Intersilは2月9日、2014年12月5日に初試験飛行が実施されたNASA(米航空宇宙局)の宇宙船「オリオン」に、16個の耐放射線ICが搭載されたと発表した。「オリオン」は人類未踏の宇宙空間の探査のために開発された宇宙船であり、その無人試験飛行はExploration Flight Test 1(EFT-1)として知られている。プログラムには、ロボットミッションにより1つの小惑星を月の軌道に載せ、宇宙飛行士が小惑星の複数のサンプルの探査と収集を行うという計画がある。また、長年実現が期待されてきた火星への有人ミッションも対象の1つになっている。同社の耐放射線ICは、宇宙船「オリオン」のクルーモジュールの配電、ナビゲーション、フライトコントロールなどのミッションクリティカルな用途でサブシステムのサポートのために使用されているのに加え、慣性計測装置にも搭載されている。この他、電圧レギュレータ、コンパレータ、マルチプレクサ、PWMコントローラ、MOSFETドライバ、デュアルアナログスイッチ、クワッド差動レシーバ、マイクロプロセッサ監視回路など、広範な耐放射線ICソリューションが採用されている。
2015年02月13日アメリカ航空宇宙局(NASA)は2月10日(現地時間)、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、宇宙空間に浮かんだ笑顔のように見える銀河団の写真を公開した。輪郭、2つの目、ボタンのような鼻、口元でかたどられたものは「SDSS J1038+4849」と呼ばれる銀河団。目のように見えるオレンジの光は「SDSSCGB 8842.3」「SDSSCGB 8842.4」という遠く離れた場所にある2つの銀河で、口元は、強い重力によって光が曲がる「重力レンズ」によるものだという。顔の輪郭のような曲線は、重量レンズのリング状の像である「アインシュタイン・リング」と呼ばれるものとのことだ。この写真は2012年4月にアップロードされたもので、今回、ハッブル望遠鏡が撮影した膨大な写真から「お宝画像」を見つけ出すコンテストで見つかったもの。
2015年02月12日日産自動車(日産)は1月9日、同社の北米拠点がアメリカ航空宇宙局(NASA)と、自動運転システムの共同研究・開発を行う5年間のパートナーシップを締結したと発表した。同パートナーシップにより、日産総合研究所シリコンバレーオフィスと、カリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAエイムズ研究センターは、自動運転システムやヒューマン・マシン・インターフェース、ネットワーク対応アプリケーション、ソフトウェアの分析・実証、道路交通環境および宇宙で使用される高度なハードウェア・ソフトウェアを含む技術開発に取り組むこととなる。2015年内には、自動運転技術を搭載した車両を用いて、遠隔操作による資材や人間の輸送が可能かどうかを検証する実験を、エイムズ研究センター敷地内で実施する予定で、NASAの惑星探査車の遠隔操作と同様の技術が適用されるという。日産のカルロス ゴーン社長兼CEOは「一方は宇宙に、もう一方は地球に向けた、NASAと日産の取り組みは、共通の課題によって結ばれています。今回のパートナーシップは、日産が2016年に市場投入を開始し、2020年に向けて段階的に実用化を目指す、安全・安心で信頼できる自動運転技術の開発を加速させることでしょう」とのコメントを発表している。
2015年01月13日アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月16日、火星探査機「Curiosity」が大気中のメタン量の変動を検知したほか、岩石サンプルから有機物を発見したと発表した。NASAが20カ月にわたって大気を調査したところ、一時的なメタンの増加を複数回検知した。研究グループによると「現地に何かしらの発生源があると思われる」という。メタンは微生物が発生させることで知られるが、現時点で発生源の特定には至っておらず、水と岩石の相互作用など、さまざまな可能性がある。さらに、Curiosityが採取した岩石サンプルからは複数の有機物が検出された。ただ、サンプルが採取されて温まった際に有機物の構造が変わってしまい、この岩石が火星で形成されたものか、隕石によってもたらされたものかはわからなかった。研究グループは今後、メタン量の変動原因について調べるとともに、火星由来かどうか特定可能な有機物を検出できる岩石サンプルを探していくとしている。
2014年12月17日アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月10日、米カルフォルニア州に所有する飛行場「Moffett Federal Airfield」について、Googleの子会社であるPlanetary Venturesと60年間にわたるリース契約を結んだと発表した。契約額は合計で11億6千万ドル(約1340億円)に上るという。同飛行場はおよそ4km2の広さをもち、敷地内には歴史的な格納庫が3棟あるほか、管制塔、滑走路2本とプライベートゴルフコースがある。Googleはリース料とは別に2億ドル(約230億円)かけて同施設を改修する。修復後、3棟ある格納庫のうち「Hanger One」と呼ばれる格納庫を先端技術の拠点とし、宇宙探査、航空、ロボット工学などさまざまな分野の研究を行うという。残りの格納庫2棟も同様の目的での使用を予定している。NASAは同契約を通じてコストを減らす狙いがあり、Googleに貸し出すことで年間運営費630万ドル(約7.2億円)が削減されるという。
