2023年6月9日 11:00
リスクの9割を発見、最新の「認知症判定テスト」が導入開始へ
また、認知機能の診断テストを受けた場合でも、回答時に自分の症状を軽く評価してしまう傾向も見受けられます」
この課題をクリアするため、日本老年精神医学会では5年ほど前からリスクを早い段階で発見するシステムの開発に着手してきた。そして完成したのが「J-MCI」という評価方法。今年5月から一部の健康診断会場などで導入が始まっている。受検者は、パソコンの画面で13項目について「はい」「いいえ」と答えるだけでリスクの程度がわかる。
回答内容からコンピューターによって「認知症の傾向あり」「グレーゾーン(軽度認知障害)」「所見なし」の3つの判定が出され、本人の今の状態を確認できる。「傾向あり」「グレーゾーン」の状態と判定されたら、日本老年精神医学会に所属する認知症の専門医を探せるような仕組みもある。
「医療機関に行かなくても自宅でテストができ、年齢や抱えている疾患に左右されず、できるだけ正確に認知症リスクを判定できるものを作りたいと考えていました。また、これまでの専門医による認知機能検査は、時間がかかり回答者の負担が大きい点も問題になっていましたが、13項目に絞ったため、それも軽減されています」