主に衛生用品、アウトドアギアの販売を行う合同会社雲鶴堂(所在地:埼玉県川越市、代表:劉承宇、以下「当社」)は、当社アウトドアブランド「A.S.F.OUTDOOR」からキャンパー向けに発表された中型薪ストーブ『MAKIng STOVE』に続き、キャンパーはもちろん、ファミリー層に向けた「チタン製食器シリーズ」を発表。2023年4月中旬から、独自の滑り止め溝加工を施したチタン製の二層構造お椀『Bowan』のmachi-yaでの予約販売を開始します。『Bowan』予約ページ: チタン製二層構造お椀『Bowan』■商品の特徴・Point.1 独自の滑り止め溝加工当社独自の滑り止め溝付きで、お子さんやシニアの方でもより安全に、安心して使える構造を実現。金属製なので、軽い汚れであれば、水洗いでお手入れ完了。通常の食器洗剤や食洗器での洗浄も可能です。※電子レンジ非対応。キャンプサイトに併設されている水道だけでも楽にお手入れできます。アウトドアでの使用はもちろん、食卓でもご家族全員で、ずっと、どこでもご使用いただけます。・Point.2 二層構造であたたかく美味しいご飯をチタンはアルミやステンレスに比べて熱が通りにくく、保温・保冷性があります。加えて『Bowan』は二層構造なため、用意している間に料理が冷める事態を防ぐことができます。熱々のご飯やスープが入っている場合も、外側はほんのりと温かく、両手でお持ちいただけます。※器の温度を一定に保つ効果のある反面、一見して内容物の温度の判別が付きにくい場合がございます。火傷には十分ご注意ください。キャンプや新生活のお供に。・Point.3 抗菌性のある素材チタンはアルミやステンレスと比べ、アレルギーレスな金属。お子さんやシニアの方でも安心してお使いいただけます。金属製品特有のいやな臭いがほぼなく、木製製品のように料理本来の風味を壊しません。食器や調理器具に最適な素材と言えます。・Point.4 重さ76グラムで手に馴染むチタンは陶磁器と比べて軽量な素材です。『Bowan』は滑り止め溝加工付きのため落としてしまう心配も少なくなりますが、万が一、落としてしまった場合も金属なので割れにくい製品です。チタン製かつ滑りにくい、壊れないための工夫を施された『Bowan』は生活の基盤となる食事を末永く支えてくれることでしょう。家族みんなで使えるご利用シーン■商品概要商品名 : チタン製お椀 二層構造 滑り止め付き『Bowan』型番 : Ti-0010サイズ : 外径12.5cm 口径12.2cm 高5.7cm容量(ml) : 330重量(kg) : 0.076材質 : チタン(TI99.7%)同梱品 : 収納袋、説明書定価 : 4,180円(込) ※プロジェクト完了後、随時定価にて一般販売予定予約ページURL: ■リターン詳細リターン内容まとめ※割引後の価格は送料込みの値段にて記載■受付期間・配送方法プロジェクト計画は下記を予定しております。2023年4月中旬~ プロジェクトスタート2023年5月中旬 プロジェクト終了2023年6月以降 リターン開始。早期購入者から随時発送予定。配送方法:送料当社負担 レターパック500、定形外郵便発送地域:埼玉県川越市※現在プロジェクト成功を想定した数で調整しておりますが、ご支援が想定を上回った場合、国内倉庫までは海外からの発送となり、中国から国際普通便を利用します。通常3週間程度で配送されますが、稀に1か月を超えることもあります。国内倉庫へ到着後は、お届けまで通常1週間ほどかかります。【A.S.F.OUTDOOR】(All Seasons Fun Outdoor) とは2023年1月に立ち上げられた合同会社雲鶴堂の自社ブランド。中国の子会社と共に複数の工場と直接交渉し、ジャンルを問わずキャンプ用品の製品化を行う。同年1月にマクアケにて掲載開始した中型薪ストーブ『MAKIng STOVE』が応援購入総額400万円を達成した。現在、マクアケストアにて好評販売中。【合同会社雲鶴堂】(ウンカクドウ) とは 2022年3月起業。子会社が現地へ出向き、中国の生産工場と直接取引を行う独自の仕入れルートを実現した。23年1月アウトドアブランドから初の自社開発商品を発表。所在地 : 埼玉県川越市今成1丁目11-2代表者 : 劉承宇設立 : 2022年3月事業内容: 6,000万(剰余金含む)資本金 : EC、商品開発、貿易URL : 【合同会社雲鶴堂 お客様相談窓口】お問合せ先: info@unkakudou.com 営業時間 : 月曜日から木曜日(土日祝休み)9:30から17:30営業時間外のお問合わせに関しては翌営業日以降の応対となる場合がございます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月26日合同会社雲鶴堂(本社:埼玉県川越市、代表社員:劉承宇、以下「当社」)は、2023年1月に初の自社アウトドアブランドとして「A.S.F.OUTDOOR」(エー.エス.エフ.アウトドア)を立ち上げました。当社は同年1月13日『TOKYO OUTDOOR SHOW 2023』に初出展。そこで新商品『MAKIng STOVE』(メイキングストーブ)を発表しました。同日Makuakeにてクラウドファンディングを開始。Makuake限定価格と題し、先着順で割引プランをご用意した所、掲載翌日には先着50名様プランが完売。購入総額は200万円を越え、サイト内ランキングにてアウトドア部門2位、総合ランキング8位を飾りました。『MAKIng STOVE』MAKIng STOVE ロゴ【これが、“絶妙”サイズ もの、時間を「作る」『MAKIng STOVE』】キャンパーの準備時間を削減し、最大限キャンプを楽しんでもらうため、軽量かつ高火力であることを追求し生まれました。夏場でも冬場でもコンロやストーブとして季節を問わずオールシーズン使えます。■『MAKIng STOVE』Makuake掲載ページURL: ■TOKYO OUTDOOR SHOW 2023 とは 株式会社三栄/アースガーデン企画、TOKYO OUTDOOR SHOW 実行委員会主催、2023年1月13日から15日の3日間にわたり千葉県幕張メッセにて開催された大型アウトドアイベント。■商品特長・30cmの本体は調理に最適な中型サイズ28cmの薪がそのまま入る天板部分はメスティンを同時に2個乗せることが可能『MAKIng STOVE』は市販の薪がそのまま入る中型サイズ。※推奨薪サイズ28cmから17cm。天板部分はメスティンを同時に2個乗せることができ、一度に2人分以上の料理が可能です。夏場も調理に使える『MAKIng STOVE』はオールシーズン活躍し倉庫で腐ることもありません。・正面の空気口により大型ストーブ級の燃料効率正面の空気口二次燃焼3方向から新鮮な空気を取り入れ、二次燃焼を誘発しやすい構造で高火力を実現。一体型構造のため隙間から熱や煙が漏れにくく、火起こしがより素早く終わります。前扉下部には灰トレイがあり、不要な灰の除去もスピーディに完了。撤収作業もスムーズに終わります。・基本セットは準備不要 全14点の付属品付属品付属品は本体内に収納可能付属品含む全てを収納可能な専用バッグは、本体に足や煙突固定用台座を着けた状態で収納が可能。卓上へ防熱シートを敷き、本体を置くだけで設置が完了します。手斧やのこぎり等も含まれており不測の事態にも対応可能。初心者の方はもちろん、ベテランの方も安心して使えます。■仕様詳細製品名:『MAKIng STOVE』カラー:シルバー(ステンレス無塗装ヘアライン加工)仕様表構成 :本体、煙突(五徳用)、煙突(連結用28.5cm×6本)、煙突固定用台座、五徳、専用バッグ、手斧、のこぎり、耐熱グローブ、防炎シート、火かき棒、火挟み、六角レンチ、交換用ガラスフレーム、予備ネジ(2×2本)、説明書■Makuake限定価格、予約プラン内容1.プラン一覧Makuake全リターン2. 予約受付期間2023年1月13日~2月27日まで3. 購入方法Makuake掲載ページ(下記URL参照)から任意のプランをお選びいただき応援購入が可能です。※応援購入にはMakuakeの会員登録が必要です。4. 決済方法クレジットカードやコンビニ払い、銀行振込などで決済いただけます。5. 配送23年3月より随時発送を開始します。A.S.F.OUTDOOR ロゴ■【A.S.F.OUTDOOR】(All Seasons Fun Outdoor) とは2023年1月に立ち上げられた合同会社雲鶴堂の自社ブランド。中国の子会社と共に複数の工場と直接交渉し、ジャンルを問わずキャンプ用品の製品化を行う。雲鶴堂 ロゴ雲鶴堂 文字■合同会社雲鶴堂(ウンカクドウ) とは 2022年3月起業。子会社が現地へ出向き、中国の生産工場と直接取引を行う独自の仕入れルートを実現した。主に衛生用品の輸入販売を行う。2023年1月アウトドアブランドから初の自社開発商品を発表。【会社概要】所在地 : 埼玉県川越市今成1丁目11-2代表者 : 劉承宇設立 : 2022年3月事業内容: 6,000万(剰余金含む)資本金 : EC、商品開発、貿易URL : ■お問い合わせ先<合同会社雲鶴堂 お客様相談窓口>営業時間: 月曜日から木曜日 9:30から17:30(土日祝休み)MAIL : info@unkakudou.com <各SNSリンク集> 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月30日アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社は、好評発売中の『ENJOY! OUTDOOR(エンジョイ!アウトドア)』の4号~16号のラインナップを発表いたしました。本シリーズは、達人が丁寧に指南するマカジンと、付属のツール集めながら、アウトドアのさまざまなテクニックを楽しく学べる体験コースマガジンです。ENJOY! OUTDOOR表紙4今回発表されたラインナップでは、特に屋外で使うのに大変便利なアイテムが中心となっており、・キャンプをしてみたいけど何を準備すればいいのかわからない・焚き火やキャンプ飯に興味はあるけど、火の起こし方や野外料理は全く未経験そんな初心者の方でも、お手軽に簡単に楽しめるのが最大の特長です。アウトドア関連書籍では唯一の体験コースマカジンを是非ご体験ください。アルコールストーブ【4号はアルコールストーブ、5号は耐熱グローブ、火吹き棒】4号 =アルコールストーブコンパクトで軽量!キャンプや山歩きで大活躍。5号 =耐熱グローブ、火吹き棒焚き火を安全に簡単に楽しむための必須アイテム6号 =ファイヤースターター、パラコード風雨でも確実に火をおこせる便利な着火ツール7号 =メスティンハンドルカバーキットレザークラフトでメスティンをドレスアップ8号 =ミニウッドテーブル一つあるだけでロースタイルが快適に9号 =フチ有りミニ鉄板とリフター携帯性に優れたキャンパー必須のクッカー10号=ウインドスクリーン調理や焚き火の効率アップ11号=ツールエプロン12号=LEDランタン13号=ステンレスボトル14号=スキレット15号=シェラカップ16号=カトラリー【4号以降も、アウトドアに欠かせない魅力的なラインナップが続々登場!】第2号は、万能クッカー「メスティンとメッシュトレイ」。基本の料理術をはじめ、メスティンでつくる「パエリア」「極うまカツ丼」「ハニーカステラ」を紹介します。第3号の付属ツールは、料理や焚き付けづくりに便利な「フォールディングナイフ」。4号以降も、魅力的な付属ツールが続々登場。【お手持ちの道具とのアレンジも楽しい】既にお持ちの道具類との組み合わせも、楽しい使い方です。例えば、9号の鉄板は、こぼれない縁付き、小さすぎない納得のサイズなどこだわったアイテムなので、様々な調理のシーンを自在に演出できます。付属ラインナップ※ラインナップは予告なく変更する場合があります。【定期購読で特製バックパックとウエストバッグを進呈】定期購読をお申し込みの方全員にもれなくプレゼントいたします。アウトドアに最適な大容量で丈夫な特製バックパックとウエストバッグは、付属ツールを収納するコレクションバッグとしても使えます。特製バックパック容量:25L サイズ:幅23cm×奥行27cm×高さ50cm特製バックパック特製ウエストバッグサイズ:幅23cm×奥行15cm×高さ16cm特製ウエストバッグ【商品概要】■商品名 : ENJOY! OUTDOOR(エンジョイ!