妊娠中の体重増加が気になる…!体重管理のコツを医師が解説
BMIの計算式=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
妊娠中の推奨体重増加量(日本肥満学会 肥満症診断基準2011)
※双胎妊娠の場合、日本人のデータを用いた値はありませんが、アメリカのガイドラインの推奨値を参考にします。(参考:産婦人科診療ガイドライン産科編2017)
妊娠前 BMI:18.5-24.9 →16.8-24.5kg 増加
妊娠前 BMI:25.0-29.9 →14.1-22.7kg 増加
妊娠前 BMI:30 以上 →11.4-19.1kg 増加
妊娠中の体重測定が大切な理由
妊婦健診では、妊婦さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認するために体重測定をします。医師や助産師、看護師が正しい判断をできるように、妊娠前の体重や妊婦健診当日の体重の数値は、誤魔化さないようにしましょう。
体重測定をすることで、妊婦さんは体重制限を強いられているように感じるかもしれませんが、下記の3つの理由から体重管理はとても大切です。
①妊婦さんの体格や体重増加量によって合併症が起こる可能性や危険性が高くなる
妊娠中の体重が増えすぎても、増えなさすぎても、母体と赤ちゃんの健康状態に影響します。妊婦さんの体格や体重増加量によって合併症の起こる可能性や危険性が高くなります。
妊娠前のBMIが18.5未満やせに属する場合は、胎児発育不全(FGR:fetal growth restriction)や低出生体重児(出生時の体重2500g未満)、切迫早産および早産の起こる可能性が高くなります。
妊娠前のBMIが25.0以上肥満に属する場合は、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、児の神経管閉鎖障害が起こる可能性が高くなります。
妊娠中の体重増加が不十分な場合は、胎児発育不全(FGR:fetal growth restriction)や低出生体重児 (出生時の体重2500g未満)の可能性が高くなります。 妊娠中の体重増加が著しい場合は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を合併する確率が高くなります。また、陣痛が弱いために出産が長時間かかったり、出産時に出血多量となる可能性があります。
②妊娠中の栄養状態が赤ちゃんの健康状態に影響する
おなかの中にいる赤ちゃんが低栄養状態にさらされると、赤ちゃんの発育状態や将来的に生活習慣病を発症する確率が高くなることがわかっています。