帝王切開の費用は自然分娩とどう違う?医療保険の対象になるってホント?
出産を控えた妊婦さんやその家族にとって、気になるのが出産にかかる費用ではないでしょうか。母子の安全のために帝王切開になる場合もありますが、帝王切開と自然分娩では、分娩前に感じる不安の違いとともに金銭面での違いも出てきます。帝王切開と自然分娩では、どのような違いがあるのか、どのくらいの費用がかかるのか、その内訳を解説しましょう。
帝王切開と自然分娩との違い(入院期間と入院費)
帝王切開とは、分娩時に何らかの理由で自然分娩が困難であると判断された場合に、麻酔をかけて子宮を切開し、胎児を取り出す手術の方法です。
自然分娩が困難となる理由は、前回の出産が帝王切開だった場合、胎位異常(逆子など)、前置胎盤(胎盤の場所が子宮の入り口の部分にある場合)や赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤より大きい場合、多胎妊娠、高齢出産、感染症などの予定帝王切開になるケースと分娩の停止、赤ちゃんが元気ではなくなった場合など緊急帝王切開術になる例もあります。
帝王切開での手術は、安全な分娩方法の選択、日本人女性の体格の移り変わりや高齢出産の増加により、日本でも5人に1人は帝王切開だと言われ、年々増えています。帝王切開の場合には自然分娩の入院日数が5日前後であるのに対し、7~10日と長く入院する必要があり、それに伴いかかる入院費も高くなります。
帝王切開の費用と高額医療費制度について
出産は、病気とは定義されていないため、自由診療となり、治療費の全てが自己負担となります。そのため、自然分娩の場合は、保険適応とならないため、基本的には自己負担となります。
帝王切開の場合は異常分娩とみなされ、手術や薬代、検査、入院などが医療保険の適応となり、3割負担となります。手術にかかる費用などは一定で、さらに保険がきくために自己負担分のみの支払いとなります。
平成28年度の診療点数算定表では22万2,000円(32週以前の出産では24万2,000円)でその3割分が自己負担となります。しかし、病院のベッドやパジャマ、食事などそのほかの自由診療分は保険が効かないために帝王切開であっても出産施設により差があり、出産する地域や医療機関によっても異なりますが、約40~100万円となっています。
出産育児一時金が健康保険から、子ども一人当たり42万円(産科医療補償制度に加入していない施設では、40万4,000円)