アウトドア)■価格 : 創刊号特別価格 499円(本体 454円+税)第2号特別価格 1,199円(本体 1,090円+税)第3号以降通常価格 1,999円(本体 1,817円+税)■発売日 : 2022年5月18日(水)※地域によって発売日は異なります。■販売場所 : 全国の書店・商品ウェブサイトで発売■刊行頻度 : 隔週刊■刊行号数 : 全100号(予定)■判型 : 285mm×220mm■商品サイト: ■商品に関するお問い合わせ:アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社お客様サービスセンター 0120-073-661キャンプイメージ【アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社】当社は、フランスの出版社 アシェット・リーブルの子会社です。1826年に創立されたアシェット・リーブルは、一般書籍部門で世界第3位に位置し、2019年には23.84億ユーロ(約3,115億円)の売上実績をあげました。その世界的出版社が日本に進出したのは2003年3月。子どもから大人まで幅広い年代に愛される様々な趣味の世界を楽しみながら体験できるテーマ別のパートワーク(分冊百科)誌を販売しています。当プレスリリースURL アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社のプレスリリース一覧 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月04日アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社は、マガジンとツールで楽しいアウトドア体験ができる『ENJOY! OUTDOOR(エンジョイ!アウトドア)』を2022年5月18日(水)に創刊します。『ENJOY! OUTDOOR』は、毎号のマガジンとツールを集めながらアウトドアのさまざまなテクニックを楽しく学ぶことができる、ツール付き体験コースマガジンです。このシリーズを購読すれば誰でもアウトドアマスターに!表紙【パートワーク初のアウトドアシリーズ!本誌の特長】●アウトドアが、基本から体系的に学べるシリーズです。●買ったその日から付属ツールを使って楽しくアウトドア体験ができます。●マガジンは、キャンプ初心者にもわかりやすく丁寧に解説した内容で、アウトドア好きな人すべてが楽しめるアウトドア百科事典です。【火の起こし方やキャンプ飯のレシピなど、アウトドア情報が満載!】火を焚き、食事をし、寝床をつくり、自然を相手に遊ぶ。 本シリーズは「火」、「食」、「住」、「遊」の4つのカテゴリーで構成され、それぞれの体験と楽しみ方を写真やイラストで紹介します。○火を焚く基本からおさえたい着火のコツや、火を自在に操るテクニック、野営道具のつくり方まで幅広く取り上げます。○食べるBBQや燻製、ダッチオーブン料理をはじめ、おいしいごはんの炊き方や時短レシピなど日常にも役立つワザを紹介します。○住む季節や場所、そして誰と楽しむかによって使う道具やスキルもさまざま。安全で快適な居住空間のつくり方を学びます。○遊ぶアクティビティのテクニックから遊び道具のつくり方まで、山や森、海、川と飽きることのないフィールドの楽しみ方を学びます。【アウトドアにチャレンジしたくなる3つのレベルを設定】「ベーシック」、「アドバンス」、「マスター」の3つのレベルを設定。「ベーシック」では、手にしたらすぐに始められる体験や基本的な知識を学びます。「アドバンス」では、付属ツールを使ってDIYを楽しんだり、応用テクニックを学びます。「マスター」では、自然にある素材を使った“原始”体験やより深い楽しみ方を学びます。【全号集めるとアウトドア大百科が完成!】各ページにインデックスが付いていて、本誌の特製バインダーにマガジンをカテゴリーごとにファイリングすることができます。欲しい時に欲しい情報がすぐに引き出せます。全号をバインダーに収納すれば、アウトドア大百科が完成します。アウトドア以外でも定番のキャンプ料理から毎日の献立にも使える時短レシピ、非常時にも使えるキャンプギアの紹介など幅広く扱います。キャンプ用品【創刊号は「ウッドストーブを楽しむ」】創刊号では、焚き火を手軽に安全に楽しむ方法を、付属のウッドストーブと麻紐で実際に体験できます。焚き火はやってみたいけど、「火起こしが苦手」「すぐに消えてしまう」。そんな初心者の方も、マガジンの丁寧な解説で上手に火起こしができるようになります。さらにウッドストーブを使った料理や家キャンプの活用術も合わせて紹介します。ウッドストーブ【2号以降も、アウトドアに欠かせない魅力的なラインナップが続々登場!】第2号の付属ツールは、万能クッカー「メスティンとメッシュトレイ」。基本の料理術をはじめ、メスティンを使った「パエリア」「極うまカツ丼」「ハニーカステラ」のレシピを紹介します。続く第3号の付属ツールは、料理や焚き付けづくりに便利な「フォールディングナイフ」。4号以降も、「アルコールストーブ」や「火吹き棒」などアウトドアに欠かせない魅力的な付属ツールが続々登場。※ラインナップは予期なく変更する場合があります。付録ラインアップ【お得な定期購読を申し込むと、全員にもれなく素敵なプレゼントがもらえる!】定期購読をお申し込みの方全員にもれなく付属ツールを収納できる専用バッグをプレゼント。●特典1:特製バックパックアウトドアに最適な大容量で丈夫なバックパック。ポーチやパーツを取り付けてカスタムすることができます。容量 :25Lサイズ:幅23cm×奥行27cm×高さ50cm●特典2:特製ウエストバッグ料理道具から焚き火道具、小物まで収納できる、付属ツール専用の便利なウエストバッグです。サイズ:幅23cm×奥行15cm×高さ16cm【商品概要】■商品名 : ENJOY! OUTDOOR(エンジョイ!アウトドア)■価格 : 創刊号特別価格 499円(本体 454円+税)第2号特別価格 1,199円(本体 1,090円+税)第3号以降通常価格 1,999円(本体 1,817円+税)■発売日 : 2022年5月18日(水)※地域によって発売日は異なります。■販売場所 : 全国の書店・商品ウェブサイトで発売■刊行頻度 : 隔週刊■刊行号数 : 全100号(予定)■判型 : 285mm×220mm■商品サイト: ■商品に関するお問い合わせ:アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社お客様サービスセンター 0120-073-661【アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社】当社は、フランスの出版社 アシェット・リーブルの子会社です。1826年に創立されたアシェット・リーブルは、一般書籍部門で世界第3位に位置し、2019年には23.84億ユーロ(約3,115億円)の売上実績をあげました。その世界的出版社が日本に進出したのは2003年3月。子どもから大人まで幅広い年代に愛される様々な趣味の世界を楽しみながら体験できるテーマ別のパートワーク(分冊百科)誌を販売しています。アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社のプレスリリース一覧 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月25日緑と建築の融合最寄りの駅から、高木のユリノキが彩る並木道を歩くこと10分。一本裏に入った住宅街に、建築家の新井崇文さんの自宅兼アトリエがある。建てたのは10年前。建物正面に施した木製ルーバーには程よくツタがからまり、エクステリアの植栽とともに涼しげな空気を放っている。「建てた当初は板塀だけでかたい感じでしたが、10年経ってツタや植栽が育ち、いい具合に緑と建築が融合してきました」高低差があり、東西には隣家が迫っている敷地。プライバシーの確保と開放的な空間を両立させるために、建物はL字型にし、西側には独立壁を設けた。南側の道路からの視線は木製ルーバーでカット。周囲からの視線を気にすることなく、ゆっくり過ごせる中庭が生まれた。道路側からの視線をカットするために設けた木製ルーバーは、縦、横に変化をつけた。程よくからまったツタが涼やかな印象。左側の独立壁は、西側の隣家からの視線をカット。中庭からリビング・ダイニングを見る。建物に沿ったL字の軒天はベランダ下で、スギを採用。壁の一部にボリュームをもたせ、戸棚状の収納を設置。キャンプグッズや園芸グッズを収納。自然を感じる“外の部屋”「中庭を“外の部屋”みたいに使いたかった」と話す新井さん。中庭に面するリビング・ダイニングには大きな開口を設け、建具も引き込み式にし、床レベルもデッキスペースとほぼフラットにした。カーテンやブラインドは使用せず、フルオープンにしているため、ふらっと中庭に出ることができ、気軽に楽しめる外空間となった。デッキスペースが4畳、周辺含めて12畳ほどという中庭。「これを部屋のように使うと、30坪ほどの家がそれ以上の広がりを感じられますよね。花が咲き、実がなれば鳥がくるし、風が吹けば草木の音がし、木洩れ日も揺れる……。自然のいろいろな変化が感じられる贅沢な部屋です。自然に癒されて、全く疲れないため、何時間でも本を読んでいられますね」中庭に面する建具は全て木材を使用。右側の壁は耐震壁で、建具がすっぽり収まるサイズにした。リビング・ダイニングからフラットに続く中庭。気軽に出られるため、仕事の合間のコーヒーブレイクも外で過ごすことが多いという。直径140cmの大きめな円卓は家具屋にオーダーしたもの。椅子はYチェアをはじめハンス・J・ウェグナーの作品をデザイン違いで揃えた。通風を考えて設えた南側の窓。視線をカットしながら風を通す、スダレを入れた扉窓を採用。中庭までのアプローチの途中に小窓を設けた。植物などを飾り、ゲストを迎える。リビング・ダイニングは和モダンな雰囲気。障子から差し込む光もまた美しい。非日常を呼び込むアプローチ住宅街でありながら避暑地にでも来たかのような錯覚をしてしまう新井邸。リビング・ダイニングから眺める豊富なグリーンの視覚効果はもちろんだが、道路から中庭、玄関までのアプローチにもその秘密がありそうだ。駐車場脇の青々と美しい植栽に沿って進むと、階段があり、数段昇ると左に折れ、絞られた空間のゲートが現れる。そこを抜けると中庭が広がり、右へ折れて数段昇るとデッキスペースへ……。左右に曲がり、段差や空間にメリハリをつけたアプローチにより、先のよめないワクワク感が非日常を呼び込んでいるようだ。植栽に沿っておかれた枕木が入り口へと導く。大谷石を敷いた通路の先にゲートが。宅配便などの受け渡しはここで行う。ゲートを入り、右に折れるとデッキスペースへ。天気の良い日は家族で食事をすることも。「グリーンが育ち、木陰が増え、以前よりも過ごしやすくなりました」菜園デッキで育てた野菜を食卓へ1階はリビング・ダイニングに加え、キッチンや新井さんの仕事スペースであるアトリエまでつながったワンルーム。カラマツの無垢の床や砂漆喰の壁・天井など、自然素材を生かした仕上げが心地よい。また、新井邸には独立した玄関がない。「かつて親しいお宅に行くときに縁側から入っていましたよね。そんなフランクな感じにしたかったので、中庭経由でリビング・ダイニングに入れるようにしました」玄関もLDKの一部として使用することで、ワンルームがさらに広がりを感じ、中庭との一体感も高めた。中庭に隣接した菜園デッキは、安全な食材へのこだわりから設けられた。「料理に使うもの」を中心に季節の野菜や果物をご夫妻で育て、収穫し、旬の味を楽しんでいる。「中庭や菜園デッキには、日本の気候で無理なく育つ植物を4、50種類植えています。四季を身近に感じ、緑や光、風など自然の恵みを取り入れた豊かな暮らしを大切にしていきたいですね」独立した玄関は設けず、中庭からそのままリビング・ダイニングへ入ることも。右奥には対面キッチン、左奥は新井さんの仕事スペースがある。新井さんも立つことが多いというキッチン。サンワカンパニーの白い換気扇が可愛らしい。新井さんが最も気に入っているというキッチンからの眺め。「キッチンは中庭を眺める特等席ですね。気持ちよく料理ができます」(写真/ご本人提供)段差を設けておこもり感を加えた新井さんのアトリエ。段差を利用し、デスク下の奥まで続く収納を設置。クラシックのCDがズラリ。玄関をLDKと一体とするために、収納をしっかり設け、靴や傘など全て納めた。駐車スペースの上に位置し、中庭に隣接した菜園デッキ。しそやきゅうり、カボチャ、トマトなど季節の野菜や果物を育てている。「植えるのは妻で、使うのは私です(笑)」。2階のバスルームからも中庭が楽しめる。内装は水に強いサワラの木を採用したハーフユニットバス。5,6年前からご夫妻で作っているという自家製みそ。2年、3年と熟成しているみそもある。4歳から習っていたというヴァイオリン。現在は月に数回しか弾かないそうだが、眺めのよいこの部屋で弾くのは格別。新井邸設計新井アトリエ一級建築士事務所所在地神奈川県横浜市構造木造規模地上2階延床面積99.28㎡
