2023年11月10日 11:20
子育てがおばあちゃんを長寿にする!?『世界一受けたい授業』で紹介された『おばあちゃん仮説』とは?
2023年10月28日に放送された、日本テレビ系列『世界一受けたい授業』の番組内で「おばあちゃん仮説」が紹介されました。おばあちゃん仮説とは、育児と女性長寿の関係性を示した仮説で、放送後、視聴者の間で議論を呼んでいます。
番組放送後、SNSでは異論の声が多く見られています。「おばあちゃん仮説」とは、一体どのような仮説なのでしょう。
おばあちゃん仮説とは?
おばあちゃん仮説とは「女性は孫を育てるために長寿になった」というもの。シャチなどの哺乳類は、母親が狩りに出るため、子育てはおばあちゃんの役目なのだそうです。本来子育てが終わる(出産できない年齢になる)と生き物は寿命を迎えます。しかし、おばあちゃんは子育てをするために長生きしなければなりません。
そのため、だんだんとおばあちゃんの寿命が延びたと考えられているのです。
番組では『おばあちゃんが子育てをすることで元気に長生きでき、子育てをおばあちゃんに助けてもらうことで母親の負担が減る。すると良い循環が生まれ、少子化対策にも良い影響を与える』という仮説が立てられました。
この仮説がたしかなら、互いにwin-winであることは間違いありません。しかし、おばあちゃんに育児のサポートを受けることに抵抗があるママや、自身の趣味などでシニアライフを楽しむおばあちゃんは、この仮説に違和感を抱いているよう……。
育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授・小崎恭弘先生に、おばあちゃん仮説に基づく、ママとおばあちゃんの在り方についてお聞きしました。
おばあちゃん仮説の実態
小崎先生
「大正、昭和、平成の人々の標準的なライフサイクルを比較すると、寿命の長さという点が大きく異なります。約100年前の大正時代は、男女ともに平均寿命は60歳代でしたが、2009年になると平均寿命は80歳代まで延びています。
そう考えると、現代社会の長寿化がより鮮明に感じられるでしょう。
また、注目したいのは老後の長さです。大正時代には数年だった老後が、2009年には15年にまで延びており、退職から先の人生が長期化していることがわかります。まさに寿命が長くなり、老後が飛躍的に長くなりました。
また結婚、妊娠、出産も、時代と共に遅くなりました。2022年の平均初婚年齢は、夫31.1歳、妻29.7歳で、長子出生年齢は母が30.9歳と過去最高となっています。