お風呂は、毎日入らなくていいんです!【3児ママ小児科医のラクになる育児】
こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子育て中です。今回は、お風呂の話です。赤ちゃんの沐浴から幼児の入浴まで、お風呂は育児のなかで大変なもののひとつかもしれません。
「沐浴は毎日させましょう」と指導はありますが、果たして本当にそうなんでしょうか? 海外の育児事情なども織り交ぜてお話ししたいと思います。
生まれてから1カ月間、沐浴しないこともある!
以前、中国出身の方が「赤ちゃんは生まれてから1カ月は入浴(沐浴)しないで拭くだけにする」という習慣を教えてくれました。中国は広いので、中国全土その習慣ではないかもしれませんが、1カ月健診で顔を見せてくれたその赤ちゃんは、湿疹ひとつないとてもきれいな皮膚でした。匂いも臭さなどはまったくなく、「これはこれでアリなんだ」と印象に残った経験があります。
病院のNICUや新生児室でも、以前は出生後すぐ沐浴し、その後毎日沐浴というのがスタンダードでした。しかし今は、出生後すぐの沐浴は体温低下のリスクもあることから、血液などを拭きとるだけで、その後退院までに1~2回沐浴する「ドライケア」を導入する施設が多くなっています。
肌トラブルの原因、大きく分けるとこの4つ
お風呂やシャワーは1日についた汚れや汗を洗い流す作用があります。
肌トラブルの原因は、大きく分けて4つあります。
①汚れ(汗、うんち、食べ物など)
②石けんのすすぎ不足(汚れによる肌荒れと同じ)
③皮脂の取りすぎ(洗いすぎ)
④保湿剤不足(皮膚のバリア機能の低下)
つまり、お風呂に入っても入らなくても、上記の原因が取り除ければいいわけです。
私もよく「沐浴スキップ」してました
私は産後の肥立ちが悪かったのもあり、体がつらい時は沐浴をスキップしていましたし、子どもが大きくなっても体調がつらいときや疲れているときは、冬場のお風呂やシャワーはお休みしたりしています。
ただ、陰部はなんとなく洗わないと自分も気持ち悪い感じがするので、おしりまわりだけはささっと洗ったりで済ませたりしました。
海外では、毎日シャワーはするけど、シャンプーは毎日しないという習慣のところもあります(シャワーすら毎日入らない国も多いですが、子どもでは少なさそうです)。
皮膚トラブルをかんがみて、日々の清潔方法を選択すればいいのではないでしょうか。