【医師監修】妊娠中、銭湯に行っても大丈夫?利用する際の注意点を解説
今回は、妊娠中に銭湯やサウナ、薬草風呂などを利用してもいいかどうかについてお話しします。
妊婦さんは銭湯に行っても大丈夫?
妊娠経過が順調で当日の体調が良ければ、銭湯へ行くことはかまいません。妊娠中の銭湯の利用については、自己責任かつ無理のない範囲で楽しみましょう。
妊娠中のどの時期であっても、銭湯などの公衆浴場の利用は自由ですが、銭湯には老若男女かつ不特定多数の利用者がいます。それぞれの健康状態に対して予防・対策をするのは利用者のマナーであり、自己責任です。公衆浴場では、すべての利用者が快適に過ごせるように施設ごとにルールを設けているので、利用する施設が妊婦の利用を許可しているかについては、自分で事前に調べましょう。
利用当日に体調が変化する可能性を考えて、母子健康手帳、かかりつけの産婦人科の診察券、保険証を持参しましょう。破水や性器出血が起きたときのために、生理用ナプキンも持参したほうが安心です。
スーパー銭湯や日帰り温泉施設は利用しても大丈夫?
利用する施設が妊婦の利用が可能というルールを設けていれば、利用してもかまわないでしょう。銭湯と同じように、利用する際の健康状態に対して予防・対策をするのは利用者のマナーであり、自己責任です。
気分転換や観光を兼ねて遠出することも考えられますが、利用当日に何らかの症状があってもすぐ受診できるように、かかりつけの産婦人科から遠く離れていない公衆浴場を選んだほうが安心です。公衆浴場の近くに病院があっても、状況によってかかりつけではない妊婦さんの診察は断られることがあります。
サウナや岩盤浴は利用しても大丈夫?
サウナや岩盤浴は民間療法で科学的根拠が乏しいため、医学的な視点ではどの妊婦さんにおいても利用しても大丈夫とは言えません。
サウナや岩盤浴というと、ダイエット効果やデトックス効果が期待される健康法ですが、その効果について誰にでも当てはまるという理論や科学的根拠のある論文は今のところ存在しません。
汗をかくことがデトックス効果と思われがちですが、そもそもデトックスという言葉自体が、何を意味しているのか科学的な定義づけはなく、曖昧な表現でもあります。サウナや岩盤浴は発汗作用はありますが、利用後に体重が減るのは、単純に水分が失われただけで、体脂肪の燃焼に結び付く効果はほとんど期待できません。