妊娠中に薬を使用するときの基本的な考え方を解説!赤ちゃんへの影響は?
妊娠に気づかず薬を飲んでしまったら
妊娠に気づかない時期に市販薬の風邪薬や痛み止めの薬を飲んでしまったという場合でも、ほとんどの薬は赤ちゃんへの影響は心配ありません。妊婦への使用を推奨していない薬であっても、なぜダメなのかという理由が重要です。
通常、赤ちゃんに先天的な異常があったとしても、ほとんどは原因不明で、薬を飲んだ場合と薬を飲んでいない場合を比較しても、生まれつきの形態異常をもつ赤ちゃんが生まれる確率はさほど変わりません。妊娠に気づかない時期に薬を飲んでしまったからと言ってすぐに赤ちゃんを中絶することを考えたり,余計な心配をし過ぎることもよくありません。
妊娠に気づかず薬を飲んでしまった場合は、まず産婦人科の担当医へ相談しましょう。産婦人科の担当医へ相談して、それでもなお不安がある場合は、妊娠と薬について専門的な相談を受けてくれる妊娠と薬情報センターなどの相談窓口を利用しましょう。
まとめ
妊娠中に薬を使用すると、赤ちゃんに何らかの異常が起こるのではないかと心配したり、妊娠経過や赤ちゃんに何らかの異常が起きたとき、医学的に否定されても薬のせいではないかと疑いたくなるのは自然なことです。まずは担当医に相談して、正しい情報と知識をもって、自分と赤ちゃんの健康を守りましょう。
<参考>
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
妊娠と薬情報センター
厚生労働省医薬・生活局医薬品・医療機器等安全性情報No.3602019年2月
改正記載要領に基づく医療用医薬品添付文書について
監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生
京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士
著者:助産師 古谷真紀
一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー
大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。