部門にて第1位を受賞。2015年スイスのベルンで開催されたOrpheus Kammermusikwettbewerbにて入賞。同年、ポルトガルのリスボンで開催された Internacional Verão Clássico 2015 チェロ部門にて第1位を受賞。2016年5月スイス/ルツェルンの高級時計ブランド Carl.F.BuchererよりPathos Woman Awardを受賞。2017年第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。2006年8月桐朋学園大学在学中には、EMI Music Japan(現ユニバーサル・ミュージック)よ り「鳥の歌」をリリースし、紀尾井ホールにてデビュー。これまでにEMI Music Japanから3枚のアルバム、Live Notesよりピアニスト佐藤卓史とのライヴCD「ブラームス&ラフマニノフ:チェロ・ソナタ」、F.S.L.レーベルよりアコーディオニスト佐藤芳明とのDuo「魂柱と鞴」、ア ールアンフィニ・レーベルより、最新CD「ダンツァ」や高橋多佳子、礒絵里子との「椿三重奏団」を含む4枚のアルバムが発売されている。今年秋には5人の作曲家に新曲を委嘱した「委嘱作品集」が同レーベルより発売予定。また、チューリッヒを拠点の人気クレズマーバンドCheibe Balaganのメンバーとして2014年から参加し、様々な音楽祭に招かれ、音楽の幅を広げている。現在はCamerata Zürichのソロ首席チェリストとしてスイスを拠点に活躍する中、ソリスト、室内楽奏者として全国各地でリサ イタル、オーケストラとの共演を重ね、司会、番組ナレーション、音楽劇、演奏家のためのドレスM Maglie le cassettoのプロデュース等、活動の幅を広げ音楽の素晴らしさを広く深く伝えようとする姿勢は多くの共感を集めている。使用楽器は、宗次コレクションより貸与されたGiovanni Grancino(1694年製)。
2021年03月03日フィルム・インディペンデント・スピリット賞のノミネーションが発表になった。作品部門の候補は『マ・レイニーのブラックボトム』『ミナリ』『ノマドランド』『First Cow』『Never Rarely Sometimes Always』の5本。監督部門は、クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)、リー・アイザック・チョン(『ミナリ』)、イライザ・ヒットマン(『Never Rarely Sometimes Always』)、ケリー・ライシャード(『First Cow』)、エメラルド・フェンネル(『Promising Young Woman』)。主演男優部門はチャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)、リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』)、アダーシュ・ゴーラヴ(『ザ・ホワイトタイガー』)、ロブ・モーガン(『Bull』)、スティーブン・ユァン(『ミナリ』)。主演女優部門はフランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)、ヴァイオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)、シドニー・フラニガン(『Never Rarely Sometimes Always』)、キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)、ニコール・ベハーリー(『Miss Juneteeth』)だった。受賞発表は4月22日。文=猿渡由紀
2021年01月28日『第44回日本アカデミー賞』の優秀賞が27日に明らかになり、授賞式の司会を務める羽鳥慎一、シム・ウンギョンがコメントを寄せた。日本アカデミー賞協会が主催する「第44回日本アカデミー賞」は、昨年度に劇場公開された映画の作品賞や主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞などを表彰するもの。今回は2019年12月16日~2020年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画154作品、外国映画210作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員(3,953名)の投票が行われた。3月19日にグランドプリンスホテル新高輪にて開催される第44回の授賞式に先立ち、正賞15部門各優秀賞、および新人俳優賞が決定。授賞式では、羽鳥慎一(昨年に続き2回目)と、外国人俳優で初の最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(『新聞記者』で第43回最優秀主演女優賞受賞)が司会を務め、受賞者を迎える。○羽鳥慎一 コメントこの賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進行役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に立ちあうことができます。普段、集うことができない第一線の俳優さんが一堂に会します。去年、「この方々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。○シム・ウンギョン コメント今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは人生で初めてですので、しっかりと言葉を届けられるように、日本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。○『第44回日本アカデミー賞』の主な受賞作品・受賞者※作品名は対象作品・優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』・優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』・優秀監督賞内田英治『ミッドナイトスワン』河瀨直美『朝が来る』土井裕泰『罪の声』中野量太『浅田家!』