医師が解説「無痛の口内炎がじつは口腔がんの初期症状であることも」
口腔がんとは、舌がんなど、口の中にできるがんの総称だ。
「飲酒や喫煙などの刺激、削り方が不備でとがった歯や合わない入れ歯の刺激が、長期間、口内の粘膜にさらされることが、原因となります。がんの場合、炎症の境界が不明瞭であるケースが一般的。また口内炎と違い、よほど大きくならなければ痛みをともないません。
早期ではしこりや厚みを感じたりするだけですが、進行するとしびれやまひ、味覚障害、少しの刺激で痛んだりします」
口腔がんの発生頻度はがん全体の約2%と決して高くはないが、進行すれば舌を切除したりしてQOLが低くなるうえに、他臓器への転移の可能性もある。半面、口腔がんのなかでも5〜6割を占める舌がんの場合、ステージⅠでの5年生存率は90%を超えているように、早期発見すれば、完治が見込めるのだ。
「肺や胃は直接見ることはできませんが、口腔がんは鏡を見たり、家族に見てもらえれば目視できます。つまり、早期で発見することが可能ながんだといえます。
気になる症状があったり、2週間たっても治らない口内炎があれば、迷わず医療機関を受診してください」
たかが口内炎とあなどってはいけないのだ。
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