《アップリカに、行ってきました!》日本一のベビーブランドの、知られざるブランドヒストリーとは 〜第一回〜
編集部:ベッドにもなるチャイルドシートということですよね。
河崎さん:そうです。そこでアップリカは、お母さんの抱っこのときの姿勢と同じように寝かせられる、ベッド型チャイルドシートを開発します。それだけでなく、成長に合わせて、大きくなったら椅子型になるんです。これが発売されたのが、1997年のこと。そのあと、2000年になると、道路交通法により「チャイルドシートの義務化」が施行されます。
編集部:そこから、アップリカのチャイルドシートが大きく注目されたんですね。今でこそフラットになるチャイルドシートって当たり前に売られているように思いますが、そんな歴史があったのですね。
衝撃試験場や、新生児ダミーまで開発
編集部:安全性を確保するのはもちろん、言葉を話せない赤ちゃんの快適性などは、どのように測るのでしょうか。
河崎さん:できるだけ、数値で評価しているんです。
編集部:安全性も快適性も、数値で測るんですか?
河崎さん:そうです。ベビーカー、抱っこひも、チャイルドシート、すべての製品でそうですが、どのような使用シーンが想定されるのか、万が一事故があったときに赤ちゃんにはどれだけの負担があるのか……。日々検証をしています。
編集部:チャイルドシートなどは特に、安全性が気になりますもんね。
河崎さん:アップリカが他社のベビーブランドと大きく違う点は、自社でチャイルドシートの衝撃試験施設を持っていること。奈良にあり、「アップリカ中央研究所」と呼ばれています。
編集部:製品ができたら、検証は別の機関でするのかと思いました。
河崎さん:はじめはそうしていたんですが、何度も回数をこなさなければいけないなら、自社で試験施設を作ろうということになりました。また、新生児用のダミーも独自に開発しています。
編集部:赤ちゃんダミーまで!開発の裏側って、本当に深いんですね。
河崎さん:チャイルドシート法制化の時の国の基準で定められていたダミーは、ただの塊なんです。アップリカでは、赤ちゃんに近いダミーを作ることで、より細かな衝撃を計測することができるようにしました。
編集部:お名前はつけているんですか?
河崎さん:毎日ぶつけられてきて、かわいそうなので名前はつけられないんです(笑)。2.5キロの「2.5」と、3.4キロの「3.4」のふたりが、日本の赤ちゃんたちの安全のために、頑張ってくれてきてくれました。