2020年07月20日「スタイルのある家と暮らし」をテーマに情報発信する『100%LiFE』。クリエイティブな感性で暮らしと空間を楽しむ人たちのライフスタイルメディアとして2012年の7月にスタート、8周年を迎えます。そこで、今回、特別企画として、これまで取材した家の中で『100%LiFE』に集う読者の方々に人気のあった家を、テーマごと振り返ってみました。読者の皆さんが興味をもった家とは?第2回は、憧れの「湘南スタイル」、人気の10軒を紹介します。type1湘南のサーファーズハウス海を気持ちよく楽しめるカリフォルニアスタイルの家ハワイで挙式した時に借りたバケーションレンタルが理想の家。海岸まで歩いて5分。サーフィン好きの真崎さんにとってこの上ない家が誕生した。type2葉山の海を一望お菓子も作れるカフェになる工夫を凝らしたキッチン葉山の人気カフェ「cafe manimani」の土屋由美さん。その自宅には優しい空気感が漂い、海を一望できるダイニングはアジアのリゾートのよう。type3カリフォルニアの風が吹く愛する海と暮らすサーファーズハウス湘南の海をこよなく愛する山崎さん。七里ケ浜の高台に、海の近くにふさわしいカリフォルニアテイストの家を完成させた。type4平屋の民家をリフォーム家族や自然と調和するゆるやかな生活夫婦でケータリングやレシピ開発の仕事に携わる堀出隼さん。築約50年の平屋の物件をリフォームし、住居兼アトリエを誕生させた。type5理想をカタチにするアメリカの古材を使った、CAPE COD STYLEの家。結婚を機に、家を建てることにした工藤さん夫妻。趣のあるアメリカの古材や建築廃材をふんだんに使って、理想の住まいを実現した。type6葉山の景観に溶け込む広大な庭とともに暮らす真っ白な平屋の家葉山の景観に寄り添うように建つ白亜の平屋。小川さんは、庭の緑を育てながら、自然の中での家族との暮らしを楽しんでいる。type7愛犬との湘南ライフ非日常性を求めて暮らしを楽しみ尽くす海の近くで暮らすこと、犬を飼うことを目的に湘南へ。漫画家・小説家の折原みとさんは自然に寄り添う暮らしを楽しんでいる。type8家造りは自分の手で葉山への移住を決意したのは波乗りと愛犬のため葉山への引っ越しを決意したのは、毎日愛犬とビーチを散歩したい、存分にサーフィンを楽しみたい…という願いから。type9海辺の暮らしを満喫海辺の古い一軒家を自分らしく再生潮騒の音が聞こえる海辺の1軒家。築40年の古いコンクリート住宅を、アメリカの匂いを感じさせる快適な住まいへと変身させた梅本さん夫妻。type10湘南の海を望む天空の家地上から高く離れて海と山と空を満喫する家東海道線の大磯の駅から歩いて10分ほど。ゆるやかな傾斜の続く住宅地の先に、巨大な擁壁の姿が現れる。その上に立つのが藤田邸だ。
2020年05月27日「スタイルのある家と暮らし」をテーマに情報発信する『100%LiFE』。クリエイティブな感性で暮らしと空間を楽しむ人たちのライフスタイルメディアとして2012年の7月にスタート、8周年を迎えます。そこで、今回、特別企画として、これまで取材した家の中で『100%LiFE』に集う読者の方々に人気のあった家を、テーマごと振り返ってみました。読者の皆さんが興味をもった家とは?第1回は、最近話題の「アウトドアリビングの家」、人気の10軒を紹介します。type1家にいながらアウトドアライフをキャンプの楽しさを家でも家でくつろぐ感覚を外でも部屋で使う家具をそのままアウトドアに持ち出して使えることをコンセプトにしたショップ『INOUT』オーナーの小林卓さんのアウトドアな家。type2海を愛する建築家の自邸海まで3分。カリフォルニアスタイルのヴィンテージハウス数々のカリフォルニアスタイルの家を手がけてきた建築家・岩切剣一郎さん。満を持しての自邸は、茅ヶ崎の築約40年の平屋のヴィンテージハウス。type3100年経っても色あせない家西海岸の空気感を感じながら暮らす緑に囲まれたテラスが心地良いK邸にはどこか西海岸の空気感が漂う。夫妻の「ライフスタイルと両立する家にしたい」そんな思いが込められている。type4雨が降ると池が出現子どもの成長を見守りながら外を感じて過ごせる家池田岳郎さん・亜希子さん夫妻のお宅の前庭には、雨水を溜めると大きな水盤が現れるシカケがある。夏はここで子ども達が存分に水遊びを楽しめる。type5車庫をギャラリーに鎌倉の森の隣に人が集まる場所を作る稲村ヶ崎の海を望む丘の上。既存の半地下の駐車場をギャラリーに改造し、1階をカフェに。住まいと、地域の人が集まる場所の両方が完成した。type6漫画の世界にも通ずる住空間リビングが外にあって、直接空を望める家で暮らす高橋邸が立つのは中央線沿線の「安くて小さい土地」。そこに設計者で漫画家の高橋さんが建てたのはリビングが外部にある家だった。type7モノを即物的に扱い混在させた家おおらかな自由さの中で居心地よく暮らす山田邸でまず目を引くのは、その外構部分。家づくりでは「このスチールの骨組みと緑からなる外構をいかにつくるか、そして家のほうはそれに向かっていかに生活できるようにするか」が出発点となった。type8見たことないつくりのRC住宅都会の狭小地で街とつながって暮らす建築家が正方形の敷地にほれ込んで建てた家は、梁と床・天井のスラブを大胆にずらしてつくられた、今までにない体験のできるコンクリート住宅だ。type9縁側は“外にある居間”逗子の戸外感覚溢れる家で暮らす緑あふれる逗子の地での家づくりを決めた老子夫妻。建築家へのリクエストのひとつは「家にいるのに外にいるような感じで暮らしたい」だった。type10逗子の自然に溶け込む本物の素材に包まれる上質な暮らしの心地よさ世田谷から逗子へ。共にインテリアデザイナーの高城さんご夫婦が選んだのは、自然の中に溶け込む暮らし。素材にこだわった上質な空間が完成した。
2020年04月28日庭に佇む納屋のように多摩御陵へと続くケヤキ並木の参道沿い。自然に恵まれた、神聖な空気感の漂うこの場所に、ランドスケープデザイナーの石川洋一郎さんは4年前に自邸を構えた。「この辺りは風致地区なんです。まわりの景観にふさわしい家を建てることが求められる中で、風景をつくる人間として何ができるかを考えました」。ニオイシュロランをはじめ、世界各地からのグリーンが生い茂る庭に囲まれて、焼杉の外壁の家が佇んでいる。「庭と家をセットで考えました。リビングからインとアウトをどのように形づくるかを大事にしましたね」。ベタ基礎のレベルにコンクリートを敷いた土間のようなLDKから、そのまま地続きにつながる庭は、石川さんと、ガーデンデザイナーである妻・メアリーさんがデザイン。建物の設計は「shushi architects」の吉田周一郎さんに依頼した。「イメージしたのはBURN(農家の納屋)です。作物を育てて保存するための簡素で無駄のないデザインを、石川さん家族の暮らしにどうフィットさせるか試行錯誤しました」と吉田さんは言う。コンクリート敷きの土間のような大空間のLDK。南面に大開口が設けられ、庭との一体感が感じられる。モンステラやサンスベリアなどインドアグリーンが、庭との境界を曖昧にする。玄関は左手のシューズクローゼットの奥に。正面のソファーはハンス・J・ウェグナー。外壁の焼杉をDIYで納屋のようなシンプルな箱型の家を包む焼杉の外壁は、石川さんがセレクトした。「風景に溶け込む家にすることを考えたときに、自然素材は必須でした。焼杉なら焼いて炭化させることで経年変化のデメリットを防いでくれるし、メンテナンス性もいいんです」。驚くのは、その杉の木をDIYで焼いたということ。「山梨の知り合いに間伐材を製材してもらい、自ら実加工をし、現地で焼いて乾燥させて持ってきました。コストの面もありますが、自分がやりたいことを少しずつ、手をかけて形にしていきたい。だから箱だけを建ててもらって、未完の状態で引き渡してもらいました。今も進行中なので、この家はまだ竣工していないと思っています(笑)」。住み始めた時は、仕切りもドアもない状態だったという。石膏ボードのままの壁に漆喰を塗ったり、本棚を作って空間を仕切ったり、暮らしながら少しずつつくりあげてきた。「工事中も現場に入ってDIYをしていました。建築家、工務店の理解ができないとなかなかできないことですが」。庭とダイレクトにつながるリビング。コンクリートが蓄熱して冬も暖かい。セルジュ・ムーユのウォールランプの下は、Bang&Olufsenのスピーカー。地域に向けて開かれるファサード。南面のみ杉材で、他の3面に焼杉を使った。腐食しにくく約50年の耐久性があるという焼杉の外壁は、断熱性、清浄効果も高い。光と緑に包まれる家「動物の巣のように、住まいは主(あるじ)自身でつくられるのが本来の姿です。石川さんはデザインも施工もできる本来の住まいの作り手だと感じているので、こちらは空間構成、構造、工法、断熱など性能の設計に専念して、石川さんが自ら造りあげる“ハーフビルド”にお任せしました」(吉田さん)建築家・吉田さんは、隣家を避けて明るい日差しがリビングに届くよう、南面の西側に階段の吹き抜けと2階までの開口を設けることを提案。「庭に面した南向きの大開口は、太陽が高い位置を通る夏は日が中まで差し込まず、逆に冬はリビングの奥まで差し込んでくれて、効率的です。冬はペレットストーブ1台で、蓄熱も長く続き暖かく過ごせます」。リビングの奥にあるキッチンは、石川さんがデザインし、家具職人がモルタルの天板にクルミの木の面材で造作。壁にはイタリアから輸入した大理石をDIYであしらった。「キッチンの窓から庭の景色を眺めるのが好きなんです」。というのはアメリカ出身のメアリーさん。フランス、ニースで活動していた石川さんと出会い、結婚。南仏のアトリエのように光と緑に包まれたこの家で、双子の長女サフラン(蒼)ちゃん、次女インディゴ(藍)ちゃんとともに、ここでの暮らしを楽しんでいる。階段下の空間を利用してペレットストーブを設置。木質ペレットを燃料とするため、エコ暖房として注目されている。ソーラーパネルの設備も備え、エコロジーな暮らしを追求。ダイニングキッチンも庭続きの土間に。テーブルは天板にカットした脚を組み合わせて作ったもので、今後はより大きいものに作り変える予定。大理石、モルタル、クルミの木の異素材がミックスされたキッチン。右手の食器棚もDIYで。窓越しのグリーンが美しいキッチンで。ガラスの床を介して、2階の気配も感じられる。1階の奥にあるアトリエでは、メアリーさんが教室を開いたり、子供たちが遊んだり。1階のバスルームは、モルタルを使ったシンプルで清潔感のある空間。洗面台も造作。ハリー・ベルトイアのワイヤーチェアーは、メアリーさんがかつてアメリカで使っていたもの。吹き抜けに設けた開口から、光が差し込む。ペレットストーブの温かな空気も2階へ届けられる。廊下は自由に過ごせる共用部ベッドルームのある2階もまた、未完の状態からつくっていった。主寝室に子供部屋、ゲストルーム、シャワールームがあるが、それらをつなぐのは、廊下ではなく共用部。「余白を残しておきたいし、閉じこもる空間をなるべく減らしたい。だから廊下は要らないと思いました。廊下にあたるスペースにはソファーと本棚を置き、子供たちが読書などをして楽しんでいます」。床の一部には強化ガラスをはめ込んで、1階を見下ろせるように。