若松節朗『Fukushima 50』・優秀主演男優賞小栗旬『罪の声』草なぎ剛『ミッドナイトスワン』佐藤浩市『Fukushima 50』菅田将暉『糸』二宮和也『浅田家!』・優秀主演女優賞小松菜奈『糸』永作博美『朝が来る』長澤まさみ『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』倍賞千恵子『男はつらいよ お帰り 寅さん』広瀬すず『一度死んでみた』・優秀助演男優賞宇野祥平『罪の声』妻夫木聡『浅田家!』成田凌『窮鼠はチーズの夢を見る』星野源『罪の声』渡辺謙『Fukushima 50』・優秀助演女優賞江口のりこ『事故物件 恐い間取り』黒木華『浅田家!』後藤久美子『男はつらいよ お帰り 寅さん』桃井かおり『一度も撃ってません』安田成美『Fukushima 50』・新人俳優賞服部樹咲『ミッドナイトスワン』蒔田彩珠『朝が来る』森七菜『ラストレター』岡田健史『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』奥平大兼『MOTHER マザー』永瀬廉『弱虫ペダル』(C)日本アカデミー賞協会
2021年01月27日1月26日、第44回日本アカデミー賞の優秀賞が選ばれ、優秀作品賞に『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品が選ばれた。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、今回は2019年12⽉16⽇(⽉)〜2020年12⽉31⽇(⽊)までに公開され、選考基準を満たした作品(⽇本映画154作品、外国映画210作品)に対し、⽇本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が実施された。今回は⽻⿃慎⼀と、昨年外国⼈俳優で初の最優秀主演⼥優賞を受賞したシム・ウンギョンが司会を務め受賞者を迎える。羽鳥は、「今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」とコメント。シム・ウンギョンは「司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております」と意気込みを語っている。なお、授賞式は3⽉19⽇(⾦)にグランドプリンスホテル新⾼輪にて開催される。優秀賞受賞者や新⼈俳優賞受賞者が⼀堂に会し、優秀賞の中から最優秀賞が発表される。第44回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』■優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん2』■優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀨直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)■優秀主演男優賞小栗旬(『罪の声』)草彅 剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)■優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP ブリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)広瀬すず(『一度死んでみた』)■優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木 聡(『浅田家!』)成田 凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野 源(『罪の声』)渡辺 謙(『Fukushima 50』)■優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木 華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)■優秀脚本賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)中野量太/菅野友恵(『浅田家!』)野木亜紀子(『罪の声』)前川洋一(『Fukushima 50』)山田洋次/朝原雄三(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)■新人俳優賞服部樹咲(『ミッドナイトスワン』)蒔田彩珠(『朝が来る』)森 七菜(『ラストレター』)岡田健史(『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』)奥平大兼(『MOTHER マザー』)永瀬 廉(『弱虫ペダル』)【授賞式司会者からのコメント】<⽻⿃慎⼀(第43回授賞式に続き2回⽬)>「この賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進⾏役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に⽴ちあうことができます。普段、集うことができない第⼀線の俳優さんが⼀堂に会します。去年、「この⽅々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。<シム・ウンギョンさん(第43回授賞式にて、『新聞記者』で最優秀主演⼥優賞受賞)今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。【「第44回⽇本アカデミー賞 授賞式」実施概要】実施⽇:3⽉19⽇(⾦)会場:グランドプリンスホテル新⾼輪 国際館パミール司会:⽻⿃慎⼀、シム・ウンギョン副賞協⼒:ブルガリ協賛:サラヤ 横井定
