医師が解説「無痛の口内炎がじつは口腔がんの初期症状であることも」
「まず、もっとも一般的に見られるのが『アフタ性口内炎』です。原因は定かではありませんが、ストレスや疲労、睡眠不足などで免疫力が落ちること、また、粘膜の再生を促すビタミンB₂不足であると考えられています。
大きさは2~10ミリほどで、上皮が剝がれ、白くべちゃっとした潰瘍の周りが、赤い炎症で縁取られています。小さい場合は、同時に2〜3個、群がってできることもあります」
2つ目は「ウイルス性・細菌性口内炎」だ。
「ヘルペスウイルスや、カビの一種であるカンジダ菌が増殖して、口内炎ができてしまうことがあります。そのほか、梅毒、淋病、クラミジアなど、性行為感染症による口内炎も。
ヘルペスウイルスなどが原因の場合は、初めは水疱ができて、それが潰れてびらん(ただれ)や潰瘍になります。唇側、前の歯茎にできる場合は水疱のうちから気がつきますが、多くは水疱が破れた後に気づきます。
カンジダ菌が原因の口内炎の場合は、白い付着物があり、綿棒などで拭うとくっついてきます」
3つ目は、物理的な刺激によってできる「カタル性口内炎」だ。
「食事中に舌をかんでしまったり、魚の骨が刺さってしまったり、歯のかぶせ物が合わなくて口の中で擦れてしまったりしてできた傷や、熱いものを食べてできたやけどが原因です。