2020年8月10日 06:00
「“巣ごもり生活”が老眼に拍車」専門医語る“夕方老眼”とは
反対に遠くを見るときは毛様体筋がゆるんで水晶体が薄くなります。このように、目は絶えずピントの調節を繰り返しているのです。この水晶体が硬くなり、ピントを調節する機能が低下することで手元の文字が見えにくくなるというのが“老眼”のメカニズムです」(味木先生・以下同)
水晶体の硬化は、おもに加齢による毛様体筋の衰えが原因と考えられているが、新型コロナウイルスによる“巣ごもり生活”が、その衰えに拍車をかけている。
たとえば、家で過ごす時間の増加に比例して、テレビやスマホを見る時間が長くなったことや、テレワークにより自宅のパソコンで仕事をするようになったことなどが、その原因だ。
「最近よく“スマホ老眼”という言葉を耳にしますが、これは、スマホの長時間使用で緊張状態が続いた毛様体筋がうまく働かなくなり、近くにも遠くにもピントが合わなくなる状態をいいます。医学用語では“仮性近視”といいますが、わたしは“仮性老眼”と呼んでいます」
そして、もうひとつの仮性老眼である“夕方老眼”。朝はすっきり見えていたはずの目が、巣ごもりによる生活の変化で、知らず知らずのうちに酷使され、夕方になると手元の文字が見えにくくなってしまう。