2021年01月27日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日「A24」と「PLAN B」がタッグを組み、世界の映画祭で観客賞を軒並み受賞してきた今年一番の “愛され映画” 『ミナリ』(MINARI)が、2021年3月19日(金)より日本公開されることが決定した。1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカ南部のアーカンソー州に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』。アメリカンドリームを胸に、逞しく生きる家族の物語はサンダンス映画祭(グランプリと2冠)をはじめ世界で観客賞を総なめ。辛口で知られる批評サイト「Rotten Tomatoes」では100%フレッシュ(12月23日現在)を更新中。■アカデミー賞常連A24×PLAN Bがタッグ『ムーンライト』や『レディ・バード』などでいまやオスカーの常連となった「A24」と、『それでも夜が明ける』で知られるブラッド・ピットの「PLAN B」がタッグを組んだ本作。「<普通の小さな家族>が巻き起こした<特別で巨大な熱狂>!」「『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞で波乱を起こす作品」と、メディアからも観客からも愛され、評論家からも「小津安二郎監督作品のような繊細な人間模様を描いている」と大絶賛。ハリウッド・リポーター、ヴァラエティほか有力誌もこぞってアカデミー賞有力作品として名を挙げている。理不尽かつ不条理な運命に翻弄されながらもまた立ち上がり、一歩一歩、大地を踏みしめるように困難を乗り越えていく一家の姿は、誰もが困難な現実に直面しているいまこそ沁みる希望の物語となるだろう。■スティーヴン・ユァン&ユン・ヨジョンらにも注目集まる舞台は1980年代。主人公は韓国出身の移民の一家。父親は農業で成功したいと夢見てアメリカ南部のアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。父親ジェイコブを演じるのは『バーニング劇場版』「ウォーキング・デッド」の韓国系アメリカ人スティーヴン・ユァン。『チャンシルさんには福が多いね』『藁にもすがる獣たち』などの国民的女優で、ロサンゼルス映画批評家協会賞で助演女優賞を受賞したユン・ヨジョン、『ハナ ~奇跡の46日間~』『ファイティン!』のハン・イェリらが出演。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督『君の名は。』のハリウッド版の監督として抜擢された大注目の新鋭だ。「ミナリ」とは、韓国の芹(セリ)。水辺に育ち、独特の香りと歯ごたえに特徴があるが、2度目の収穫のほうがおいしいとされている。成長した子ども世代の幸せを願う親の気持ちをこめたダブルミーニングのタイトルとなっている。『ミナリ』は2021年3月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24
2020年12月24日ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が、映画『Minari』を作品賞ではなく外国語映画賞の選考対象とすることを発表。ルル・ワン監督、フィル・ロード監督、ダニエル・デイ・キム、シム・リウなど多くの映画人から批判が上がっている。ゴールデングローブ賞の作品賞の選考対象となるには、全編を通して少なくともセリフの半分以上が英語でなければならないというルールがある。これに則り、HFPAは『Minari』を“外国語映画枠”に当てはめたのだろう。しかし、『Minari』は韓国語を話すキャラクターたちが主役ではあるものの、韓国からアメリカ・アーカンソー州に移民してきた一家を中心に描き、監督はアメリカ人のリー・アイザック・チョンだ。HFPAを批判した1人のワン監督は、「私は今年、『Minari』ほどアメリカらしい映画を観ていません。これは、“アメリカ”を舞台に、移民一家がアメリカン・ドリームを追い求める物語。英語話者であるというだけでアメリカ人だとみなす時代遅れなルールは、本当に変える必要があります」と『Minari』を作品賞の選考対象にするべきだとツイッターで主張している。『シャン・チー』(原題)でMCU初のアジア人ヒーローに抜擢されたシム・リウは、「念のために言っておきますが、『Minari』はアメリカ人のフィルムメーカーが脚本を書き、監督し、アメリカの製作会社がプロデュースしたアメリカ映画で、主役はアメリカ人、舞台はアメリカです」と『Minari』がいかにアメリカらしいアメリカ映画であるかを説いた。(Hiromi Kaku)
2020年12月24日日曜日(現地時間)、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。作品賞を受賞したのは、Amazonのアンソロジー映画『Small Axe』。同協会賞の歴史において、複数の映画で構成されたアンソロジー映画が作品賞を受賞したのは初めて。同作はエミー賞や全米映画俳優組合賞などでは、「リミテッド・シリーズ」部門で選考される模様だ。主演男優賞には、今年8月に結腸がんのため43歳で亡くなったチャドウィック・ボーズマンが選ばれた。遺作である『マ・レイニーのブラックボトム』での好演が話題となっており、これから開催される数々の授賞式でのノミネーションや受賞が予想されている。主な受賞リスト作品賞受賞:『Small Axe』(スティーヴ・マックイーン監督)次点:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)監督賞受賞:クロエ・ジャオ監督(『ノマドランド』)次点:スティーヴ・マックイーン監督(『Small Axe』)主演男優賞受賞:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)主演女優賞受賞:キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)次点:ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)助演男優賞受賞:グリン・ターマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)助演女優賞受賞:ユン・ヨジョン(『Minari』)次点:アマンダ・サイフリッド(『Mank/マンク』)脚本賞受賞:『Promising Young Woman』(エメラルド・フェンネル)次点:『Never Rarely Sometimes Always』(エリザ・ヒットマン)(Hiromi Kaku)
