とワクワクしていた。ロリータコスプレショップで服を買い、奇抜な格好と覚えたての下手くそなメイクで、学部の中でも浮いていたように思う。
そんな私に転機が訪れた。当時所属していた合唱サークルに、地下アイドルとメイドをやっている先輩がいた。黒髪ツインテールに姫カット、いつもフリフリの「リズリサ」の服を着てリボンをつけていた。理想の“かわいい”の権化とも言える、神との出会いのようだった。
その先輩の影響でメイド喫茶やアイドルに興味を持ち始め、大学1年生の夏、人気メイドカフェである「@ほぉ〜むカフェ」の面接に合格し、働くことになった。
■憧れの職場で、指名が入らない苦しさ
「@ほぉ〜むカフェ」は私の人生を変えたと言っても過言ではない場所だ。
とにかく、私にとって理想の“かわいい”が凝縮された場所だった。
ここで働くようになって衝撃を受けたのは、芸能人のようにかわいいキャストがたくさんいることだった。チェキやゲームのオーダーは、キャストもお客さんもみんなが見える位置にあるホワイトボードに張り出され、人気のかわいいメイドはオーダーシートが何十枚も縦にならび、その横の不人気の私の名前の下にはオーダーシートはゼロ。