術後翌日からは痛みに耐えながら懸命に歩行訓練をおこない、歩行可能になるとすぐに転院許可をもらいました。
救急車で赤ちゃんがいる病院へ向かい、いよいよ出生時以来の面会です。新生児集中治療室(NICU)にいるわが子の容体が良くなっていますように、と願いながら、私は車椅子に乗せられて会いに行きました。しかし現実は甘くなかったのです……。
わが子になぜ心臓病があったのか、原因はわかりません。大血管転位症の発生頻度は2,000人に1人と稀とのことですが、手術をすれば生存可能な病気です。しかし大血管転位症には1型・2型・3型があり、1型が最も予後が不良。なんとわが子はその1型でした。
出生直後のチアノーゼ、肺高血圧症の合併、そして手術のタイムリミットは2週間以内……。
ほんの数日前まで、赤ちゃんのいる幸せな日々を信じて疑いもしなかった私にとって、とても過酷でつらい日々が始まりました。(後編へつづく)
参照/日本小児外科学会「大血管転位症」
著者:大島れい
第1子は先天性心疾患により天国へ。現在第2子妊娠中。看護師として4年勤務。自身の経験を中心に執筆している。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。