「『ゴネた人』が得をする」介護を始める人に知ってほしい金言
「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」
そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。
「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」
介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。
「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)
懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。
認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。
【金言1】親への恩が怨になっても大丈夫
介護生活が長期化すると、介護をする人の心がむしばまれていく。
「当時は、ひどい精神状態でした。母の前で『お願いだから、今日死んで』と思ったのは、一度や二度ではありません」