■生理の経血が少ない時は受診すべき?
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▼受診の目安
まず、経血量が少なくても問題のない場合からご紹介しましょう。まずひとつめが、月経が始まって間もない思春期です。初潮を迎えてからの数年はホルモンの働きが未熟なため無排卵性月経になりやすく、経血の量が少ないもの。
小学生や中学生、高校生ならよくあることで、多くの場合、心配することはありませんよ。また、閉経前の数年間も無排卵性月経になりやすいので、経血量が少ないのを気にする必要はなさそうです。
先に挙げた以外で生理の量が少ないと感じている人は、月経周期を確認してみましょう。自分がきちんと排卵できているか、病院で受診する前に自分でもチェックできます。その方法は、基礎体温を測ること。
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排卵前は低温期といって体温が低く、排卵が起こると基礎体温が高い高温期になります。そして、生理が始まるとまた低くなるという繰り返しです。高温期がなく低温期が続くようであれば、無排卵月経の可能性があります。
▼心配な時は受診がおすすめ
経血量が少ない理由が無排卵にあれば、いくら月経のある女性でも妊娠にはつながりません。赤ちゃんが欲しいと思っているのなら、経血量が少ないのは気にかけておきたいところです。
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妊娠を希望している場合や、長期間にわたってそのような状態が続いているのなら、病院へ行きましょう。排卵を起こすため、クロミッドをはじめとする排卵誘発剤を使った治療を行うこともあります。
■生理の経血が少ない時の自分でできる対処法
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▼対処法 1:無理なダイエットなど体に負担のかかることはやめる
女性の心や体はとてもデリケート。失恋や仕事、育児のストレスなど、強いストレスを感じたときに無排卵性月経を引き起こすこともあります。なんと、夏の猛暑が無排卵性月経の原因になることもあるのだとか!
また、ダイエットが過少月経の原因になることも。無理なダイエットをするとホルモンの分泌機能が低下して、無排卵性の月経になってしまいます。
▼対処法 2:生活習慣を整える
生活習慣を整えることは、ストレスに強くなるための生活にもつながります。睡眠をじゅうぶんにとり、適度な運動をし、バランスのよい食事を心がけましょう。
ストレスを受けると、ビタミンCが消費されるのだとか。食事からビタミン類をとることを心がけましょう。
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このほか、下半身の血行を促し、性ホルモンの分泌を促して月経周期を整えるごぼうを食べるのもおすすめ。煮物やきんぴらごぼう、みそ汁などにして食べるといいですよ。
■まとめ
経血が少ない時、その原因が排卵障害にありそうだということがわかりました。裏を返せば、経血の量が少ない過少月経であっても排卵されているなら心配はないということ。「少なくて助かった!」と安心するためにも、ぜひ基礎体温をチェックしてみてください。
排卵の有無を知るために基礎体温を測るのは、妊活中の人がすることだというイメージを持つ人もいるかもしれませんね。でも、自分の体を理解するのに、基礎体温はとても役立ちます。生理日の予測もでき、不快な症状が月経前症候群(PMS)かどうかもわかるので、気が楽になったり、生活しやすくなるかもしれませんよ。
参考資料:
・日本産婦人科医会
・主婦の友社「主婦の友新実用BOOKS 最新版 女性の医学大全科」(監修 女性の健康週間委員会)
・主婦の友社「医者と薬に頼らない! 女性の病気は自分で治す」(著者 石原結實)
・中公新書「月経のはなし」(著者 武谷雄二)
・講談社「卵巣の病気 月経の不調から卵巣がんまで」(著者 上坊敏子)
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