忍たま原作者のリハビリ奮闘記「“すしざんまい”が良い運動に」
生活には思わぬ変化があったという。
「倒れる前は母と一緒に住んでいたんですが、私が面倒をみられなくなったので母はホームに。昼はスタッフがいますけど夜は1人になりました。これがいいんですよ。生まれて初めての一人暮らしみたいで、すごく楽しい!今日はなに食べようとか、面倒だからお風呂はいいやとか、自分の裁量でやれるんです。健康のためにと、初めて買ったベッドで好きな歴史番組を見ながら、『あ~極楽』と言って過ごしていますよ」
家でもリハビリは続けている。
「トレーニングでは闘鶏のシャモを手本にすることも。シャモは姿勢が低いままだと強くなれないそうで、育てるときはあえて高い所にえさ箱を置いたりして、背筋が伸びるようにするんです。
私もこれを参考に、トイレのタオルをわざと高い所にかけて“シャモのえさ、シャモのえさ”と言いながら手を伸ばしています」
歯ブラシが握れたり、右手で箸が使えるようになるなど、徐々に出てきたリハビリの成果。コミックス最終巻の表紙イラストは脳梗塞を患ったあとに描いたという。
「楕円や雲形の定規の力を借りてラフを描き、アシスタントさんに着色してもらって、描き下ろすことができました。