2020年12月21日ヨーロッパ映画賞の作品賞に、デンマークの『Another Round』が選ばれた。今作ではさらにトマス・ヴィンターベアが監督賞と脚本賞(共同脚本家と一緒に受賞)、主演のマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞している。この映画はロンドン映画祭、サンセバスチャン映画祭でも受賞しており、次のオスカーでも健闘しそうだ。女優賞は『Undine』のパウラ・ベーア、ドキュメンタリー賞はルーマニアの『Collective』が受賞した。文=猿渡由紀
2020年12月14日第5回マカオ国際映画祭が、12月3日から8日までバーチャル開催される。このたび公式サイトで、是枝裕和監督が特別賞の「スピリット・オブ・シネマ」賞を受賞することが発表された。これまでの同賞の受賞者にはチェン・カイコー監督、リー・シャオホン監督らがいる。是枝監督は、映画談義コーナー「イン・カンバーセーションズ」に参加することも決まっており、こちらは無料で視聴が可能。是枝監督のほか、ヴィゴ・モーテンセン、ホ・ジノ監督、ドイツ人女優のニーナ・ホス、今年の審査員長を務めるニン・ハオ監督もそれぞれ個別に「イン・カンバーセーションズ」に登場する。日本からは「ワールド・パノラマ」部門に春本雄二郎監督の『由宇子の天秤』、西川美和監督の『すばらしき世界』、「スペシャル・プレゼンテーションズ」部門に二宮健監督の『とんかつDJアゲ太郎』、「ショートフィルム・コンペティション」部門にユー・マン・ライ監督の『The Smoke That Blinds Us』(香港・日本合作)が出品されている。作品はオンラインで24時間~48時間レンタル視聴が可能。視聴チケットは13日に発売開始となる。(Hiromi Kaku)
2020年11月11日株式会社良品計画(東京都豊島区/代表取締役社長松﨑曉)は、2020年度グッドデザイン賞(主催公益財団法人日本デザイン振興会)において、「いつものもしも携帯セット/持ち出しセット/備えるセット」が「グッドデザイン・ベスト100」に選定され、さらにその中から選ばれる特別賞「グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン](日本デザイン振興会会長賞)」を受賞しました。加えて、「陽の家」が「グッドデザイン・ベスト100」、「無印良品直江津」と「豊島区中小規模公園活用プロジェクト」が「グッドデザイン賞」を受賞しました。■グッドフォーカス賞:「いつものもしも携帯セット/持ち出しセット/備えるセット」無印良品は、日々の暮らしの中に備えを組み込み「標準装備」することを提案しています。それは、知識もモノも含めて、備えを日常的に身につけること。食料品の買いおきが常にある、日頃から携帯電話の予備電源を持ち歩く、信頼できる情報元を知っておく。そんな小さな積み重ねが一人一人の備える力を高めていくと思うからです。そして日ごろから地域の住民同士のコミュニケーションをとっておくこと。声をかけあうこと。「くらしの備え」は、そんなところから始まります。携帯する・持ち出す・備えるという3つの場面に合わせて、役立つ商品をセレクトした「いつものもしもセット」は、もしものときにだけ使える防災用品ではなく、ふだんから使え災害時に役立つアイテムを厳選しています。各セットは必要最小限のアイテムとすることで、必要な人数分を揃えても重複し無駄になるアイテムが無いように考えました。この度は、日ごろから身近にあるものを緊急時にも使用できるという点を評価いただき、「自然災害への防備または自然災害による被害からの復興に寄与する優れたデザインとして特に認めるもの」として位置づけられる「グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン](日本デザイン振興会会長賞)」を受賞しました。特集ページ:くらしの備え。いつものもしも。■無印良品の商品・サービス無印良品は、商品やサービスを通して生活を簡素に美しく整えることにより、社会全体や地球人としての課題の解決を目指しています。「品質」と「価格」、「意味」を徹底的に磨き続け、日常生活における衣・食・住の基本領域で、お客様に最も信頼される商品を目指すとともに、「これでいい」という質素・簡素を楽しむ「感じ良いくらし」をお客様とともに共創したいと考えています。■受賞一覧【グッドフォーカス賞】[防災・復興デザイン]日本デザイン振興会会長賞いつものもしも携帯セット/持ち出しセット/備えるセット詳細ページ【グッドデザイン・ベスト100】多様な暮らし方に対応可能な平屋建て「陽の家」詳細ページ【グッドデザイン賞】無印良品直江津詳細ページ豊島区中小規模公園活用プロジェクト詳細ページ■関連リンク2020年度グッドデザイン賞企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年11月10日村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」が映画化。同作は第94回アカデミー賞にて日本映画初となる作品賞、脚色賞に加えて監督賞、国際長編映画賞にノミネートされる快挙を達成。そして、2022年3月28日(月)に開催された第94回アカデミー賞 授賞式にて、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。村上春樹の短編小説が「ドライブ・マイ・カー」映画化村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」。舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、亡き妻の記憶が呼び起こす深い喪失感と仄かな希望を綴ったこの物語を、『寝ても覚めても』(カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)、『スパイの妻〈劇場版〉』(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)で脚本を担当した気鋭・濱口竜介が映画化する。登場人物/キャストかねてから『ドライブ・マイ・カー』の映画化を切望していたという濱口のもとに集まったのは、実力を備えた豪華キャスト達。