日本の女性は性の自己決定権が希薄であり、また、社会全体も軽視しているとも早乙女さん。それは、出産や分娩、避妊にも大きく影響を及ぼしていると指摘します。
「女性の性の自由さという観点でみれば、日本という国はまだ堕胎罪が残っており、母体保護法で免責さえされているものの、扱いとしては女性と堕胎をした医師のみが罰せられ、関わった男性は不問です。中絶方法も制限されており、手動の真空吸引法が認可はされましたが、古いやり方の手術が残っておりリスクがあります。世界では60カ国以上で中絶ピルが使用されており、その使用は年々増加しています」
よりリスクの少ない中絶方法や手術法が世界では行われているにもかかわらず、日本ではこうした方法が容認されないこと。また、導入に関しての議論や行動が遅いこと。もし、女性の性の自己決定感や生き方に対して考え、十分に議論されてきたならば、母胎への健康被害も減らすことができるのです。
「避妊法も、世界ではLARC(long acting reversible contraception:長期間作用型可逆的避妊法)としてIUS(intra uterine systems:子宮内避妊システム)