京丹後市の100歳目前ご夫婦、長生きの秘訣「まごはやさしい」
そう話すのは、京都府立医科大学大学院医学研究科循環器内科学の的場聖明教授。
「なぜ、京丹後市には健康長寿の高齢者が多いのか?」、その秘密を探るべく、同大学では2017年から、市立弥栄病院と共同で、京丹後地域(京丹後市、宮津市、与謝野町、伊根町)に暮らす65歳以上の住民を対象に、職業、学歴、日常生活、食事や睡眠時間、血液検査、血管年齢など、2,000項目を調査し、15年間経過観察をする「京丹後長寿コホート研究」に取り組んでいる。ビッグデータを解析したうえで、平均寿命が短い“短命県”の青森県・弘前市など、ほかの地域で暮らす高齢者のデータと比較しながら、健康長寿の秘訣を分析している。
その研究のなかでわかったことは、京丹後の高齢者は、(1)血管年齢が全国平均と比べて若い、(2)大腸がんの罹患率が京都市内の半分、(3)寝床に入ってから眠りにつくまでの時間が短い、などといった特徴だった。
「特別な遺伝子は見つかっていないので、食事や生活習慣によるもの、と考えています。ということは、その習慣を取り入れれば、私たちも健康で長生きできる部分があるといえるのではないでしょうか。血圧が高かったり、大病したり、年相応に病気をしたとしても、その後、回復して元どおりの生活を送られる方もいらっしゃるんですよ」