うつ病など精神疾患と診断される患者数は年々増加しており(参照元:厚生労働省)、ここ数年でメディアでも頻繁に取り上げられるようになった。メンタルヘルスという言葉を耳にする機会は増えたのではないだろうか。しかし、世間の人々が精神疾患に十分な理解をしているかということには疑問が残り、精神疾患や深刻とまではいかなくても心の不調を抱えている人が自身の事情をオープンに他者に語れる環境が整っているとは言えない。今回、カウンセリングや薬の服用経験のある3人に、経験したからこそ語れる、「こういう接し方をしてほしい」「どういう言葉をかけてもらえれば気が楽になるか」など、周囲の人に対するリアルな本音を聞いてみた。そして、彼らの体験から精神疾患に対する理解とオープンな環境とは何かを考える。ナガシマさん(23)学生の頃、なんだかんだ1年ぐらいカウンセリングに通ってたけど、うつ病=現代病っていうような意識だったからカウンセリングに行くことに抵抗なかったし、家族が良さそうな病院や評判のいい先生を探してくれたから意外と身近なものだったと思う。家族は理解してくれて、私の生活にあまりストレスがかからないようにしてくれてたんだけど、周囲の目は少し気になっててカウンセリングに通っていたことは友達には話してなかった。それに誰かに相談すると説教されることが多くて、あまり攻めないでーってなっちゃうから。だから自分の状況を人に話して仕方ないよねって言ってもらえると気が楽になれたし、逆に、普段明るく振る舞うタイプだから人に話せないことの方が多くて、悩みなさそうだね、みたいな言い方されるとすごく嫌だったんだよね。当時、不眠症にもなってたから朝起きられなかったし、ずっとぼーっとしちゃって頭に何も情報が入らなかった。大学では理解してくれる教授もいたけど、不眠症=夜遊びって考える教授もいたからきつかったかな。こーたさん(31)自身の経験を話してくれた彼らのように、学業や仕事をこなしながらカウンセリングへ通い、精神的バランスを整えようとする人は少なくない。学校や仕事に取り組む人から社会生活を送ることが困難な人まで、悩みやストレスの原因と程度は人によって様々であり、例えるならば異なった色をもつグラデーションなのだ。精神的に健康な人、不健康な人と2つに分けるのではなく、もっと一人ひとりの気持ちに耳を傾ける必要があるのではないか。また、理解をしてもらえるだろうかという不安から周囲に相談することに抵抗を感じたり、頼るということが下手な人だっている。実際に、今回インタビューに応じてくれた3人は周りの人に本音をなかなか言い出せなかったことや、打ち明けても理解のない言動を受け取ったことなどを語っている。彼らが日々の生活で接している、家族や友達、職場の身近な人々から否定的な言動を示されたら、それはますます彼らを追い込むことになる。自分で感情をコントロールすることが苦手だったり、ストレスに打ち勝てない人は弱い人間なのだろうか。ネガティブな感情と向き合い、それを乗り越えようとする彼らは本当は強い人間かもしれない。理解し寄り添う態度こそが、彼らのような人々が精神的健康を取り戻すのに大切なのではないだろうか。落ち込んでいる人に対して否定したり突き放すような言動をしてしまった経験はあなたにもあるかもしれない。でも自分がもし彼らのような状況に陥った場合にどうしてほしいと思うだろうかと考えてみてほしい。それが身近な人々からのサポートが重要なものであるという意識を高めることに繋がっていく。自分の周りに少しでも落ち込んでいたりストレスや悩みを抱えている人がいたら声をかける、という一人ひとりの行動がオープンな環境を作るのだ。Text by Shizuka KimuraーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「障がいは個性」。発達障がいを抱える栗原類にきいた、日本社会が変えるべき“障がい者への誤った認識”。 ニューヨークで1851年に創業し、165年以上の歴史をもつスキンケアブランド、キールズ。「利益を得るためだけではなく、住民や企業、そして地域社会をより良くするために貢献すること...
