2018年7月26日 11:00
医師提案する「減薬・断薬」へのステップ、体調改善した例も
ほかにも、足がつると来院された女性がカルシウム拮抗薬(降圧剤)をやめたらけいれんの症状が治まりました」
薬の多剤服用は、それだけ体に副作用をおよぼすリスクが高まる。
「多剤服用で特に深刻なのが、この20年間で患者数が約2.6倍に増えているうつ病です。抗うつ剤や睡眠薬は依存性が高く、減薬・断薬が非常に難しいので、悪循環に陥りかねないのです。パニック障害と神経症を併発していた40代の女性患者さんは、抗うつ薬をはじめ7種類の薬を常飲していました。代替療法、漢方などを利用して約1年かけて断薬し、健康な日常を取り戻せましたが、カウンセリングなど精神的サポートも不可欠でした」
薬の9割はいらないと断言する松田先生だが、残りの1割、薬がどうしても必要とされるケースも当然ある。不用意にやめると禁断症状が出る薬もあれば、薬に精神的に依存している人の場合は、断薬でかえって不安が増して逆効果になることもある。
あくまで本人が希望する場合に、徐々に薬を減らすことから始めていくことが大事だという。松田先生が提案する減薬・断薬へのステップは次のとおり。
【1】薬について警鐘を鳴らしている本を読んでみる
「まずは自分の飲んでいる薬に関心を持ってみましょう」