近年注目されている睡眠調節という考え方。これまで、眠気は身体が一日の労働に疲れた結果生じるものだと捉えられてきました。
しかし、近年の睡眠研究ではもっと睡眠は主体的なものであるということがわかってきています。つまり、脳や身体の動きが疲労によって鈍くなったから眠るのではなく、睡眠に向けて睡眠を司る脳の部位が活動をするというのです。
これは、睡眠に向けて脳や身体が調節を始めたということ。そうした、睡眠調節について、具体的に解説していきます。
睡眠調節の仕組み 睡眠への悩みはどうして起きるの?
「眠りなさい!」と、脳の睡眠を司る部分が活発化するのは、2つの機構からなるといわれています。その2つを指して、睡眠調節といいます。
(1)睡眠恒常性維持機構
疲労を回復させるための脳の仕組みのことをいいます。脳が感じている疲労度に応じて休息させようという働きです。
(2)体内時計機構
毎日太陽が沈むと眠くなり、太陽が昇ると目が覚めるという身体に刻まれたリズムのことです。人間には体内時計が搭載されていると見ることができます。
この2つの機構が働き、睡眠調節が正常に機能します。しかし、現代人はこの2つの機構のバランスを取りながら、正常に機能させることがなかなかできていません。