2022年11月18日 20:00
老化が進むメカニズムを徹底解説! アンチエイジング研究最前線
「ところが中にはテロメアが短くならず、分裂し続ける細胞もいます。その代表が、ガン細胞です。ガン細胞ではテロメラーゼという酵素がテロメアを伸ばして、長い間分裂を続けることが分かっています。この酵素を利用すれば細胞の老化を、つまりは体の老化を防ぐことができるかもしれません。ただしテロメラーゼを活性化することで細胞がガン化してしまう恐れもあるので、慎重な研究が求められています」
2、先祖が確立した生存戦略、サーチュイン遺伝子を起こせ。
約40億年前、まだ人間も恐竜さえも存在しなかった地球に、細胞を持った生命が誕生する。細胞は分裂して数を増やそうとするが、環境が過酷な原始世界ではすぐにDNAが傷つき、細胞は死んでしまう。ところがあるとき分裂よりも傷ついたDNAの修復を優先するよう指令を出す遺伝子が、突然変異によって現れた。
この遺伝子こそ、私たちが現在持っている“サーチュイン遺伝子”の先祖だと考えられている。
「サーチュイン遺伝子はDNAを修復するためのスイッチのようなもので、“長寿遺伝子”と呼ばれています。サーチュイン遺伝子がONになってDNAを修復すれば、細胞の老化やガン化を防ぐことができます。