2017年10月09日多くの女性が坊主の男性を目にした時、手入れをする必要がなくラクそうだと思ったことが一度はあるのではないだろうか。長い髪に煩わしさを感じながら生活している女性も少なくないはずだ。もし坊主にしてみたいと思ったら、女性だってしてもいいはず。坊主=男性の髪型ではない。 最近はショートヘアの女性も増えているが、髪型によって性別を判断することは多いだろう。 短い髪が男性らしさを表し、 長い髪が女性らしさと思う人もいる。髪の毛は女性らしさの象徴なのだろうか。成人男性に魅力的だと思う女性の髪の長さを聞いた調査ではやはり、ロングという答えが第一位だ(参照元:マイナビウーマン)。確かに、長く綺麗な髪はその人を魅力的に見せてくれるだろう。それゆえ、多くの女性が自分の髪を念入りにケアする。目につきやすい髪型は性別を表すものであるかのように思われているかもしれない。しかし、それは文化の中で作り上げられてきた性別への固定観念なのだ。髪型というのは自分の印象をガラリと変えてしまうほど、影響力の大きいものである。しかしだからこそ一度、その影響を取り除いてみることもありなのかもしれない。坊主にすることで、髪型に向いていた意識が自身の他の特徴に向けられるようになるということもある。また、今までかかっていた時間もお金も使わずに済む。さらに、坊主になったことでウィッグで遊びやすくなるというような新しい楽しみ方ができるだろう。性別に左右されず、もっと好きな髪型をしてみよう。髪型で性別は決まらない。髪型を変えるという行為は小さなことかもしれないが、社会の決められた無意味なルールに反しているという意味で大いなる反抗でもある。髪型を変えることでライフスタイルも大きく変わり、新しい価値観が自身に芽生えるかもしれない。Photo by Sorelle AmoreText by Shizuka Kimura ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!13人目:「批判されてもカミングアウトするべきだと思った」5歳の弟に人気ユーチューバーがゲイだと打ち明けた理由|Bi が選ぶ今週のGOODTUBER(グッチューバー) 世界最大の動画プラットフォームYOUTUBEでは、誰もが驚くような挑戦をするところを発信したり、自分の考えや生活を発信したり、動画を通じて世界中の人たちと繋がることができる。そ...
2017年09月16日さいたまスーパーアリーナで2日15時、国内最大規模のファッションイベント「マイナビ presents 第25回 東京ガールズコレクション 2017 AUTUMN/WINTER」(以下TGC)が開幕。モデルの香里奈、山田優、土屋アンナが3ショットでトップステージを飾った。記念すべき25回目のTGC。今回、TGCを牽引し続けるモデルとして、香里奈、山田優、土屋アンナがトップステージを務め、華やかに幕を開けた。3人はミリタリー風衣装で登場し、山田と土屋は途中でコートを脱ぎ捨て、香里奈もコートを開いて美脚を披露。土屋は美尻も大胆露出し、観客を圧倒した。TGCは、「日本のガールズカルチャーを世界へ」をテーマに2005年8月から年2回開催されている国内最大規模のファッションイベント。25回目となる今回は、「その向こうへ」を意味する「BEYOND」をテーマに、さまざまな"BEYOND something"(今を超えてゆく最旬なコンテンツ)とともに新時代の東京のガールズカルチャーを発信する。ファッションショーでは、岡田結実、大政絢、藤田ニコルら人気モデルが集結し、白石麻衣、西野七瀬ら乃木坂46のメンバーや、欅坂46の渡邉理佐、渡辺梨加もモデルとして出演。アーティストライブでは、BIGBANGのボーカル・D-LITEと、EXILE USA、EXILE TETSUYA、Dream Shizukaからなるユニット・DANCE EARTH PARTYが登場する。また、ゲストとして大ブレイク中の俳優・竹内涼真や、お笑い芸人のおばたのお兄さんらが出演。映画『トリガール!』(9月1日公開)で主演を務める女優の土屋太鳳、俳優の間宮祥太朗らも登場する。なお、MCはお笑いタレントの陣内智則が務める。
