月経用品の多様化はもちろん、女性たちの間での月経に対する考え方も、昔と今ではずいぶん変わってきている。
「私が初潮を迎えた頃は、ナプキンすらありませんでした。うちの実家は病院で、家に脱脂綿がたくさんあったので、母がそれをチリ紙とセットにしてナプキンのようなものを作ってくれていたんですが、友人たちがどうしていたのかは全然知らないんです。というのも、当時は友人同士であっても月経については口にしないのが常識だったから。“月経=けがれ”という思想が根底にあったんでしょうね。たとえお腹が痛かったり気分がすぐれないことがあっても、“月経の最中だ”というのを家族にさえ気づかれないように過ごすのが、女子のたしなみとひと昔前はされていました」
月経用品として、江戸時代には、棒の周りに布を巻きつけたものを膣に詰めて対応していたという記録が残っている。戦後は、タンポンが医療用具に指定され、1960年代に入り、ナプキンが登場したが、未婚の女性にはタンポンの使用を控えるように呼び掛けていた時代もあったのだとか。「当時、学校では、女子学生に対して『タンポンを使うな』という指導が行われていたんです。
表向きは、挿入したままにしていると雑菌が繁殖して病気になるからという理由だったようですが、『処女膜が破れるから』というとんでもない理由もあったそうです。