人を惹きつける香りのコツは、戦略的に選んで、適量をつけること【三宅志穂】
標準使用量を超えたら香害注意報
しかし、その一方で、「香害」という言葉が頻繁に耳に入るようになってきました。「香水と違って優しく香り、清潔感があって、香りに気遣う素敵な私が演出できる、しかも価格もお手頃!」という思い込みから、過剰に香り製品を使用する人が出てきてしまったのです。香りを使い慣れていないがゆえの失敗です。
例えば柔軟剤。洗濯のとき、干すとき、洗いたてのタオルに顔を近づけたとき、誰かと至近距離ですれ違ったとき……ほんのりふわっと香って幸せな気分になるように香りが設計されています。
標準使用量をはるかに超えた量を使って、人にしっかり香りを感じさせるように仕上げることは想定されていないのです。
シャンプーなどのヘアケア製品、ボディケア製品も同様で、過剰な使い方は、「プンプン匂う」強さと「良い匂いではない」バランスの崩れた香りの両方で、「香害」を引き起こしてしまいます。
要注意!においの濃度が変わると、香りの感じ方が変わる
さまざまな香り製品は、使用量を増やしたとき、良い香りが同じ香りの質のまま強くなるわけではありません。香りの質のバランスも変わるのをご存知ですか?
匂いを検知する嗅覚の機能はとても複雑です。