2017年09月02日史上最大級のファッションフェスタ「マイナビ presents 第25回 東京ガールズコレクション 2017 AUTUMN/WINTER」(以下TGC)が9月2日(土)、さいたまスーパーアリーナにて開催。メインモデルに香里奈、土屋アンナ、山田優、水原希子ら豪華モデルが集結し、華々しくランウェイを闊歩し、開幕した。2005年8月から年2回開催、今回で25回目の開催となる「東京ガールズコレクション」。毎年、人気モデルが集結するファッションショーをはじめ、旬のアーティストによるライブや話題のゲストが登場するスペシャルステージなど、TGCならではの豪華ステージで繰り広げられ、観客を魅了する。今年のテーマは“BEYOND”。世界からTOKYOへの注目度が高まるいま、そしてその先の日本のガールズカルチャーを世界に向けて発信すべく、「その向こうへ」という意味を持つ“BEYOND”が掲げられた。またテーマを象徴するキービジュアルは、 写真に刺繍を施すという独特な手法で人気を博す、人気アーティスト・清川あさみ氏が手掛けた。今回、最初のステージではTGCを支え続けてきたレジェンド級モデルの香里奈、土屋アンナ、山田優が、3人揃って華々しく登場!堂々たるウォーキングは圧巻!会場のボルテージを一気にMAXまで引き上げた。記念すべき25回目を、その存在感だけで見事に祝福するようだった。続けて、水原希子、中条あやみ、玉城ティナ、ローレン・サイ、emmaら最旬モデルが続々と登場。記念すべき25回目となる本TGCの幕開けを彩った。山田さんは「25回目おめでとうございます!」と祝い、1回目から出演している思いをふり返り、「毎回出演する度に、皆さんからパワーをもらっている」とコメント。香里奈さんも「毎回が挑戦」と話し「今回もみんなに楽しんで欲しい」とアピール。また土屋さんは「お客さんが来てくれるから…本当にみなさんありがとうございますー!!」と観客を盛り上げ大歓声を浴びた。本日はこのあと、アーティストには、海外アーティスト史上初の快挙となる5年連続日本ドームツアーも発表した「BIGBANG」のボーカルで、ソロ活動初のドームツアーも大盛況のうちに幕を閉じたD-LITEや、元「EXILE」 USA、「EXILE」TETSUYA、Dream Shizuka からなる「DANCE EARTH PARTY」のライブも予定。ゲストには人気若手俳優の桜田通、初登場となる柳俊太郎、人気原宿系モデルのゆうたろうに加え、竹内涼真、土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙、渡辺直美…と映画にテレビに大活躍の面々も出演予定。(text:cinemacafe.net)
2017年09月02日公共の場は誰のものなのか?日本では道路沿いのカフェでお茶をすることや、外でくつろぐことは誰にとってもごく日常的なことだが、それが当たり前にできない地域があることを知っているだろうか。南アジア地域では公共の場において男性優先の傾向があり、文化的基準や安全性が確保されていないことなどの理由により、女性やマイノリティの人々が外で楽しく過ごすことが制限されている。多くの女性やマイノリティの人々はそのことに息苦しさを感じている。@WajahatAli Please support and share our campaign for a #DhabaForWomen in #Karachi! pic.twitter.com/jtwKCAzJJU— Girls at Dhabas (@girlsatdhabas) 2015年10月24日2016年世界のジェンダーギャップ指数のランキングにおいて、パキスタンは143位(参照元:WORLD ECONOMIC FORUM )で、世界の国の中でも特に大きな男女格差がある。南アジアの文化であるDhaba(道路沿いの大衆食堂)は、公共の場であるにも関わらず、男性優位のコミュニティ空間という見方がされているため、女性やマイノリティの人々はDhabaでのんびりとお茶することができない。しかし今、この現状に立ち向かっている活動がある。パキスタンのカラチから始まった#girlsatdhabasは、女性、フェミニスト、アクティビストを中心としたコミュニティであり、伝統的に女性やセクシャルマイノリティが自由に利用すべきではないと考えられている男性優位なコミュニティの空間においての差別をなくすことを訴えている。#dhabasforwoman というハッシュタグを用いて世界中に男女差別の現状と男女における制限の差をなくす働きかけを行っているのだ。周囲の目を気にすることなくDhabaでお茶したり、歩道をぶらぶらする様子をあえてハッシュタグを通してSNS上で他の女性たちとシェアしている。 さらに、この活動以外にも男性と同じように外でレジャーを楽しもうと#girlsonbikesというハッシュタグが広められている。これは女性が足を開くことがタブーと考えられているカラチでは自転車に乗る女性がほとんどいない事実に大して始まった活動だ。!تمام بہنوں کا دل سے شکریاThank you to all the behens who showed up to cycle today! #girlsonbikes #behenchara #islamabad #karachi #lahore pic.twitter.com/Km4AUQ7Gzu— Girls at Dhabas (@girlsatdhabas) 2017年4月2日SUPPORT #DhabaForWomen– help us challenge gender expectations & build community through chai! pic.twitter.com/4wmDUKyb99— Girls at Dhabas (@girlsatdhabas) 2015年10月12日公共の場とは誰に対しても開かれた場所であり、誰もがそこで安心して楽しむ権利があるはずだ。