ガラスを通して家族のコミュンケーションが図れるほか、屋根のトップライトからの光を、1階にまで届けることができる。「2階の床は、入居してからクルミの木をDIYで張ったんです。寝室のクローゼットもクルミの木を使い、後からつくりました」。天井まで届く高さの主寝室のクローゼットは、石川さんがデザインして家具職人が造作。ベッドフレームもDIYで作成した。読書スペースの窓の先には、これからデッキもつくる予定だという。ハーフビルドは続いている。廊下の概念を覆す共用部。DIYで設けた本棚は、奥のゲストルームの仕切り代わりにもなっている。共用部に置いたソファーで読書をするインディゴちゃん。シャワールームの扉はベニヤで仮につけたもの。階段を登ると現れる一角。集成材に色を塗りDIYで作った棚を本棚に。壁にはお子さんの作品を飾る。海外のファームハウスのような主寝室。ベッドはベニヤにベンガラ塗料を塗ってDIY。クルミの木のクローゼットも石川さんがデザイン。取っ手の代わりに手をかけられる凹みをつけた。ゲストルームには小上がりを設け、琉球畳を敷いた。クローゼットと棚の裏側は共用部の本棚になっており、壁代わりでもある。ロフトのある子供部屋。柵はテーブルの代わりにも。当初なかった階段はクルミの木でデザインし、後から大工さんと施工した。いつまでも完成はない1階のキッチンの奥には、メアリーさんが開く英語教室やワークショップのためのアトリエも設けた。「近所の子供たちがやってきて、いつも賑やかなんです。2階のゲストルームにはホームステイの学生も招いています。家という垣根なく、みんなが集える場所にするのが理想ですね」。リビングから続く庭にもいずれウッドデッキをつくる予定だが、今はタープを張り、近所の人を招いてバーベキューなどを楽しんでいるそうだ。「いつ竣工するんですかって聞かれるんですけど(笑)、住んでいるとどんどん新しくやりたいことが増えてきて、いつまでも完成はないんです。庭と同じように試行錯誤していくことが、こういうところに暮らすライフスタイルだと思っています」。TREEFORTE inc.代表・ランドスケープデザイナー、石川洋一郎さん。メキシコ原産のユッカなど、庭には立派なグリーンが多数。開け放った開口から、心地よい空気が流れる。人間は潜在的に植物に癒されるという、“バイオフィリア”の仮説に納得。近所の人も気軽に訪れるアウトドアリビング。ここで過ごす時間が長いそう。石川邸設計shushi architects所在地東京都八王子市構造木造規模地上2階延床面積150㎡
2020年04月06日LDKの向こうに絶景が広がるリビングからつながるテラスの向こうに、息を飲むような大パノラマが。ビュートリアム鎌倉小町店に勤めるヘアスタイリストの増山大輔さんは、4年程かけてこの土地を見つけた。「抜けのいい場所を探していたんです。グーグルマップを見て自分で調べて、この土地良さそうだな、と思ったらバイクであちこち回っていました。ここにも一度来ているのですが、その時は売られていなくて。とうとうほかの土地に決めようと、サインすることにしたちょうど1週間前に、売りに出されたんです」。鎌倉の小高い山の上。向こう側の山の緑と、山沿いに建つ家々が見渡せる立地に、開放的でいて都会的なセンスにも溢れた、レッドシダーの家が建つ。2階の吹き抜けまで大開口を設けた。明るい日差しが家中を包む。吉村順三の和風建築も好きだという増山さん。日本家屋で用いられる引き込み戸も取り入れた。リビングからなるべくフラットにテラスに出られるように、とリクエスト。時間の経過とともにグレーに変わる、経年変化が魅力のレッドシダーを外壁に。内と外の境界線のない家に「小さい頃から家に興味があって、小学生の時に『渡辺篤史の建物探訪』とか観ていました。そんな子どもいませんよね」と笑う増山さん。家づくりにはイメージがあった。「中と外の境界線がない家にしたいというのは、一番の希望でした。リビングからフラットにテラスに出られることと、大人勢で集まれること、吹き抜けがあることなど、もともとの知り合いでもある建築家のSTUDIO・LEONの河村さんと打ち合わせを重ねました。でも会うと、飲んでしまってなかなか進まなかったんですけどね(笑)」。同じくヘアスタイリストの妻・千明さんの希望は「キッチンの広い家」。「家づくりはキッチンから始まったと言ってもいいかもしれません」と、おふたり口を揃える。LDKの中央に、テラスに面して設けられたキッチンは、シンクに立つと眼前に向こう側の景色が広がる。「洗いものなどをしているときも、気持ちがいいですね。キッチン台は2列にしたのですが、パーティーなどを開くことも多いため、大人数で立つことのできる広さにしました。こんな広さいる?と言われたけれど、正解でしたね」。珪藻土の壁の白とオークの明るめの床に、真鍮の照明の金をあえてミックス。リビングの照明は目黒のCOMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPLYで選んだもの。千明さんの希望で和室も設置した。ダイニングのペンダントライトはNEW LIGHT POTTERY。ミッドセンチュリーの家具は、本物とリプロダクトを混在させて。和室の反対側はオーディオスペース。半オープンの明るいキッチン。左奥には勝手口のあるパントリーも。テラスからLDKを見る。テラスでの朝食、BBQなども楽しい時間。キッチンには、千明さんの希望で野菜洗い用の浄水のシンクも設置。当初、白×紺だったのを、80年代の映画を見て“かわいい”と思い、黄色にチェンジ。吹き抜けの2階レベルには、ベッドルームへの渡り廊下が設けられている。千明さんは北鎌倉にヘアサロン「モダーン」をオープン予定。生活まわりの動線を一括に吹き抜けの空間を渡り廊下でつなぐ2階には、書斎とベッドルームが。そしてバスルーム、洗面、クローゼット、ユーティリティが一体となった大空間も設けられている。「ベッドルームは東南に面していて、朝の目覚めが最高に気持ちいいですね。ここからクローゼット、そしてバスルームへとつながる動線を確保したのも大正解でした」。細かく分けると狭くなるところを、一体にすることで広々とさせ、かつ動きもスムーズに。中央には古い柱を1本、あえて色を塗らずにむき出しにすることで味わいを出している。「河村さんのアイデアなんです。ドアなどもすべて古いものを用意してくれました。私たちの方では、取っ手やバスルームの目地の色など、細かなところをリクエストしました」。洗面台には、パリのホームセンターで買ってきたというゴールドの照明を。屋根裏のような古めかしさの中に、華やかさが添えられている。吹き抜けの2階。奥に書斎を設けた。階段を上がるとロフトへ。ベッドルームのドアはムラのある微妙なブルー。反対側はピンク系に塗り分けられている。見晴らし最高のベッドルーム。ここの壁だけはDIYで珪藻土を塗装した。ベッドルームからクローゼットを通って洗面台へ接続。このスペースは洗面、バスルーム、トイレ、ランドリーが一体となっている。中央の古い柱が味わい深い。サンワカンパニーのシンクにオイルステインで古っぽく仕上げた棚を造作。ゴールドの照明が華を添える。ガラス張りのバスルームは中庭も設けて開放的に。タイルの目地は薄いグリーンで柔らかな雰囲気。ロフトから1階まで、吹き抜けでつながる。どこにいても家全体の雰囲気を感じることができる。カリフォルニアにモダンをMIX「スタイルを決めたくはなかったんです。サーフィンが好きでこの立地を選んだというのもあるのですが、カリフォルニアに寄りすぎるのは嫌で、都会的なモダンな感じも足したかったんですね」。増山さんのもうひとつのこだわりは「形容するのが難しい家」。アンティークのドアもあればモダンな照明もある、そんなミクスチャーが独創的な空間を生んでいる。「家を建てるにあたって、ポートランドに行って来ました。ホテル、カフェなど色んなところを訪れ、ハンドメイドやクラフトなどを取り入れて、それぞれ工夫して空間を楽しんでいるスタイルを見て、いいなと思いましたね」。玄関を入ったところから、出迎えてくれるのはフォークロアな雑貨や、コンテポラリーな写真など、色んなテイストがミックスされたディスプレイ。「色々と考えるのが楽しいですね。今はDIYで外構にピンコロ石を敷いてみたり、テラスの植栽もこれからもっと育てていくところです。自分で手を加えることで、プロには出せない味も出ると思うんです」。色んなテイストをミックスし、独創的にディスプレイした玄関。たたきには使いたかった大谷石を敷いて和の雰囲気に。増山大輔さん。アアルトなどの建築洋書も研究。机はヤフオクで見つけた北欧のもの。階段は上部にくるほど幅を出すことで、広がりを持たせた。手すりはアイアンでオーダー。玄関からテラスにつながる小径には、DIYでピンコロ石を。不揃いな雰囲気を楽しんでいる。海まで徒歩10分。外シャワーや納戸、サーフボードラックも設けた。テラスの両サイドは土を入れ、アカシア、レモン、ハーブなどを育てている。これから増やしていく予定。
2020年01月06日正面にスチールの骨組みと緑山田邸を訪れてまず目を引くのは、その外構部分だ。スチールで組み上げられた骨組みに階段が組み込まれ、それらの間から緑が顔を出す。そしてその背後にある住居部分が半ば隠れていてその全体像をつかむことができない。設計したのはこの家に住む建築家の山田紗子(すずこ)さん。この家は夫と息子、そして自らの両親とともに暮らす住まいとしてつくられたものだ。「環境さえつくれば家はどんな感じであってもある程度いいものになるのではないかと楽観的に考えました。なので、その環境の部分――外構というか庭というか――をいかにつくるか、そして家のほうはそれに向かっていかに生活できるようにするかが出発点となりました」と話す。「適度に都市と細かくつながりながら見え隠れしているようなあり方が面白いのではと思った」(紗子さん)。玄関周りの外壁面を正面から見る。2つのテラスを結ぶ階段がダイナミックに宙を飛ぶ。そして「土地の広さが109㎡ほどなので、その半分は庭にしないとそのようにはならないだろう」と、まずは敷地の半分程度を庭にあてて残りを住居のために使うことに。外構部分のテラスと階段についてはこう説明する。「住居部分のボリュームスタディを進める中で、地上3層プラス半地下にすることでようやく求められている居住空間を収めることができたのですが、その3層に対してどのように緑を配置しても、上の方のレベルでは庭にアクセスできない。それでは外構が借景のような感じになってしまうので、テラスを張り出して、さらにそのテラスに行くための階段をつくろうということになりました」反時計回りに階段が地上の1層目につくられた書斎の前のテラスを経て最上層へのテラスへと至る。外構部分の緑とスチールがプライバシーを守るバッファ的な役割も担っている。階段がぐるりと円弧を描いて最上層のテラスへと至る。地上1層目につくられたテラスから最上層のテラスの方向を見る。最上層に設けられた寝室とテラス。このテラスは夫のマサシさんのお気に入りの場所。マサシさんは「緑に水をあげたりなどの手間はかかありますが、気持ちのいい生活の場がそういうものをぜんぶ押しのけている」と話す。自由な空間スチールの骨組みと緑が無造作に混在しているように見える前庭を横切って内部に入ると、こちらもまた庭に劣らぬおおらかな自由さのようなものが横溢した空間が現れる。この自由さの印象は、表層部分をきれいに仕上げてソフィスティケートされた空気感をつくり上げるのではなく、その真逆を行くような、素材の即物的ともいえる扱い方や一見無頓着そうにみえる素材の混在のありようなどから受けたのだが、紗子さんが設計しながら考えていたのは次のようなことだったという。「あまり計画的にきれいにゴールを決めてしまうよりも、生活の中で必要だと思ったことや欲求にたいしてぱっと動けるような設計のアイデアを考えて積み上げていくほうが面白いし、永続的に使っていける家にもなるのではないかというイメージがありました。またある意味、即物的にやっていくほうが、住みながら住まいと住んでいる人が対話しているような部分も生まれるし、建築自体も変わっていって、住んでいる人もまたそれにかかわることができるのではないかと」室内に“外部”が入ってくるような感覚をつくり出すべく、主寝室の壁に外壁と同じガルバリウム鋼板を使用した。ダイニングとキッチンを見る。天井は骨組みだけでなく配線なども表に出して視覚的にわかるようにしている。