45歳で白髪染めをやめた。そして、自分の心が喜ぶ生き方を見つけた
見える部分が一時的に染まっただけで、隠せば隠すほど本当の色の存在感が気になって仕方がない。
ただ白い髪というだけで、私はなぜ、自分の髪を愛せないのだろう?
45歳の誕生日、サロンに行く時間がなかった私は、自宅でセルフカラーをしていた。そのとき、私のなかで、何かがプチンと切れた。
いくつになってもうれしいはずの誕生日なのに、私ったら、なんでイライラしながら白髪染めなんかしてるんだろう? 誰のために? 何のために? 白髪って、相手に見せてはいけないほど失礼なものなのだろうか?
――私はこの日のカラーを最後に、白髪染めをやめてしまおうと決意した。
■年寄りに見える恐怖の底深さ
私が白髪染めをやめることができた最大の理由。それは、“若見え”の呪縛から離れられたからだ。
45歳の誕生日に思ったことは、「アラフォー、あわよくば30代に見えることよりも、年齢相応のアラフィフに見えればそれでいい」だった。
アラフィフ……つまりは、50代に見られる可能性だってある。
45歳なのに50代と言われたら、年季の入った乙女心も少しは傷つくかもしれない。でも、そのわずかな年の差に何の意味があるのだろう?
若い頃は実年齢に合った見栄えを手に入れるために染めていたはずなのに、私はいつしか、「実年齢よりも少しでも若く見られたい」