2015年2月12日 08:00
新しい美白剤のターゲット:メラニン合成酵素の分解を促す
メラノサイトから皮膚へのメラノソームの移動を抑制2015年2月5日、東北大学は、メラニン合成酵素の分解を促す新分子を同定することに成功したと発表した。
研究成果はBiology Openの電子版に2014年2月6日から公開されている。
背景メラニン色素は、有害な紫外線から体を守るために重要な役割を果たしているが、メラニン色素の肌への過剰な沈着はシミやソバカスの原因となっている。
メラニン色素は、メラノソームと呼ばれる袋の中でメラニン合成酵素によって合成されている。しかし、メラニン合成酵素はメラノソームの袋に元々あるものではなく、別個に作られ、メラノソーム内に運ばれる。
メラノソームへのメラニン合成酵素の運搬過程には「Varp(バープ)」と呼ばれる分子が関与しており、この分子の働きが弱くなると、メラニン合成酵素の分解が促進され、結果としてメラニン色素量が減少する。
研究内容「Varp」の構造を詳細に検討した結果、Rab40Cという蛋白質が関わっていることを明らかにした。Rab40CはVarpに印を付ける。
印を付けられたVarpはプロテアソームという蛋白分解酵素で分解される。
Rab40Cを過剰発現させたマウスにおいて、メラニン色素の合成が抑えられた。