外を見ながら料理ができるキッチン。この配置は家族皆で料理ができるようにするためのものでもあった。即物的なあり方とモノの混在即物的ともいえる扱いには「モノとモノがどう組み合わさってつくられているのかがわかるにほうがいい」という紗子さんの考え方も反映している。「建物の骨組みがつねに見えているほうが、何によって囲われていて何によって守られているのかが体感できて特に子どもにとってはいいのではないか」。この考えは2011年の震災の体験も踏まえてのものだという。「震災の時に見えないものに対する恐怖みたいなものを強く感じて、自分を支えているものがいったいなんなのか、どこからきているのかがわからない現代の生活に対して、もうちょっと可視化していけないかと」一見無頓着な素材の混在については「基本的に外も中もモノがなるべくバラバラに混在しつつ一個に成り立っているような状態をつくりたかった」と話す。たとえば階段の手すりが左右同じ素材だと、一個にまとまりすぎてボックスのように確固とした存在になってしまう。そう見えないように、なるべくモノがただそこに集まってきて、結果的に階段になっているくらいの存在感であってほしいという思いがあったという。左は高さ4mあるスチールの開き戸を開けた状態。今夏の朝と夜はだいたいこのように開けていたという。「朝と夜、25度くらいに下がった時にこのドアを開けると家の暖気がぜんぶ逃げていってすごく涼しかった」(紗子さん)という。リビングを見下ろす。階段の手すりにスチールパイプを使ったのには「なるべく外の風景とつながるように」との思いもあった。即物的にモノとモノがただ組み合わさって出来上がっている状態をつくるべく現場に通って直接職人さんと話し合ったという。ドアの前に斜材設計に関して夫のマサシさんからのリクエストはほぼゼロだったというが、マサシさんは「ドアの前に木材が斜めに入ると聞いて、そこは“ホントに?”と思った」という。しかし「実際住んでみると些細な問題で、ドアの前に木の斜材が入っていても生活にはなんの支障もない」と話す。。さらにこの家では「場所の区別がないかもしれない」とも。「場所がすべてひとつながりになっているような感じで、かつ個室が互い違いに置かれているので、家全体に家族の気配が下から上まで感じられるようになっている」このように語るマサシさんのお気に入りは最上層の寝室前に設けられたテラスだ。「あのテラスで椅子に座ってお茶飲んだりとか、ヨガマットを敷いて本を読んだりして」適度に外のざわめきを感じながら過ごすのがいいという。リビングでくつろぐ山田さん夫妻と息子さん。奥の書斎前に座っているのは紗子さんのお母様。山田邸は2世帯住宅だが、もともと一緒に暮らしていたため、「2世帯」であることは設計時には特にテーマとはならなかったという。リビングの奥から見る。玄関から見上げるとダイナミックな風景が目に入る。リビング方向を見る。左は開き戸を開けた状態。開けることで中を外へとぐっと誘導するような空間の質が生まれる。玄関部分を見下ろす。半地下につくられた紗子さんの事務所。手前は設計途中につくられたこの家の模型。事務所側から玄関と紗子さんのお父様の寝室を見る。原始の生活?「人が自由になれるきっかけみたいなものが家の中にあるだけでいい」とも住宅設計の理想を語る紗子さんの好きな場所は地上の1層目につくられたリビング。「設計中からたぶんここがいちばん気に入るだろうと思っていたんですが、その通りになりました。ダイニングは木のいちばん上のような場所にいてパーンと外に開け放たれた感覚がありますが、リビングのほうは少し森の中にいるような空気感で、適度な暗さもあって居心地がいいですね」ソフィスティケートされた空間を追求しがちな現代住居とは反対方向を向いているように思える山田邸での生活は「原始の、自然の中での暮らしの感覚に近いのかもしれない」とふと思い至ったが、この家の自由さのようなものをはらんだ居心地の良さからそのように思えたのかもしれない。紗子さんお気に入りのリビングスペース。2、3年後に緑のボリュームが増えるとさらに森の中にいるような空気感が増すだろう。山田邸設計山田紗子建築設計事務所所在地東京都世田谷区構造木造規模地上2階+地下1階延床面積138.5㎡
2019年11月13日山林付きの土地を購入神奈川県鎌倉市の眺めの良い高台で暮らす黒沢征佑喜(まさゆき)さん一家。以前住んでいた東京都三鷹市周辺から土地探しを始め、予算の都合と自然豊かなのびのびと暮らせる環境を求めて徐々に南下していった。探し始めて2年近くが経ち、ようやく出会ったのが、この山林付きの住宅地。「この土地を見たとき、ここだ!と思いましたね。裏に山林があって、眺望も素晴らしくて。裏山っていろいろなことができそうじゃないですか。ツリーハウスを建てたり、ジップラインやスラックラインを設置したり。自宅でキャンプが楽しめるような、アウトドアライフを満喫できる家が夢だったんです」と目を輝かせる征佑喜さん。庭の手入れや山林の造成を徐々に始め、裏山に何を設けるか、目下構想中である。自然環境豊かな高台に建つ。西側に開けた大きな窓が気持ちいい。裏の山林。「まずは、石段を造り、その上に小屋を建てたい」と征佑喜さん。2階部分に設置した回廊と帯状に張った杉板で個性的な外観に。斜面に建つため、高い土台が必要だった。屋上をアウトドアリビングに「屋上がなければ家を建てる意味がない、というくらい屋上は必須でした(笑)」と征佑喜さん。念願の屋上にはルーフテラスを設け、2階のLDKからそのまま階段でつなげたことで気軽に出られる空間となった。リビングとほぼ同じ広さで約20畳のルーフテラスは、アウトドアリビングとして大活躍。ゲストを招いてバーベキューをしたり、テントを張ってキャンプをしたりと、まさに家にいながらにしてアウトドアライフを楽しんでいる。丹沢山系から富士山までが一望でき、自然環境に恵まれたこの地では、季節や天気の移ろいにも敏感になるという。広々としたルーフテラス。テントを張ってキャンプ気分を味わったり、日差しの強い日はタープを張って寛いだり。周囲の住宅よりも一際高い位置にあるため、近所の視線も気にならない。右側の階段を昇ると屋上へ。視線が抜けて開放的なスケルトン階段は、1階まで光を届け、排熱効果にも一役。腰掛けるのにもちょうどよい和室。ゲストを泊めるために設けたが、現在は征佑喜さんの部屋!?プラモデルなどの塗装を行う道具が揃う。「窓もあり、換気にも好都合だった」と征佑喜さんのお気に入りの場所。自ら一部(左側)に床材を敷き、塗装をする趣味の部屋にしてしまった征佑喜さん。朔くん(6歳)の好きな「ゾイドシリーズ」も征佑喜さんが塗った。自然の恵みを活かした設計土地探しから手伝ってもらったという「HAN環境・建築設計事務所」は、太陽や風、緑、土など自然の恵みを取り入れる“パッシブデザイン”に基づく設計を行っている。その考え方に、黒沢さん夫妻が興味を持たれたことがきっかけで設計を依頼した。黒沢邸の特徴ともいえる2階のリビングをぐるりと囲むように設けた回廊は、パッシブデザインの工夫のひとつ。強い西日をやわらげ、すだれをかけることでさらに日差しを遮断することができる。また、1階から屋上に続く階段の吹き抜けにより、排熱効果も抜群。季節によって異なる日差しの角度を計算して窓を配置し、採光や通風も考え抜かれているため、エアコンに頼らず、四季を通して快適に過ごせる。さらに、裏の山林の緑も生活にさりげなく取り入れている。2階のLDKにつながる階段脇に大きな窓を配すことで、階段を昇りながら、またキッチンやリビングからいつでも裏山の緑が目が入ってくる。「この土地の特徴を最大限に活かしてもらいました」とご夫妻も満足気である。リビング側からDKを見る。天井はあらわしにし、化粧材を加えてデザイン性を高めた。裏の山林が見える階段脇の窓。建築家・伊東豊雄デザインの照明が、リビングから見たときにちょうど中央にくるよう考えられている。2階のLDKを囲むように設置した回廊。ぐるぐる回遊でき、子どもたちも楽しそう。自分流の家事動線で「生活感が出すぎないように隠す収納にしています」とは妻の香織さん。キッチンまわりは、食器や調理器具、冷蔵庫に至るまですべて扉内に収納。急な来客でも苦労せず片付けられるという。また、アイランド型のキッチンとダイニングテーブルを横並びにしたのも香織さんの案。「テーブルに料理を並べるときなど、いちいち回り込まなくてよく、最短距離で動けて便利です」。また、香織さんの希望でキッチンの奥に洗濯室を設けた。洗濯機を1階のバスルーム脇ではなく、2階の洗濯室に置くことで、物干しスペースやキッチンにも近く、効率的に家事ができる。「洗濯物を持って2階に上がるのも、衣類が乾いているため軽く、苦ではありません」とのこと。香織さん自身が動きやすい家事動線を徹底的に考えた造りになっている。また、空間の有効活用にもこだわった。斜面に建つ黒沢邸は土台を高くしたため、その空間を利用して床下収納を設置。壁の一部をくり抜き、本棚も3つ取り付けた。「今年の正月から春にかけて、床下収納部分にフローリングを貼り、“隠れ部屋”を造りました。子どもたちとよく籠って、本を読んでいます」と征佑喜さん。自分たちらしく心地よい生活を求めて、コツコツと手を加え、楽しんで暮らしている黒沢さんご一家。自然の恵みをたっぷり受けた健康的な笑顔であふれていた。アイランドキッチンとダイニングテーブルは横並びに配置。北欧ビンテージ家具屋で購入したダイニングチェアは形は異なるが座面の生地を統一した。キッチンまわりの物は扉内にすべて収納。「すぐに片付けられて便利」と香織さん。キッチン奥の洗濯室。空ちゃん(9歳)はよくお手伝いしてくれるそう。洗濯室から続く回廊の南側は洗濯干しスペース。LDKからは、干した洗濯物が見えないようになっている。1階のサニタリールーム。洗濯機がないため、すっきり。間取り図に要望や疑問を付箋に書いて貼り、設計事務所と何度もやりとりした。2階から見下ろす。階段の真ん中で、朔くんがよく本を読んでいるという。壁をくり抜いて造作した本棚。本棚の右奥が子供部屋。奥の寝室の下が地下収納で、階段をずらして入る。地下収納をDIYした“隠れ部屋”。読書に心地よいスペース。黒沢邸設計HAN環境・建築設計事務所所在地神奈川県鎌倉市構造木造規模地上2階延床面積88.38㎡
2019年10月21日2世帯を左右にわける芳賀邸は2世帯住宅。芳賀さん夫妻から出された要望は「子世帯の建物とは離してほしいけれども、どこかでつなげてください」というものだった。「よくある世帯が上下で分かれるつくりには音の問題とかあるのでしないでくださいって言ったんですね」と話すのは奥さん。「あと目線が合わないようにしてくださいとお願いしました」その要望通り、芳賀邸は左右に分かれて2階部分に設けたブリッジによって連結されている。2つの棟がずれて配置され、かつレベルの違いもあって目線が合いにくくなっているが、このレベル差は最初のプランではなかったものという。2世帯を連結するブリッジ下に庭へのアプローチがつくられている。地形をつくる「最初のプランでは直接目線が合わないようにしたいということで子世帯のリビングは2階にしていたんですが、途中でリビングは庭に面してほしいという要望が出てきた。1階にしたら当然目線が合ってしまうので、それで丘をつくって子世帯の建物自体の高さを上げることを思いつきました」(建築家の岸本さん)そこで、2棟をつなぐブリッジの下の部分まで傾斜を上りそこから今度は庭に向かって下がるようなかたちで新たに小さな丘のような地形がつくられ、この地形と2つの建物とが一体化するように計画が練り直された。小さな丘状になった部分を上っていくと徐々に風景が変わりもう少し進むと庭が現れる。左が子世帯のリビング。丘の最高地点から子世帯前に広がる庭を見る。親世帯と同様に開口部分に巡らされた縁側。「縁側に出て食事をしたりしたい」との希望から途中で付加された。親世帯の建物前からアプローチ方向を見る。右上が子世帯の建物。親世帯の開口外部には縁側がつくられている。この新たにつくられた起伏によって、庭は道路側からは直接見ることができなくなったが、敷地に奥行きをつくり出し、さらにはその奥に何かあるという雰囲気をつくり出すことになった。庭の奥側の緑には手を入れていないが、建物に近い側の緑は配色にも気を遣って新たに配置されたもの。奥へと人を誘うように、また奥行き感が増すように、アプローチ部分からの流れが巧みにデザインされた。