火事に遭って病院に運ばれた夫。隣のベッドを見て驚愕! 「なんであの子がいるの!?」
なんとミノルが火事に遭って、病院に搬送されたという連絡でした。
急いで病院に向かうと、ミノルはぐったりとした様子で寝ていました。
「命に別状がなくてよかった! 職場は大丈夫だった?」
ほっとした途端、隣のベッドが目に入ります。
「隣の人も会社の人? 私うるさくしてしまったし、挨拶しておかなくちゃ」
ミノルは会社で火事に遭ったのだと思っていたパニ子。
隣のベッドを覗き込んだそのとき、まさかの展開に凍りつきます。
隣のベッドで寝ていたのは……
「隣はいい! 放っておけ!」
急に怒鳴り声をあげたミノルを訝しげに思いながらも隣のベッドをよく見ると、パニ子の妹、ユキナの姿。
「仕事先での火事だっていってたよね? どうしてユキナがいるのよ!」
ミノルを問い詰めます。
「えっと……たまたま仕事が一緒になってさ!」
「そ、そう! 取引先の相手がたまたまミノルさんだったのよ!」
どう考えてもおかしい! そう思ったとき、病室のドアが開き、パニ子とユキナの母、パニ母は入ってきたのです。
なんでも欲しがる妹の行く末にニヤリ
「ユキナの家が火事になって、病院に運ばれたって言うから駆けつけたんだけど……」
「え? ユキナの家?!」
そうやらミノルは、仕事と嘘をついてユキナの家に行っていたようです。
「ごめん。言い寄られてつい……」
「だってミノルさんかっこいいし、お姉ちゃんより私のほうがお似合いだと思ったんだもん!」
小さいころから、パニ子が持っているものはなんでも欲しがっていたユキナ。
まさかの姉の夫まで欲しがったとは、パニ子もパニ母も呆れて怒る気にもなれません。
「もういい、帰ろう! ミノルはユキナにあげるから」
ずっと欲しかったミノルが自分のものになり嬉しそうなユキナ。
もちろんパニ子に未練はありません。
だってミノルは家事も育児も手伝わないモラハラ男。これからユキナが苦しむと思うと、笑みがあふれるパニ子だったのでした。
それにしても、たまたま隠れて会っているときに火事に遭うなんて、なんという不運。