『サイレント・トーキョー』『奥様は、取り扱い注意』の西島秀俊を主演に、『ロマンスドール』の三浦透子、『さんかく窓の外側は夜』の岡田将生、『ノルウェイの森』の霧島れいかが、メインキャラクターを演じる。主人公・家福悠介(西島秀俊)舞台俳優・演出家。脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、秘密を残したまま妻は死去。そして、演劇祭で演出のため、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで、寡黙な専属ドライバーみさきに出会う。家福の希望へと一歩踏み出す心の機微を、西島秀俊が繊細に表現する。渡利みさき(三浦透子)主人公・家福の愛車を運転するドライバー。寡黙でありながら、芯のある女性。みさきと過ごすことで、家福は目を背けていたあることに気づかされていく…。⾼槻耕史(岡田将生)家福の妻・音と親密そうな気配を漂わせる 俳優。物語を大きく動かすキーパーソン。家福⾳(霧島れいか)秘密を抱えたままこの世を去った、家福の妻。脚本家。日本映画史上初、第94回アカデミー賞で作品賞&脚色賞にノミネート映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回アカデミー賞にて作品賞・脚色賞・監督賞・国際長編映画賞の全4部門にノミネート。作品賞・脚色賞にノミネートに日本映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙となり、映画史に新たな歴史を刻む作品となった。なお、監督賞ノミネートは1986年の黒澤明監督映画『乱』以来、国際長編映画賞は2019年の是枝裕和監督映画『万引き家族』以来となる。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞『おくりびと』以来13年ぶり3月28日(月)開催の第94回アカデミー賞 授賞式で、映画『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。<濱口竜介監督 国際長編映画賞 受賞コメント>Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.アカデミーの皆さまへ感謝いたします。ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。ここにいる出演者のみなさんに感謝します。⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞なお、第74回カンヌ国際映画祭では、日本映画として初となる脚本賞を受賞。また授賞式を前に発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も獲得した。国際映画批評家連盟賞を日本映画が受賞するのは黒沢清監督『回路』以来20年ぶり。また、AFCAE賞は、これまでにパルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』などの受賞歴がある名誉ある賞だ。第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)また第79回ゴールデングローブ賞においては、<非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)>を受賞。日本映画として、同映画賞の外国語映画賞にノミネートされる日本映画は、是枝裕和監督『万引き家族』(2019)以来3年ぶりの出来事であり、受賞は62年ぶりだ。第56回全米批評家協会賞では、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞の主要4部門を受賞。第45回日本アカデミー賞8部門で優秀賞第45回日本アカデミー賞では、作品賞を含む最多8部門で最優秀賞を獲得し、賞レースを席巻した。<映画『ドライブ・マイ・カー』あらすじ>舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。◆作品詳細映画『ドライブ・マイ・カー』公開日:2021年8月20日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:濱口竜介出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」2013年初出、短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫、2014年)所収配給:ビターズ・エンド
2020年11月01日生活雑貨メーカー株式会社マーナ(東京都墨田区、代表取締役名児耶美樹[なごやよしき])の「調味料ポット」、「バケツ」、「ほうきちりとり」が、2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。この度の受賞により、マーナは15年連続のグッドデザイン賞受賞となりました。今後も「DesignforSmile世界中の暮らしにもっと笑顔の瞬間を。」を企業理念に、お客様の暮らしに寄り添ったものづくりに努めてまいります。調味料ポット密閉性とワンタッチオープンなどの操作性を兼ね揃えた調味料入れです。フタの内側にシリコーンゴムのパッキンがついており、しっかり閉まるので湿気を防ぎ調味料が固まりにくく、また手元のボタンでフタを押し上げる仕組みで、しっかり閉まっていてもワンタッチで開きます。既存の調味料入れは、持ち手側にフタが開くのに対し、フタが奥に開くためさっと調味料をすくえます。容器の内側にはすり切り板つきで、すくう際に付属の小さじスプーンで簡単にすり切りれます。スプーンは、すり切り板に立て掛けると、調味料に埋もれず収納できます。カラー:グレー、ホワイト価格:980円(税込1,078円)材質:ケース/スチロール樹脂、フタ・すりきり板・スプーン・ボタン/ABS樹脂、パッキン/シリコーンゴム容量:約370mLサイズ:約68×95×155mm<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>ハンドル付きのコンテナ型調味料入れは昔からキッチンで使われてきたが、そういった道具の印象を良い意味で大きく変えておらず、用途や使用方法がよくわかり、実績のあるカタチに安心感がある。