2022年3月23日 11:00
治療法の進歩で短く…医師が解説「病気の入院日数と治療費」
(上さん)
同じく3大死因のひとつである脳血管疾患はどうか。
「くも膜下出血の場合は、軽度であれば手術なしのケースもありますが、中等症状であれば出血を止めるためにクリップを使用します。脳圧を下げるため、頭蓋骨に穴を開けることもあるので入院期間も長くなります」(上さん)
一方の脳梗塞は、血をサラサラにする薬のほか、発症早期の患者には、血栓を溶かす薬などを投薬。経過を観察することになるという。
「これはtPA静注療法という治療法。かつては、効果が期待できるのは発症から3時間以内とされていましたが、現在は4.5時間に引き延ばされました。加えて、ステントなどの器具で血栓を回収する手術が導入され、治療成績が向上しています」(尾崎さん)
5人に1人が罹患するともいわれている糖尿病でも、入院するケースがあるという。
「一部の重症例を除けば、『教育入院』が多いですね。
なかなかご自分では生活改善ができない人、インスリン注射を導入する人などが注射の打ち方、運動療法、食事療法などを数日から2週間ほどで学ぶための入院です」(尾崎さん)
加齢とともに罹患しやすい病気といえば肺炎と白内障だ。
「肺炎の治療は、抗菌薬の点滴になります。