子世帯の建物前から親世帯と庭を見る。親世帯1階のコーナーにつくられたベンチ付近から庭を見る。玄関からこのコーナー部分までタイルの床と簾天井が続く。手前の柱は構造的な役割およびDK部分とベンチ付近のスペースを分節する役割をもたせられている。親世帯の開口部分に縁側が巡らされている。平屋の屋根部分にはウッドデッキが張られて大きめのテラスとなっている。対照的な2つの建物建物の方の設計コンセプトはまず2つの建物の性格を変えることだった。岸本さんは「親世帯はどちらかというと暗がりのある空間、そして子世帯のほうは対照的にオープンで明るい空間としました」と説明する。奥さんは当初、親世帯の空間の暗さに少し抵抗があったようだが、いまは「まったくOK」どころか「帰宅のときはウキウキしながら家に入ってくる」ほど気に入っているという。親世帯の玄関は庭に面した空間と比べかなり暗めだが、入って左右に長い空間になっていて、右へ行くと2階上る階段とともにDK、和室へとつながる。そして左手はそのままダイレクトにDKへ。この部分は床にタイルを張り、天井に簾を使用していて玄関からずっと外部的な空間が回り込む仕掛けになっている。そしてその終点となるコーナー地点には大きめの開口に接してL字形のベンチが設けられている。芳賀さん夫妻がともにお気に入りの場所は開口近くに設けられたベンチ付近という。壁には和紙が貼られている。DKと和室を見る。和室が小上がりになっているためちょっと腰かけることもできて便利という。右が親世帯の玄関扉。入って右に進むと階段やDK、和室に、左へ行くとDKに至る。壁に沿ってベンチが設けられている。子世帯の玄関ホール。右上の窓の建具は以前の家のものを活用している。いっぽうの子世帯のほうも玄関のつくりが特徴的だ。広い土間的空間は天井が高くつくられていてギャラリー的な空間でもある。玄関入って右手には幅広の階段が設けられていてそれを上ると庭に面したLDKへと到る。LDKは親世帯以上に庭に面した開口が大きく取られていて、そこから下部に位置する庭への眺めは緑を十二分に満喫できる格別のものだ。明るい空間にアイランドキッチンをうまく配したつくりもこの空間の心地良さを増幅させている。子世帯のリビングから玄関を見る。家形の空間の部分に幅広の階段がつくられている。キッチンの近くにウェブデザイナーをされている奥さんの仕事場が確保されている。コーナー部分に大きく開けられた開口に沿って木のベンチがつくられている。ここからの庭を見下ろす眺めは格別だ。壁・天井には珪藻土が塗られている。大きめにつくられたアイランドキッチンがこの空間の中心的存在となっている。丸鋼(断面が丸い棒状の鉄筋)を使ったデザインがこの明るくてオープンな空間に軽快感をもたらしている。住み始めてから1年と数カ月。奥さんは庭へと向かって丘状にせり上がる庭へのアプローチ部分を見るのがお気に入りという。「住めば住むほど気に入ってきました」という内部空間ではコーナー部分に設けられたベンチのあたりが「この家でいちばん気持ちが良くて気に入っている」と話す。芳賀さんが「ここから庭を見るのはすごく気持ちがいい」というのも奥さんと同じベンチのあたり。ベンチに座って庭を眺めることが多いという。起伏のある庭に緑が巧みに配置された景色はめったにあるものではない。この家の心地良さは家のつくりと庭への眺めがセットになっているのである。子世帯の軒下にはビカクシダが付けられた流木が吊り下がる。植物は息子さんが趣味で育てている。子世帯の縁側に鉢に植えられたディッキアが並ぶ。温室から親世帯部分につくられたテラスを見る。親世帯の2階の壁にも息子さんが育てる植物が掛けられている。右が温室で外壁にはガルバリウム鋼板が張られている。2世帯をつなぐ温室内には息子さんが育てる植物が並ぶ。道路側から芳賀邸を見る。左に子世帯、右に親世帯の建物が配置されている。芳賀邸設計acaa所在地神奈川県横浜市構造木造規模地上2階延床面積211.65㎡
2019年08月26日縁側のすぐ先には裏山の緑「天気のいい日は縁側に子どもたちが集まってきて遊んでいます」と話すのは老子邸の奥さん。お子さんは「東京のマンションに住んでいるときよりも格段に元気に家の中を走り回ったりするようになった」という。奥さんの話に出た縁側は、アプローチから玄関へと至る前に現れる。中庭を囲むコの字形をしたその縁側のすぐ先には裏山の緑が間近に見える。老子邸はとても戸外感覚が溢れるつくりなのだ。老子邸のエントランス。玄関はいったん靴を脱いでウッドデッキの上に上がると左手に現れる。家づくりの考え方が変わっていった子育てを考えて逗子に越そうと考えた夫妻がこの土地を選んだのは、敷地のすぐ裏にまで迫る山に加え、前方にも緑が豊かに見えるというのがポイントだったという。しかし、現在のような家のつくりはまったく想像もしていなかったものだった。最初は「単純にちょっとおしゃれな家がいい」「無垢の木を使いたい」と漠然と考えていたという。その夫妻の考え方が「“住んでいて面白い家がいい”とうふうに変わっていった」という。そのきっかけになったのが建築家の岸本さんとのやり取りだった。「子どもには隠れる場所が必要」「子どもが外から自由に出入りするぐらいがちょうどいい」等々、子どもに対する目線の重要性などの話も聞きながら徐々に夫妻の家づくりの考え方がシフトしていったという。エントランスからウッドデッキにまで至ると視線は中庭越しにそのまま裏山へと抜ける。家にいるのに外にいるような「岸本さんと話をしていてもはじめはどんな家ができるのか想像がつかなかったんですが、お任せしてお願いをしたら楽しめる家になるんじゃないかなと思いました」と老子さん。設計に際しては岸本さんが「東京からわざわざ逗子に越してきて家を建てるというわけですから、お2人の要望を聞く前からこちらで何をするべきかはすでに半分ぐらいは決まっていた」と話す。それほど家づくりにおいては敷地環境の比重が大きかったが、夫妻の思いが大きく反映したものがひとつあった。それは「家にいるのに外にいるような感じで暮らしたい」というものだった。「どういう家がいいかというよりも、どういう生活がしたいかを箇条書きでもいいのでくださいと岸本さんに言われて」(奥さん)出したリクエストが戸外感覚溢れるつくりへとつながったのだ。中庭側からエントランス方向を見る。真ん中のドアが開いた部分が玄関。その右手に水回り関係が並ぶ。1階のこちらのサイドには奥から寝室、納戸、将来の子ども部屋が並ぶ。外にある居間第1案からほとんど変わっていないという設計案は「面白いというのが第一印象」だったが、奥さんは「びっくりして、もちろん抵抗もありました」と話す。そこで岸本さんにたくさんの質問を投げかけた。「玄関はどこ?」に始まり、いろんな「?」が奥さんの頭の中で渦巻いたという。「でも何回も何回も話をして、岸本さんが具体的な情景を例に出しながら説明してくれて。それで模型を見ながら、ああこういうことなのかなあとだんだんがわかるようになって納得していきました」(奥さん)「ふつうは玄関で内と外がはっきりと区切られていますが、そこを少しぼかしてだんだん内側に入っていくようにする。そうした中間ゾーンをできるだけ豊かにしようとしました。コの字の両端の部分は縁側の風情ですが、真ん中の部分も縁側であり玄関であり、また外にある居間でもあるというように」(岸本さん)水回り前の縁側でくつろぐ老子さん一家。老子さんは「自然の移り変わりをとても身近に感じ取れるようになった」という。「お風呂に入りながら外を見たいというのはリクエストしました」(老子さん)。下見板張りは陰をつくって壁の表情を出すためと家の内側だが外部という「ひっくり返った世界」をつくるため。多様な場所をつくる子どもたちが走り回るのには開放的で自然との距離が近く感じられる空気感も大きく作用しているが、老子邸ではそれに加えて多様な場所がつくられているというのも見逃せない。「場の差異をどうやってつくっていくかが重要だ」という岸本さんは、この家では凝縮された延床面積の中に小さな空間をつくってバリエーションを多様化させているという。階段途中に机の置かれたスペースや2階のロフトがそれで、ともに入口にアーチを設け壁を濃紺で仕上げている。さらに2階に畳の空間をつくったのも「空間が変わる体験を無意識のうちに感じてもらうため」の建築的仕掛けである。子どもに対する目線も意識してつくられたこの家では、実際に子どもたちが楽しそうに走り回るだけでなくいろんな場所で遊ぶという。「畳の間で遊んだり、友だちが来るとベンチ伝いに歩いたりロフトに大集合して遊だりしています。大きくなったらさらに遊ぶ場所が増えていくんだろうなと」(奥さん)玄関を入ったところから見る。階段途中に作業のできる小スペースが設けられている。ダイニングのほうとは対照的に「ちょっとふわっとしたウエットな感じ」(岸本さん)の空間。家の中心に位置するキッチン。食事をつくる際にも裏山の緑が眼に入る。左右の空間とは天井の仕上げを変えている。このキッチンで家族間のコミュニケ―ションが以前よりも活発になったという。キッチンの奥にロフトが設けられている。キッチン前から見る。ダイニングの奥に畳のスペースがつくられている。キッチンからも豊かな緑を眺めることができる。エントランスの上部、キッチンの外側につくられたベランダ。この場所でバーベキューをすることも。ダイニングからベンチがぐるりとめぐりベランダ近くまで続く。壁・天井には土佐和紙が貼られている。逗子という土地を選んで東京から越してきた老子一家。8月にこの家での暮らしが1年を迎えるという。「もともと外が好きでよく外に出るんですが、越してきてからさらにすぐに外に出るようになりました」という老子さん。夜はエントランスの上部につくられたベランダに出てコーヒーをよく飲むという。「ほんとうに想像以上の家に住めて楽しいし、楽しんでいます」との言葉からは、「この地での家づくりは大成功だった」との思いがにじみ出ているように感じられた。縁側であり、また“外にある居間”でもあるような空間。正面ファサード。白壁の部分にはガルバリウム鋼板が張られている。老子(おいご)邸設計acaa所在地神奈川県逗子市構造木造規模地上2階延床面積180.99㎡
2019年07月10日大屋根が印象的な斬新な外観文教都市・浦和の閑静な住宅街。戸建てが建ち並ぶ中、ひときわ大きな屋根が目に飛び込んでくる。小さな家型の平屋と、白くシンプルな2階建ての家を大きな切妻屋根でつないだ斬新な外観である。Yさんご一家がこの家で暮らし始めて2年が過ぎた。「中古物件を購入したため、ここには古い家が建っていました。取り壊して建て替えるにあたり、建築家を探し、出会ったのが井上玄さんです。井上さんの作品は、シンプルで格好よく、奇抜すぎないところが気に入りました。年齢も近く、家族構成も似ていたので、生活のイメージが伝わりやすいかなと思い、設計を依頼しました」。自宅で仕事をするYさんがまず出したリクエストは、仕事場と居住空間を分けたいということ。また、敷地が三方道路に面しているため、庭から子どもが道路に飛び出す危険性を懸念し、子どもが安全に遊べる場所がほしいと伝えたという。その要望を受けて井上さんが提案したのは、仕事場と居住空間を離して配置しつつも大屋根でつなぎ、2階に半屋外空間を造るというもの。これは、子どもたちが自由に遊べる庭であり、ダイニングと一体となったアウトドアリビングでもある。この半屋外空間は地上から約2mの位置に設置し、壁は視線を遮る最低限の高さに設定。開口を3つ設け、風と視線が抜けるようにしたことで、街に対して開放的でありながらプライバシーも程よく守られた心地よい空間となった。「こういう家は全く想像していなかったので、専門家の発想力はすごいと思いました」と、井上さんのアイディアにYさんも脱帽だったようだ。ピンクのレンガタイルが美しい家型の部分はYさんのオフィス、奥の白い家がYさん夫妻と2人の息子さん(7歳、5歳)が暮らす住居スペース。大きな屋根の下に登場したアウトドアリビングは2階に位置する。隣家の緑も借景に一役。玄関を開けると、土足で上がれる階段がある。昇りきったところからアウトドアリビングに出ることができる。アウトドアリビングへの出入り口手前、階段脇にあるシューズクローゼット内に洗面台を設置。部屋に入る前に手が洗えて衛生的。譲り受けたレンガタイルピンクのレンガタイルが印象的な家型の平屋部分はYさんの仕事場。