密閉性と操作性を同時に高めるのは容易ではないが、非常に心地よい使用感で、ストレスなく一連の操作ができる様に工夫されている。絶妙なコンパクトさは現代的で、設置場所を選ばずさまざまなシチュエーションに対応するだろう。控えめなデザインにも好感が持てる。調味料ポットバケツ浸け置きや掃除などの使いやすさにこだわった、コンパクトなスクエア型でフタ付きのバケツ。スクエア型のため、部屋の角にも置いておけます。容量は約5Lとコンパクトで洗面台でも注水しやすいかたちです。浸け置き時はフタをかぶせることで中身が隠せておけます。フタは本体のフチに立てて置くこともできます。目盛り(1リットル毎)が付いており、洗剤を希釈する際に水の量がひと目でわかります。価格:1,980円(税込2,178円)材質:ポリプロピレン容量:約5Lサイズ:約290×149×218mm<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>バケツを現代の生活に照らして見直した結果、ユニークな背の低い長方形のバケツが生まれた。円筒型がバケツの定番となった様々な理由はあるものの、収納時に嵩張ったり、上履きをつけ洗いする際につま先が出てしまったり、洗面所で水が入れにくかったりと、バケツに求められる機能も、生活の形の変化とともに少しずつ変化している。当たり前に疑いを持ち、見過ごしがちな違和に気づき、定番の形を少しづつリファインしていく。そんな謙虚で王道なデザインへの姿勢が感じられる、時代に即した良品である。バケツほうき ちりとり組み合わせることで自立する、スリムなほうき、ちりとりです。ほうきは隅まで掃きやすいブラシ形状、毛の太さを追求しました。ちりとりはすくったゴミが逆流しにくい段差付きです。玄関に置いていても違和感のない、空間に馴染む佇まいを目指しました。価格:1,980円(税込2,178円)材質:本体・ちりとり/ポリプロピレン、ブラシ/PETサイズ:約205×644×53mm<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>空間になじむ外観形状を持つ、ほうきとちりとり。スリムでコンパクトなサイズ感は狭い玄関に置かれることを想定して開発された。すっきりとした外観だけでなく使い勝手もしっかり盛り込まれている。ちりとり部は持ちやすく収納用に自立し、ごみ逆流の防止形状も施され美しくまとめられている。ほうき部も持ち手が楕円形状で握りやすく、穂先は効果的な部分にコシのある太い毛を使用し、隅のゴミを掃き出しやすく工夫されている。成熟商品の進化はとても難しいが、真摯に道具の使用向上に取り組み、「手に取りやすく見える場所に置くデザイン」という新たな視点を吹き込むことで、商品の新しさを感じさせることに成功した良い事例である。ほうき ちりとり(ご参考)グッドデザイン賞について1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年10月13日ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞、トロント国際映画祭では観客賞を受賞し、本年度アカデミー賞最有力作品として賞レース最前線を堂々と独走中のフランシス・マクドーマンド主演映画『ノマドランド』。この度、本作が「第33回東京国際映画祭」の特別招待作品部門にて、日本最速上映されることが決定した。賞レースを席捲する数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが、『スリー・ビルボード』で2度目のアカデミー賞主演女優賞を手にしたフランシスを再び主演に据え、いま最も注目されている新鋭監督クロエ・ジャオと共に贈る本作は、大きな反響を生んだ原作ノンフィクションを基に、実在のノマド(遊牧民)たちと共に見つめるいまを生きる希望を、広大な自然の中で探し求めるロードムービー。キャンピングカーに全ての思い出を詰め込み、車上生活者“現代のノマド”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを選択する女性ファーンを演じたフランシスは、主演だけでなく製作としても本作に携わっている。また、米批評家たちによるレビューサイトRotten Tomatoesでは、99%Freshの高評価を獲得。世界のジャーナリストからも絶賛評が相次いでいる。「第33回東京国際映画祭」は10月31日(土)~11月9日(月)六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかにて開催。『ノマドランド』は2021年1月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年1月より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2020年09月25日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、2024年の第96回アカデミー賞から適用する、作品賞についての新しい応募資格を発表した。「Academy Aperture 2025」と銘打った、多様性と包括性を推進する新基準に基づいたものだという。アカデミーの会長デヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンの声明によれば、新基準は「私たちの業界において、長く続く促進剤となり、本質的な変化になるだろう」と自信を見せている。作品賞の応募資格は、大きく分けて4つ(基準A~D)あり、そのうち少なくとも2つをクリアしていなければならない。また、基準A~Dの中にも複数の条件があり、これらの1つないしは全てを網羅しなければならない。たとえば基準A「スクリーン上の表現、テーマ、物語」には、A.1からA.3までの条件があり、そのうち2つを満たしていることが必要だ。A.1は主演または重要な助演俳優の少なくとも1人がアジア人、黒人、ラテン系、その他少数民族であること。A.2は二番手または脇役の少なくとも30パーセントが、「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」の2つを占めていること。A.3はストーリー展開、テーマ、物語が「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」に沿った内容であること。その他、出演者だけでなく、スタッフや見習い生、インターンなどについても条件を明示し、全体的にまさに「多様性と包括性を推進する」内容となっている。(Hiromi Kaku)
