管理栄養士語る食事ルール「中高年世代に減塩は必須」
「太っていると、インスリンの働きが弱くなるため、インスリンの分泌量が増えます。すると、交感神経が刺激されて血圧が上がるという悪循環を招きます。肥満の人はそうでない人に比べて高血圧になる比率が2〜3倍ともいわれています。また、肥満で血中コレステロールが多くなると動脈硬化が起こります。動脈硬化は血管がもろくなる症状ですから、血圧にも深く関係します」
さらにストレス。
「ストレスは交感神経を刺激し、血管が収縮してしまうことで高血圧を招きます。ストレス発散のために過食をする人も増えているようですが、ますます塩分の摂取過多に陥ってしまいます」
そのほかにも、飲酒、喫煙、寒暖差など、高血圧の要因は私たちの生活の中に多々あるが、「食」の改善は最も効果が見えやすいという。
日本人はもともと食塩摂取量が多く、減塩に気をつけたい。
厚生労働省が目標量とする1日の食塩摂取量は6.5グラム未満だが、実際の摂取量は女性で約9.3グラム。1日あたりの目標摂取量より3グラム近くオーバーしており、1日3食の人の場合は、毎食1グラム程度食塩を取りすぎているという計算になる。特に高齢になるほど食塩摂取量は増える傾向にあり、60代の食塩摂取量が最も多い。