「雑誌を見ていて、このレンガタイルを使いたいと井上さんに相談したら、そのレンガタイル会社の社長と連絡を取ってくれて会わせてもらえたんです。交渉の末、“中途半端に余っているものなら売ってもいいよ”と譲ってもらえることになり、オフィス部分や住居スペースの一部に使っています。全部レンガにするよりも、ポイントに使うことで、かえってかわいい感じに仕上がりました」。2階のダイニング・キッチンとアウトドアリビングの床は、譲り受けた白化粧タイルで統一。大屋根裏の軒天と屋内の天井はロシアンバーチ材を使用し、床とともに一体感を演出している。グリーンで彩られたオフィスへのアプローチ。シンボルツリーのアオダモは、夜にはライトアップされ、美しい葉の影が軒天に映し出される。色関係の仕事をするYさん。仕事柄、照明は大事とのことで、オフィスをはじめすべての照明は専門家にお任せした。作業台として使用しているのは、カール・ハンセン&サンの「PK52」。オフィスの扉は井上さんのデザイン。ドアに取っ手や鍵穴がなく、まるで窓のよう。フレームに手をかけて開ければよいのだが、どうやって開ければいいか、迷う人がほとんどだそう。フィンランドのガラスアーティスト、オイバ・トイッカのロリーポップシリーズがズラリ。バードシリーズ(右)は、住居スペースにも大小の鳥たちが置かれていた。オフィスにはミニキッチンやトイレ(左)も完備。右奥の階段から住居スペースへ。ダイニングから一続きのアウトドアリビング。床は白化粧タイルで統一。ダイニングテーブルは自作、ダイニングチェアはカール・ハンセン&サンの「CH88」。子ども用の椅子は、最初茶色だったストッケの「トリップトラップ」をYさんがペインティングした。ホコリをためない部屋造り「ホコリがたまりにくく、掃除がしやすい家というのもテーマのひとつ」というYさん。各部屋、ホコリ対策も万全である。家具はなるべく造作にし、ファブリック類は極力使用していない。キッチンには、吊り戸棚を設けず、キッチンボックスを造作。収納する家電のサイズを全て図り、ぴったり収まるようにした。2階のダイニングから、存在感を究極まで抑えた極薄の鉄の階段を上がると、2.5階にあたるリビングフロアに。ホコリがたまりやすいソファを避け、フリッツ・ハンセンの「PK22」や柳宗理の「バタフライスツール」を置いた。ダイニング同様、レザーや木にこだわり、さりげなく名作たちを配置している。また、掃除機がかけやすいフローティングタイプの壁面収納には扉を付け、エアコンも収納の中に。ホコリ対策を徹底している。畳の小上がりは、子どもたちがゴロゴロできるスペース。「最初、和室のキッチン側の建具はなかったのですが、住み始めてから心臓が飛び出るくらい危険だと感じ(笑)、慌てて自身がデザインしたものを取り付けてもらいました」。真っ白でシンプルなキッチン。カーブを描いた入り口がかわいらしいキッチンボックスには、冷蔵庫をはじめとした家電から食材、食器、給湯器類のリモコンまで収納。天窓からの光がスツールを美しく照らしていた。ダイニングからリビングへ上がる階段は、「できるだけ薄くしたかった」と踏板に鉄を使用。蹴込み部分は強度のためにやむなく半分設置した。手すりは1本のラインでつながっているようなイメージに。2.5階のリビングから2階を見る。床の白化粧タイルと天井までの大きな開口が明るい空間を印象づける。Y邸の家具は木とレザーが中心。奥の窓からシンボルツリーがのぞく。腰掛けるのにもちょうどよい和室の小上がり。無印良品の家具の上に設置された建具は、Yさん自らデザインしたもの。収納は扉を付け、ホコリの侵入を防ぐ。エアコンも収納し、使用するときには扉を開けられるようになっている。動線を考え尽くしたスキップフロアキッチンから数段降りた1.5階には、サニタリールームと家事室がある。このフロアはテラスの物干しスペースと同じレベルでつながっているため、洗濯後、すぐに干すことができて便利。また、洗面台の下には、以前から使用していた衣装ケースのサイズに合わせた収納を設置。洗濯物を取り込んだら、作業台でたたみ、そのままケースに収納と、家事動線に無駄がない。また、「こういうのがあったらいいな、という妻の発想から生まれました」というのが、サニタリールームと家事室をしっかり仕切ることができるパネル。シーツなど大きな洗濯物を乾燥させるときには閉め切ったほうが効率もよい。また急な来客時などは家事室の目隠しとして重宝しているという。家事室の下には、約8畳の床下収納室がある。「仕事で使用する資材をたっぷり置けるスペースがほしい」というYさんのリクエストだったが、期待以上に広いスペースが確保でき、プライベートのものも充分に収納できるという。さらに、半階下の子ども部屋は将来2つに区切ることを想定。現在置かれたベッドには、転落防止のためにかわいらしいパネルが張られている。これはYさんがDIYしたもの。大きな板をホームセンターで購入し、カーブを描いたデザインに切断。淡い色を塗り、子供らしく楽しい雰囲気を盛り上げている。そして、奥の階段を上がるとYさんのオフィスにつながる。居住スペースとの程よい距離感がYさんも気に入っているという。洗面室から洗濯機などが見えないように置いた。右側のドアから大屋根の下に出ることができ、物干しスペースに。奥の下がったところが物干しスペース。壁により、道路から洗濯物が見えない設計に。夏は子供のプールスペースとしても活用。サニタリースペースと家事スペース。作業台を広くとっている。作業台の下には衣類を収納。衣装ケースのサイズに合わせて造作した。洗面室と家事室の間のパネルを閉めると、完全に仕切ることができる。約7畳の子ども部屋。将来は2部屋に区切れるようにしている。ベッドまわりはYさんがDIY。仕事で使う資材を中心に収納した、床下収納室。高さ140cmで約8畳のスペースは広々とした空間。子ども部屋がコンパクトなため、子ども部屋の前に約3畳のウォークインクローゼットを設置。遊び場がたくさんあり、子どもたちも大喜び。家まわりもオシャレに美観にこだわるYさんは、エクステリアも妥協しなかった。玄関前の駐車スペースには、直径を変えた円を描き、その隙間に芝や花を植えた。また、人通りの多い道路側には季節によって表情が変わる花木をセレクト。Yさんの街へ緑を提供する視点や遊び心が、道行く人の目を楽しませている。「近所の方に、いつも楽しませてもらっていますよ、と声をかけていただくと嬉しくなりますね。2階のテラスもそうですが、子どもと一緒に植物の名前を覚えたり、グリーンを植えて育てたりする時間は豊かな気持ちになれます。これからもそんな時間を大事にしていきたいですね」。Y邸のインターホンは最低限のボタンのみ表に出したデザイン。表札もシンプルにかっこよくと、Yさん自ら彫った。トイレにも木をさりげなく使い、アクセントに。照明が美しい。2階のテラスまわりにはプランターが置けるスペースを確保。水をあげると、下の植栽にもかかるようになっている。幼稚園や駅に向かう人が行き交う道路側の植栽。花などを話題に近所の方たちとのコミュニケーションの場でもある。三方道路に囲まれた敷地。駐車スペースに施した円が軽やかな気分にさせてくれる。「福島の田舎育ちなので自然が大好き」というYさん。グリーンに囲まれ、読書やティータイムを過ごしてリフレッシュ。Y邸設計株式会社 GEN INOUE所在地埼玉県さいたま市構造木造規模地上2階延床面積138.61㎡
2019年07月01日ライフスタイルと両立する家「100年経っても色あせない家をつくりたいと最初にお伝えしました」。こう話すのはKさん。「シンプルで普遍的なものであり、かつ、家具なども含めた自分たちのライフスタイルと両立する家にしたい」。そんなことも最初の打ち合わせ時に建築家に話をしたという。奥さんが「それと“ガレージがほしい”“家族の気配が感じられるつくりにしたい”あと“開放的な間取りにして、できたら風の流れも意識してつくってほしい”というのもはじめにお話しをしました」と補足する。1階のリビング。テラスの右手にダイニング・キッチンがある。西海岸の空気感も感じられる室内の素材は素朴で素材感の感じられるものが選ばれ、また、さまざまな素材を使いながらも全体としての調和が図られた。設計者にとって施主のライフスタイルを考慮するのは家づくりにおいて必須だが、Kさんは自身、経営する会社でファッションを軸に食や住も含めたライススタイルの提案を行っていて人一倍ライススタイルへの思いは強い。そこで建築家の井上さんはこのKさんの「生活の中に入っていって」設計のための事前調査を行ったという。「井上さんは、僕がどんな本を読んでどんな曲を聴き、またどんな絵を飾っていてどんな食器で食事をしているのかをすべて調べた上で、それを彼の中で進化させたものを提案してくれて」1階リビング。左手にテラス、奥には階段室がある。ベイマツの梁とスチール梁との組み合わせ・対比がデザイン的にとてもうまくきいている。リビングの壁に設置された棚にはKさんがアメリカを中心に世界各地を旅して集めた種々さまざまな小物が置かれている。テラスに開かれたL形プラン「家もものづくりなので設計者と施主がセッションしていかないとダメだと思う」とも話すKさん。夫妻との“セッション”を重ね、徐々に現在のL字形の平面の周りに4枚のコンクリート壁を置く案が出来上がっていった。テラスに面した部分だけは全面開放に近いつくりとし壁は設けていない。コンクリート以外の部分で木造を多用し、木の梁にさらに鉄骨の梁を組み合わせた特徴的ともいえるつくりも、K夫妻とのセッションを経て井上さんが導き出したものだ。「西海岸のカジュアルなファッションを扱うところから仕事をスタートされていて、Kさんがそういう世界観がお好きだというのはわかっていました。ただその一方で以前うちの事務所でつくったコンクリート住宅のテイストもお好きということで、それにライススタイルも考えあわせたうえで提案をしました。Kさんから見せていただいた写真の中には西海岸の住宅のものも当然ありましたね」奥にこの部屋のために製作されたオリジナルスピーカーの置かれたリビング。天井をやや低めに抑え落ち着いた色合いのこのスペースはしっとりとした大人の空間。居心地の良い距離感「部屋の間の仕切りがなくて行き来がスムーズ」(奥さん)というのはオープンなスタイルが好まれる西海岸らしい部分かもしれない。リビングとダイニング・キッチンのある1階ではテレビボードの壁以外にはスペースを仕切る要素がない。この壁はダイニングとリビングをゆるく仕切っていて「なんとなくいることはわかるみたいな感じの居心地の良い距離感」(奥さん)をつくり出している。コンクリートでつくられた1階のテラスがまた「行き来がスムーズ」という感覚をつくり出すのに大きく寄与している。リビングとテラス、またダイニングとテラスの間で気軽に出入りすることができ、テラスを経由してのリビングとダイニングとの行き来もとてもスムーズなのだ。「とってもいいですね、あそこは」と奥さんが話すこのテラスは、もちろん、配置、スケール感、緑との関係などがしっかりとつくりこまれていて家族5人がのんびりとくつろげるスペースとなっている。ダイニング・キッチンから緑の美しいテラスを見る。緑はSOLSOのプランニングをもとに実際に畑で実物を見て選んだものが植えられている。ダイニングからリビングを見る。中からも行き来できるが、テラスを通っても気軽に移動できる。井上さん(左)とK夫妻。緑に囲まれたテラスでの集まりは自然と話が弾む。リビングからテラスを見る。ダイニング・キッチン部分の梁がそのまま外へと突き出して庇の下まで続く。手前はイームズのラウンジチェアとオットマン。Kさんはここで音楽を聴くことも多いという。左の収納には冷蔵庫が入っていて、テラスにいても気軽にビールを取り出せて便利という。ベンチ回りは数人で話をするのに小さくも大きくもなくちょうどいいスケール感。リビングの上は主寝室とウォークインクローゼット。右に置かれているのがアカプルコチェア。ダイニングからテラスを見る。リビングからテラスを見る。テラスのベンチの後ろには道路に下りる階段が設けられている。帰宅後のクールダウンにこの家に住み始めてから1年ほど。Kさんが「あそこが僕の指定席です」と指差したのはテラスに置かれたアカプルコチェア。