2020年09月09日エミー賞を主催する「テレビジョン・アカデミー」が、2021年3月から適用される新しいルールを発表した。先月末に「映画芸術科学アカデミー」がアカデミー賞のルールを変更したことが大きく影響した模様。今年は新型コロナウイルスの影響でほぼ全ての映画館が営業中止になったため、「映画芸術科学アカデミー」は、アカデミー賞のノミネート資格を得るための条件「ロサンゼルス郡で7日間以上上映しなければならない」というルールを一時的に廃止。劇場公開日を設定していた作品なら、デジタル配信のみでの公開でも可能と決定した。「テレビジョン・アカデミー」は声明文の中で、「映画芸術科学アカデミー」が発表したこのルール変更を支持すると表明した上で、「アカデミー賞にノミネートされた作品は、エミー賞では選考対象外とする」というエミー賞側のルール変更も明らかにした。ここ数年、特にドキュメンタリー作品の「映画」と「テレビ」の境界線があいまいとなっており、アカデミー賞とエミー賞のどちらにもノミネートされたり、受賞するという作品が増えている。昨年は「ナショナルジオグラフィック」の長編ドキュメンタリー映画『フリーソロ』がアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を獲得し、エミー賞でも7部門受賞を果たした。(Hiromi Kaku)
2020年05月08日さりげなく今っぽさを取り入れた【オレンジブラウン】 この投稿をInstagramで見る レイヤーカット/透明感カラー/ミディアムヘア/ロングヘア (@kaori_iraha)がシェアした投稿 - 2020年 3月月19日午前4時01分PDT 現在も人気が続いている【オレンジカラー】ブラウンとMIXすることでさりげなく流行を取り入れられます。透明感あふれる【アッシュブラウン】 この投稿をInstagramで見る レイヤーカット/透明感カラー/ミディアムヘア/ロングヘア (@kaori_iraha)がシェアした投稿 - 2020年 2月月13日午前4時54分PST 定番の大人気透明感カラー【アッシュブラウン】アッシュカラーもブラウンを入れることで肌なじみUP!春服と相性ばっちり間違いなし!【ピンクブラウン】 この投稿をInstagramで見る レイヤーカット/透明感カラー/ミディアムヘア/ロングヘア (@kaori_iraha)がシェアした投稿 - 2019年11月月15日午前7時21分PST 大人フェミニンなイメージが好きな方にオススメ!【ピンクブラウンカラー】春服と相性抜群です*一気に垢抜け!【ラベンダーブラウン】 この投稿をInstagramで見る レイヤーカット/透明感カラー/ミディアムヘア/ロングヘア (@kaori_iraha)がシェアした投稿 - 2019年12月月24日午前6時30分PST ほんのりラベンダーが可愛い♡ラベンダーブラウンで一気にこなれ感UP!皆さんも新年度カラーチェンジで気分を上げましょう♪
2020年04月06日ピアニストの河村尚子が栄えある「第51回サントリー音楽賞(2019年度)」を受賞した。サントリー音楽賞は、日本における洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈られるもので、1969年の第1回以来、今回が51回目となる。過去の受賞者には、第1回の小林道夫(チェンバロ)を筆頭に、内田光子(ピアノ)や武満徹(作曲)など、日本の音楽界を代表する顔ぶれがずらりと並ぶ。今回の受賞理由として、2019年の「ベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクト」の完結及び、CD「ベートーヴェン・ ソナタ集1、2」のリリース。そして新しいレパートリー開拓ともなった山田和樹指揮NHK交響楽団との共演 による矢代秋雄「ピアノ協奏曲」においての演奏で作品の再評価に貢献したことなどをはじめ、近年の目覚ましく充実した演奏活動が評価されての受賞となった。今後の日本での活動は、10月にオーケストラとの共演や各地でのリサイタルを予定。東京では10月13日(火)に紀尾井ホールで1年ぶりのリサイタルを行うことが発表されている。プログラムには、モーツァルト、シューベルト&ショパンに加え、映画『蜜蜂と遠雷』で話題となった藤倉大作曲による『春と修羅』も予定される。●河村尚子(ピアノ)(c)Marco Borggreve兵庫県西宮市生まれ。1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ(ヴェルチェリ)、カサグランデ、ゲーザ・アンダなどヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目を浴びる。ドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、バーミンガム市交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などのソリストに迎えられている。また、「ルール・ピアノ祭」(ドイツ)、「オーヴェール・シュル・オアーズ音楽祭」(フランス)、「ドシュニキ国際ショパン・フェスティヴァル」(ポーランド)、日本では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」や「東京・春・音楽祭」などの音楽祭に参加。2011年には、ドイツ・ワイマール近郊にあるエッタースブルク城での音楽祭でアーティスト・イン・レジデンスをつとめ、4夜にわたるソロ・リサイタルを開催し、絶賛を博す。室内楽では、ハーゲン・クァルテットの名チェリスト、クレメンス・ハーゲンとのデュオで好評を得ているほか、マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)とロンドン・ウィグモアホール、ラモン・オルテガ・ケロ(オーボエ)とニューヨーク・カーネギーホールにデビューするなど、同世代の実力派アーティストとも積極的な活動を展開している。