3カ月以上続く“原因不明のめまい”その4割が新疾患「PPPD」だった!新潟大学の医師が解説
不安が強い患者さんばかりでなく、不安が強くない患者さんにも効き、有効率は70%ほどです。ただ、副作用として、胃がムカムカするなど、消化器の不調を訴え、薬が飲めない患者さんもいます」
前庭リハビリテーションという平衡訓練も有効だという。
「リハビリをすることでめまいが誘発されることもありますが、慣れを促進します」
さらに精神科医や心療内科医、臨床心理士などから認知行動療法を受ける治療もある。
「めまいの起こる仕組みや、めまいへの不安の強い患者さんの話を聞きます。1回60分ほどで、6~7回カウンセリングを受けます。こうした3つの治療法を患者さんごとに組み合わせます」
しかし、まだPPPDという病名が誕生して7年ほどしか経過していないため、残念ながら、医師のなかでも病気の存在を知らないケースがある。「逆に患者さんのほうがネット検索をして詳しいケースも。私のいる新潟にも、遠方から新幹線や飛行機を使って診察に来る人も多いです。
以前ならめまい症で放置された患者さんも、PPPDと診断されることで、治療もできるようになりました。
初診には30分ほど時間をかけ、細かく問診するので、長い期間苦しんでいた患者さんのなかには『話を聞いてくれるだけでもありがたい』と感激する人もいます」