「いつも夜の11~12時くらいに帰ってきてあのチェアに座って30分くらい音楽を聴きながらクールダウンするんですが、そのひと時がとてもいいですね」奥さんも「気に入ってるのはやはりテラスですね。夜は夜で、リビングのソファのところからテラスの緑を見ているとほっとする」と話す。また「緑も心地いいですけれど、光の変化というものもあって都心のわりには四季を感じ取ることができて気に入っています」とも。ダイニングからキッチンとテラスを見る。キッチンとテラスの間では食べ物、飲み物のやり取りが容易に行える。コンクリートの壁は出目地になっていて、光の当たり具合でさまざまに表情を変える。「壁そのものがアートになっているって素晴らしい」とKさん。1階の階段近くの壁にかけられているのはイームズがデザインした「レッグ・スプリント」。裏に照明が仕込まれている。階段途中からイームズのアームシェルチェアを見下ろす。開口を通して見える緑もSOLSOのプランニングによるもの。トイレもミニギャラリーとの思いで置くものすべてに気を配っている。2階の階段上はトップライトになっていて1階に下る階段を明るく照らす。2階。左手奥に主寝室。右に子ども部屋が3つ並ぶ。このうちは最高だよねKさんも「このテラスは都心にいながら鳥のさえずりも聴こえるし、太陽も空も見えるし、スノーインサマーの花が咲いたりと、そういった日々の変化も含めていいですよね」と話す。「3日にいっぺんは“このうちは最高だよね”って言っている」というKさん。建築好きの友人がたずねてきたときに「あーっ、アメリカの解釈ってこういうものもあったんだね」と言われたそうだ。アメリカのデザインやライフスタイルをそのまま移入するのではなく、井上さんとのセッションを経て、さらに家具や小物、さらに照明などで自らの世界観も表現してここにしかないオリジナルな空気感を創り出したKさんにとって、思わず膝を打った言葉だったのではないだろうか。地下1階の玄関側から奥のギャラリーを見る。正面が玄関、左にガレージがある。階段の厚みは「もう少しシャープにしたい」というKさんの希望で少し薄くした。夜にはネオン管を使ったアート作品で「すごく色気のある空間になる」という地下1階奥のギャラリースペース。「ここでお茶を飲みながら話をしてから1階に上がってまた違う空間を楽しんでもらう」というストーリーも考えられたという。玄関入ってすぐのギャラリースペース。ギャラリースペースの外部には大きなサボテンが置かれていて意外性の演出も。Kさんが「アメリカの普通の家のガレージみたいにモノをいっぱい突っ込んでおもちゃ箱にしてある」という地下1階のガレージ。地下2階の書斎。ゲストルームとしても使用できる。道路から見た外観。コンクリート、石、木の素材感の対比が生きている。右に白い花が咲いているのが見えるのがスノーインサマーの木。右の木の部分が地下1階のガレージ。テラスで話し込むKさん(右)と井上さん。K邸設計井上洋介建築研究所所在地東京都世田谷区構造RC造+S造+木造規模地上2階地下2階延床面積297.92㎡
2019年06月24日白い箱をデコレーション生まれ育った都心にある家を、3年程前に建て替えたWAKOさん。「どうしたら楽しく過ごせるかということをいちばんに考えて、希望を設計士さんに伝えました」。こだわったのは生活動線を考えた間取りと、床のタイルに壁の素材。細かなところは余白を残し、瀟洒な白い箱が完成した。「初めはキッチンやバスルームなど、必要なもの以外何もない空間でした。暮らしながら2年くらいかけて完成してきた感じです」。必要な棚やディスプレイスペースなどは、実際に住んでみながら、欲しいものを設置してひとつずつクリア。シアトル、中国、ボリビアなど、世界各地に暮らした経験が育んだ感性が白い箱を彩っていった。大きな開口を開け放てば、リビングとテラスが一体に。南側から明るい日差しが室内まで入り込む。リビングの床には適度なムラと質感のあるタイルをセレクトした。大きなバスケットを愛用するWAKOさん。食材をたっぷり入れ、カゴごとキッチンに移動して調理に取りかかる。動線を考えて快適に「快適な暮らしを考えたとき、私の場合まず自分の生活まわりを完結させたいと思いました。そこで1階に自分のベッドルームとバスルーム、2階に子供たちの部屋とバスルームをそれぞれ設けました」。家族共用の玄関と接続する形で、WAKOさん専用の玄関もベッドルームに設け、クローゼットで身支度を整えたらそのまま外出できるスタイルに。クローゼットも両サイドから出入りできるなど、動きやすさを確保している。「自分の生活まわりを一体化させることで、ストレスが減りましたね(笑)。子供たちもお掃除など、自分のことは自分でする習慣を身につけてくれています」アメリカ製のクイーンサイズのベッドは、毎朝ベッドメイクを欠かさない。「そうすることで心地よくいられるんです。毎日の習慣にしてしまえばそんなに苦にも感じません。使ったら必ず片付けることを心がけているので、逆にお掃除も楽ですよ」。ベッドヘッドの向こうにクローゼット、水まわりを配置し、ホテルのように動線をつなげた寝室。「ここは夢みる感じにしておきたいと思いました。1日の中で長い時間を過ごす場所なので、ベッドやリネンにはお金をかけていいと思うんです」。建築当初はなにもなかったクローゼット。使いたい収納ボックスや衣類の収まりを考えて、後から棚を作っていった。クローゼットの片方の入り口には仕切りを設けて、部屋側から中が見えないように。仕切りの裏側にも棚を取り付けて収納に活用している。古い木製の台にシンクを取り付けて洗面に。扉などは後から設けた。ベルギーの照明などをアレンジしたコーディネートが見事。ベッドルームに接続してバスルーム、そしてお風呂上がりに涼むことができる小さなテラスも。ガラスのキャビネットには気分で選べるようバスソルトを数種類スタンバイしている。家の中に景色をつくる「20代前半はアメリカで暮らし、日常生活にキャンドルを欠かさないことなど、生活を楽しむことを知りました」。というWAKOさんが望んだのは、テラスでゆったり時間を過ごすこと。「プロバンスの静かな時間の流れ方が好きなんです。緑に囲まれたテラスを設けることも、当初からの希望でした」。大きなガラスの引き戸は壁面にすべて内蔵することができ、開け放てばリビングとテラスが一体に。オリーブやユーカリの緑、ミモザの黄色が鮮やかに目に飛び込んでくる。「あちこち旅をしてきて、最近は旅先では暮らすように過ごしたい、でも家の中では旅をするように暮らしたい、と思うようになりました。どこを見てもいいなと思えるように、家の中に景色をつくっておきたいですね」。海外から輸入した家具や、旅先で見つけた雑貨、小物などでコーディネートされた室内は、洋雑誌の世界のよう。「30代になったとき、やっぱり私が好きなのはヨーロッパだなと気づいたんです。白、ベージュ、グレーをテーマカラーにまとめるのが落ち着きますね」。ミモザの花が美しく咲き乱れるテラスでは、ブランチやアペリティフを楽しむ。インドネシアから輸入したベンチ、バリで購入した雑貨など、年代を感じさせるものでコーディネート。テラス前のリビング。奥のソファーは空間のサイズに合わせてオーダーしたもの。アウトドア用のファブリックで、ワインなどをこぼしても汚れが残らないそう。大きな鏡をしつらえた玄関。暗くなりがちな場所なので、ドアにはガラスを用いて光の通り道を確保した。脇にはWAKOさん専用のドアもある。エイジング加工されたキャビネットは、ノブをWAKOさんが付け替えた。手間をかけることも忘れない。キャンドルと花、植物のコーディネートを欠かさない。「1輪差しをアレンジするのが気に入っています」。キッチンを中心に家族が集うテラスで育てたローズマリーを料理に使ったり、ミントでゼリーを作ったり。料理することと食べることが大好きで、いちばん長く時間を過ごすキッチンは、特にこだわった場所。「家の中心なのでオープンにしておきたいと思いました。広いスペースを確保したので、シンクは2カ所つけましたが、1カ所は食器洗い、もう1カ所は野菜洗いにと使い分けられて便利です」。家族との食事も、ビュッフェ式のパーティーのときも、カウンターキッチンが役立つそう。「作りながら食べるのでカウンターは重宝しています。外食はほとんどせず、家でちゃんとテーブルセッティングをしていただくのが、子供たちも好きですね」。仕事をしながら3人のお子さんを育てるWAKOさん。夕方16時頃から調理にかかり、手の空いた時間にテラスでワインなどを飲みながら、お子さんたちの帰りを待つ時間がいちばん好きなのだとか。「どこかに行っても、やっぱりうちがいちばんいいな、と思いますね。好きな風景に囲まれて、どこよりも居心地がいいんです」。アメリカのメーカーのキッチンを採用。収納力に余裕があるので吊り戸棚はつけず、ディスプレイを楽しんでいる。大きなカウンターテーブルは料理をしながらサーブができて便利。シンクのひとつは窓際に。庭の緑を眺めながら洗いものができる。奥はパントリーと仕事用のストックルーム。ワインラックは塗装とエイジング加工を施した。お子さんと料理をしたり、家で過ごす時間を大切に考えるWAKOさん。セレクトショップKOKOROの元オーナーで、現在はライフスタイルプロデューサー。wakoinc.jpではお花の毎月便やブログをアップ。インスタグラムは@wako_world
2019年04月01日古き良き時代、英国貴族の中には田舎で農業やハンティング、フィッシングなどをして暮らしながらも、いざ国家に一大事が起きたときにはすぐにロンドンに駆けつけ、国の為に尽力を尽くす。そんな精神からも、紳士として研ぎすまされた人たちが居た。それがカントリージェントルマン。そんな紳士の日常をお手本に、まずはキャンプや釣りなどに適したアウトドアスタイルを取り入れる事から挑戦しよう。 Outdoor釣りはディテールがかっこいいスタイが多い。おしゃれなアイテムが気になる。今年の秋は、形から入ってみるのもアリかもしれないです。 FILSON用途に沿った多様なポケットが嬉しい特徴。肩のシープスキンパッチにはフライを引っ掛けて。フィッシングベスト¥37000/FILSON(アウターリミッツ) 合わせがフック形状の、本格的なフィッシング仕様のコートは本物の紳士にも自慢できそう。フーデッドコート¥27500/FILSON(アウターリミッツ) いつもの防水ハットをクラウンシェイプに替えれば、スタイリッシュな紳士のフィッシングスタイルが叶う。 ハット¥9500/FILSON(アウターリミッツ) LAVENHAMブランドならではのキルティング素材が軽くて動きやすく、ツイード生地が冬場の冷たい風にも対応してくれる。コート¥65000/LAVENHAM(渡辺産業プレスルーム) 日本野鳥の会おなじみ『日本野鳥の会』のオリジナルブーツ。思い切ってバードウォッチングを始めてみるのも新しい。ブーツ¥5400/日本野鳥の会 Barbourまさにフィッシャーマンが着るべき柄シャツ。時間に追われて海にも川にも行けないあなたに。シャツ 各¥21000/Barbou(ブルーダン新宿店) マフラーは、アウトドアシーンには目立ちすぎず地味すぎない、ほどよい色味の柄モノが1点あると重宝する。マフラー¥9000/Barbou(ブルーダン新宿店) Patagoniaアウトドアブランドらしい機能を活かしたレイヤリングを極めよう。ジャケット¥22000、中に着たジャケット¥28000/ともにPatagonia(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス) MHL.紳士のたしなみのひとつ、靴下。今の時期ならロングタイプをチョイス、タイツと合わせて新しんで。ソックス 各¥4000/MHL(. アングローバル) Bicycle車もいいけど、秋なら、紳士淑女に愛される気軽で頼もしい乗り物、自転車がオススメです。少し冷たい風を切って、紅葉の街を自転車で走る時も、ジェントルマンを意識して。 2009年にロンドンで始り、東京でも定着しつつあるイベント「ツイードラン」。紳士らしさを追求するなら、英国伝統ブランド《パシュレイ》のクラシカルなブラックカラーのバイクを手に入れたい。紳士のスポーツ素材としてお馴染みのツイードを用いたアイテムを身に纏い、愛車で街を駈けぬける様はまるでクラッシック映画のよう。 自転車¥120000/Pashley(ブリティッシュ メイド 青山本店) onkul vol.2より
2018年10月11日