日本では、2004年小林研一郎指揮東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会でデビュー。以来、パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団を含む日本国内の主要オーケストラと相次いで共演を重ねる一方、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団、ファビオ・ルイージ指揮ウィーン交響楽団、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団、マレク・ヤノフスキ指揮べルリン放送交響楽団、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団などの日本ツアーに参加。その他、サー・ロジャー・ノリントン、ユーリ・テミルカーノフ、アレクサンドル・ラザレフなど多くの指揮者から度々再演の指名を受けている。現在、2019年の日本デビュー15周年に向けて、2年にわたり「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト」に取り組み、自ら厳選した14のソナタを全4回のリサイタルで披露している。2009年、名門RCA Red Sealレーベルより「夜想 (ノットゥルノ)~ショパンの世界」てメジャー・CDデビュー。 2011年9月、セカンド・アルバム「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ」をリリース、各誌で特選盤に選定される。2013年秋、サード・アルバム「ショパン:バラード」のリリースを経て、2014年秋には、プラハ・ルドルフィヌムでのチェコ・フィルとの定期演奏会、およびドイツ・エルマウ城でのクレメンス・ハーゲンとの演奏会をライヴ収録した「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&チェロ・ソナタ」をリリースした。2018年には4年ぶりのソロ・アルバム「ショパン:24の前奏曲&幻想ポロネーズ」をリリースし、2019年4月、「月光」「悲愴」を含む待望のベートーヴェンCDをリリースする。その他のレコーディングとして、ソロでは仏ディスコヴェール(2002年/同レコーディン具はXRCD化され、日本伝統文化振興財団より2012年6月に再発売された)、独アウディーテ(2004年)、ルール・ピアノ音楽祭エディション(2008年/ライヴ録音)が、また日本コロムビアからシューマンのピアノ五重奏曲(2010年/トッパンホール)、京響レーべルからラフマニノフのパガニーニ狂詩曲(2009年/広上淳一指揮京響との共演)、独コヴィエロ・クラシックからモーツァルトのピアノ協奏曲第21番(2014年/ボストック指揮アルゴヴィア・フィルとの共演)がリリースされている。また、国際ピアノ・コンクールにおける若者たちの群像劇をリアルに描いた、作家・恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当し話題をさらっている。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞 、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーの各氏に師事。現在、 ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授、東京音楽大学特任講師。
2020年04月04日第43回日本アカデミー賞の授賞式が6日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、最優秀主演男優賞を受賞した松坂桃李が登場した。昨年の第42回日本アカデミー賞では、最優秀助演男優賞を受賞した松坂。今年は映画『新聞記者』で最優秀主演男優賞に輝いた。優秀主演男優賞を受賞した菅田将暉と並ぶと、実は連絡先も知らないという2人の関係について「不思議な感覚なんですよね。僕はライバルという風にも思ってますし、同じ事務所の一人として、同志とも思ってますし」とコメントする一幕も最優秀賞の受賞が発表されると、驚いた様子で登壇し、「ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました」とコメントすると、最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンも見守った。『新聞記者』はさらに、作品賞も受賞。松坂は「ここにいないスタッフとも、喜びを分かち合いたい」と喜び、ウンギョンは「計り知れません。本当に光栄です」と笑顔を見せた。○最優秀主演男優賞 松坂桃李 コメントこの作品は僕の知る限りでは実現するまでに二転三転四転、五転くらいおそらく色々なことがあって、それでもこの作品をしっかりと映画を見てくださる方に届けたいという人が一致団結し、藤井監督の舵の元、撮影を終えることができました。僕自身も、10年ちょっと(俳優を)やってきて、ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました。何より、「この作品で頑張ってこい」「行ってこい」と行ってくれた事務所のマネージャーさん、社長含めて後押ししてくれて嬉しい気持ちでいっぱいです。今日という日を糧に、また新たに作品の一部に自分がちゃんとなれるようにいけたらと思っております。今回は本当にありがとうございました。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『新聞記者』監督賞…武内英樹(『翔んで埼玉』)主演男優賞…松坂桃李(『新聞記者』)主演女優賞…シム・ウンギョン(『新聞記者』)助演男優賞…吉沢亮(『キングダム』)助演女優賞…長澤まさみ(『キングダム』)アニメーション作品賞…『天気の子』外国作品賞…『JOKER』新人賞…岸井ゆきの、黒島結菜、吉岡里帆、鈴鹿央士、森崎ウィン、横浜流星(C)日本アカデミー賞協会
2020年03月06日