2014年11月12日アメリカ航空宇宙局(NASA)がまるでハロウィンの時にかぼちゃをくりぬいて作る「ジャック・オー・ランタン」のように見える太陽の写真を公開した。これはNASAの太陽観測衛星「Solar Dynamics Observatory (SDO)」が10月8日に撮影したもので、目や口のように見える部分は、コロナが発生してより強く光っている部分とのこと。SDOは紫外線および極紫外線領域の複数の波長で太陽を撮影することができ、この写真は複数の波長で撮影した写真を組み合わせることで「ジャック・オー・ランタン」に似せたという。
2014年10月16日アメリカ航空宇宙局(NASA)は10月9日(現地時間)、アメリカ、日本、ブラジルの共同で運用されている観測衛星「Aqua」が撮影した台風19号の写真を公開した。大気の様子を可視化する「MODIS」という装置で撮られた写真では、台風の目をはっきりと見ることができる。専門家によればこれは強力な台風の典型的な特長だという。また、大気温度/湿度、地表面温度などを測定する「AIRS」によって取得された画像では、中心付近で強い雷雨が起こっていることがわかった(紫色で表示されている部分)。台風19号は中心気圧920hPa、最大瞬間風速70mという非常に強い勢力を保っており、およそ時速15kmのスピードでフィリピン沖を北上している。10日から13日にかけて日本列島に上陸する恐れがあるとして、気象庁は各地に大雨・暴風・高波などへの注意を呼びかけている。
2014年10月10日アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのほど、2000年から2014年の間に撮影した、中央アジアにあるアラル海の衛星画像を公開し、ほぼ消滅状態にあると発表した。アラル海はカザフスタンとウズベキスタンにまたがる湖で、かつては世界第4位の面積を誇っていたが、1960年代の旧ソ連が農業用水確保のために主要な川の流れを変更したことなどにより年々小さくなっていった。2005年から2009年にかけて大幅に水量を減らした後、この数年は一進一退を繰り返していたが、2014年の干ばつによって湖の南西部が完全に干上がってしまった。湖が干上がったことにより、漁業に依存していた地元の経済が崩壊、湖の底から吹きあがる砂や埃に含まれる農薬が周辺住民に健康被害をもたらすなど、深刻な問題となっている。
2014年10月02日アメリカ航空宇宙局(NASA)が撮影した火星の画像に、生物の骨のようなものが写っていると米メディアなどで報じられた件について、NASAは8月21日、正式な見解を表明した。話題の画像はNASAの火星探査機「Curiosity」が8月14日に撮影したもので、大腿骨のようなものが写っているとブログで取り上げられ、火星に生命の痕跡をついに発見かと主にインターネット上で騒がれていた。しかし、NASAによると、骨のように見える物体は風または水の浸食によって削られた石で、生物の化石ではないとのこと。さらに、「火星には複雑な組織を持つ生物が存在し得るほどの酸素があったとは考えられていないため、たとえ何らかの生命が存在していたとしてもそれは微生物などの小さいものだろう」とコメントしている。
2014年08月29日日本科学未来館は、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であるトレイシー・コールドウェル・ダイソン博士を講師に迎えた小学生・中学生向けのトークイベント「女性宇宙飛行士が語る-無限大の可能性-」を2014年3月28日に開催すると発表した。ダイソン博士は、1969年生まれの化学者。1998年にNASAの宇宙飛行士の候補に選ばれ、2007年と2010年の2度の宇宙飛行を経験している。1度目のフライトでは、スペースシャトル「エンデバー」の乗組員として、ロボットアームを用いた国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てを担当し、2度目のフライトでは、第24次長期滞在クルーとしてISSに174日間にわたって滞在し、合計22時間の船外活動をこなしている。トークイベントでは、宇宙空間とはどんな場所なのか、船外活動で苦労したことなど、宇宙遊泳を体験した数少ない宇宙飛行士ならではの話などが語られる予定。また、宇宙から見た地球についても、未来館の球体ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」に映し出される地球に関する観測データを一緒に眺めながら語ってくれる予定とのことで、博士のライフストーリーを振り返りながら、宇宙や地球の魅力、女性宇宙飛行士として活躍する意義などを聞くことができるものになるという。開催日時は2014年3月28日の15:00~16:45を予定しており、場所は未来館3階のGeo-Cosmos前。対象は小中学生で、定員は70名(立ち見は自由だという)。参加費は無料で、参加方法は、米国大使館イベント情報サイト(未来館のWebサイトにもリンク有り)にて申し込む形で、応募者多数の場合は抽選になるという。
2014年03月18日