しかしながら、世界には外でお茶したり、出かけたりするのに恐怖を感じたりや警戒したりしなければならない人々もいる。そこで伝統的な価値観に疑問をもち、世界にハッシュタグを通して発信しながら立ち向かっている人々をBe inspired!はサポートしたい。女性やマイノリティの人たちだけが外で存分に楽しめない現状を文化や安全性の問題によりしょうがないことだと受け止めずに、それを打破しようとするこの活動と、それに加わる女性やマイノリティの人々の勇気は素晴らしいものではないだろうか。#girlsatdhabasでは現在、活動の存在を広げるとともにDhabaをレンタルし一定期間運営することを目標に資金集めを行なっている。この活動を支援したい方はこちら。Text by Shizuka KimuraーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!43杯目:3人に1人がDV被害者のアメリカで始まった学生による「DV被害者の無料の引っ越しサービス」の意義とは。#MoveToEndDV|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 パートナーからの殴る・蹴るなどの「身体的な暴力」、心を傷つけられる言動などの「精神的な暴力」、暴行を用いた性的行為の強要などの「性的な暴力」。これらはどれもDV(家庭内...
2017年08月29日「メイクは女性がするものであり、男性がするべきものではない」近年、国内外のSNSやメディア、広告などでもメイクを楽しむ男性の存在に注目が集まってきている中で、そんな考え方はもう古いのかもしれない。性別の境界線を取り除いて自分を表現し、一人ひとりの個性を大事にする風潮が高まっている。メイクする男性が急増中なぜ男性はメイクをしてはいけないのか?そんな問いに答えられる人はいるだろうか。男性のメイクに対して批判的な人もいるだろうが、それはメイクを女性のものだと決めつけているだけではないのか。自分を表現するためにメイクをする男性がいたっていい。男性もメイクをすることで自分の変化を楽しんだっていいはずだ。そして美しさの追求は誰にだって共通してあるものだ。好奇心から始める人もいるかもしれない。メイクする男性たちは、メイクを女性だけの行為とは考えず、自分たちもしていいものだと考え、自分の個性にうまく取り入れている。アメリカのコスメブランド「カバーガール」は昨年、初めて男性キャンペーンモデルを起用した。ニューヨークを拠点に活躍する17歳のメイクアップアーティストJames Cherles(ジェームス・チャールズ)が起用された理由は、珍しいからではない。美しさに対する信念を持ちながら様々な方法でな自分を表現することを恐れず、美しさとは何かを考えさせる強いインパクトを与えているからだ。she's serving ladies pic.twitter.com/liQePC3q0m— James Charles (@jamescharles) 2017年8月6日メイクをするという行為に性別は関係ない。メイクをすることで自分に自信を持てたり、楽しいと思えるなら誰であろうとしていいのだ。決めるのは自分。スウェーデンのジェンダーニュートラルな教育。私たちは、いつのまにかジェンダーステレオタイプに自分を当てはめるよう行動しているのかもしれない。男だから、女だからという理由でこれはしてはいけないとか、逆にやらなければいけないなどという思い込みは捨てよう。自己表現にジェンダーは関係ないのだから。「ジェンダー」という境界線をなくし、男も女も互いに認め合い、世界を見つめてみれば、今まで見えていなかった世界が広がり、男性のメイクのように多様な表現は増えるのだ。自分の感情に従って、楽しいと思えることや好奇心をそそられることを思う存分にやってみてはどうだろうか?自分という人間をもっと知ろう。自分の「好き」を貫くことで、きっとそれが個性となるのだ。Text by Shizuka Kimura ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「日本に必要なのは美の多様性」。元モデル、現写真家の22歳の彼女が「美の基準」に一石を投じる理由。 フェミニスト、と聞くとどんな人物を思い浮かべるだろうか?もしかしたらちょっと過激なイメージがあるかもしれない。欧米ではだんだんと常識となりつつあるが、日本ではあんま...
2017年08月20日