やインプラントが第一選択ですが、日本ではインプラントはなく、第二選択とされる注射法、膣内リング、パッチ法などもなく、第三選択のピルかコンドームが主流となっています。コンドームよりも第一選択、第二選択の避妊法の方が避妊の失敗率は低いのですが、これらについて議論することも、産婦人科内部でさえ少数派。医療界でもマイナーという実状です。世間一般に知られていないのは、女性の性の人権がないことに他なりません」
性の自己決定権が薄い理由は古い価値観に原因も
女性の性の自己決定権の薄さが、社会全体にあり、その影響が命が生まれる産婦人科にも大きく影響を及ぼしていることはよくわかりました。
しかし、どうして女性の性の自己決定権が薄くなってしまったのでしょうか。
「避妊・中絶の領域の観点では、戦後諸外国より早く人工妊娠中絶が合法化されたために、その時代の方法が長く根付いたという点もひとつの要因として挙げられますが、風土もあるのでしょう。日本が先進国だと思っている人もまだ多いようですが、かなりの情報交換が日本語だけで行われており閉鎖的。例えば、ピルの認可は世界で最後の11カ国に残った1999年でしたが、その時でさえ日本の女性団体はピルは要らないと言っていました。