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下腹の脂肪を落としたい! 世界中で、この悩みに共感する女性は実にたくさんいることでしょう。私のまわりにいる友人たちも年齢問わず、下腹についた脂肪に悩んでいる人がたくさんいます。
やせている人、標準体形なのに下腹だけ出ている人、全身がっちり体系の人、それぞれに原因はありそうですが悩みは一緒。そこでなぜ下腹部に脂肪がつくのか原因を探ってみました。後半は、下腹をスッキリさせるエクササイズを紹介します。
【監修】
イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生
小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。
■下腹がぽっこりしてくる原因
脂肪の付き方を大きく2つのタイプに分けると、皮下脂肪型と内臓脂肪型に分類されます。前者は主に皮膚と筋肉の間に脂肪を蓄えるタイプ、後者は内臓のまわりに脂肪を蓄えるタイプです。ここでは両タイプに共通する下腹に脂肪がつく原因を紹介します。
参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「皮下脂肪型肥満」「内臓脂肪型肥満」
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▼下腹ぽっこりの原因1:姿勢が悪い・骨盤がゆがんでいる
正しい姿勢を維持しているだけで、基礎代謝が上がり、エネルギー消費につながることは何となくわかりますよね。姿勢が悪いということは、腹筋や背筋がさぼっている状態。つまり正しく使われていない状態です。
国内の計測器メーカーが行った呼気分析実験によると、姿勢によって酸素の摂取量が違うことがわかりました。例えば体重60kgの人が1日30分背筋を伸ばして座っただけで、1カ月で大福1個分のカロリー(約129kcal)が消費されるのです。
同様に骨盤のゆがみもおなかぽっこりの原因になります。骨盤は内転筋群と外転筋群をつなぐ働きをしていますが、バランスよく動かすことによって効率よく筋肉を使うことができるからです。
参考サイト:タニタの健康応援ネット からだカルテ「オフィスでかっこよくキメると脂肪が燃える!?」
▼下腹ぽっこりの原因2:便秘
便秘も下腹部に脂肪がつく原因のひとつです。便秘の原因はさまざまにありますが、その中のひとつに、食習慣の乱れがあります。
農林水産省「食事バランスガイド」によると、成人女性の理想的な副菜の摂取量は350g。そのうち便秘の解消に役立つ食物繊維の推奨摂取量は18gとなっています。パンやパスタなど、好きなものばかりを摂取していると栄養バランスが崩れて便秘になることにも触れています。
便秘になると、おなかに便やガスがたまり、ますますポッコリ下腹が目立つことにもなるの注意したいですね。
参考サイト:農林水産省「食事バランスガイド」
▼下腹ぽっこりの原因3:筋力低下
筋力の低下も下腹に脂肪がつく原因のひとつです。おなかの筋力が低下すると、さまざまな問題が起こります。
例えば、内臓下垂。これは骨盤を支える筋力が弱ることで、骨盤が開き、内臓が下腹に下がる状態です。内臓の動きも緩慢になるので、腸の動きが弱まり便秘になることも。腹直筋と腹斜筋が弱まると正しい姿勢の維持もできなくなります。
▼痛みがある時は念のため病院へ
内臓疾患が原因で下腹部がぽっこりしてくる場合もあります。
私の友人の話ですが、自宅で英語の翻訳の仕事をしていた彼女。下腹が出てきたことを気にしていました。1日中座って仕事をしていることが多く、年末年始の飲み会が重なったタイミングもあり「食べ過ぎたかな?」とエクササイズをしていました。
しかし、改善するどころかどんどんぽっこりに。そんなとき頻尿や下腹部痛がはじまり、婦人科へ行くと子宮筋腫がみつかりました。痛みがある場合は、自己判断せずにすぐに病院へ行くことをおすすめします。