子育て情報『意外と多い「子宮筋腫」妊娠・出産・産後はどうなる?【助産師が解説】』

意外と多い「子宮筋腫」妊娠・出産・産後はどうなる?【助産師が解説】

おなかを開いているので、子宮筋腫の手術も一緒にできないの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら術後のリスクも考慮すると、答えは「No」です。

お産直後の出血は要注意!

子宮筋腫がある場合、妊娠・出産時、十分な経過観察が必要ですが、それ以上に注意が必要になるのはお産直後です。

お産後、子宮は元の大きさに戻ろうと収縮します。そのときに子宮の壁の血管が圧迫され、出血が抑えられます。しかし、子宮筋腫があると子宮の収縮が妨げられ、出血が続いてしまいます。これは、経腟分娩でも帝王切開でも同じです。

そのため、子宮収縮剤を多く使用したり、場合によっては、お産後に輸血が必要になるケースも。妊娠中、輸血が必要になるかもしれないケースは、あらかじめ自分の血液を保存しておいて、それを輸血する「自己血輸血」をすることもあります。


お産直後の出血をクリアしたあとは?

お産直後の出血をクリアしても、その後、子宮筋腫が炎症を起こしてしまうことも。そのため、お産後は子宮収縮と出血量、貧血や感染の兆候がないかなど、経過観察が必要になります。

子宮筋腫があるなかでの妊娠・出産は、さまざまなリスクがあります。そのため、次の子を希望しているケースでは、状況と時期を見て、子宮筋腫の手術をすすめていました。このような場合の手術は、子宮筋腫だけを取る「子宮筋腫核出術」がおこなわれます。施設によっては、開腹手術だけでなく、腹腔鏡下での手術も可能です。そして、子宮筋腫の手術後のお産は、基本的に帝王切開が選択されます。

子宮筋腫は、妊娠・出産が可能な時期にある女性に多くみられます。
これから妊娠を考えている方、子宮筋腫があるけれど、現在妊娠中の方がいらっしゃると思います。いずれにせよ、ご自身の子宮筋腫の状態を見ながら、かかりつけ医に相談し、説明をよく聞いて対応していくことが一番安心だと思います。

◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)

監修者・著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

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