連載記事:ママのプロになる!

「普通」からハミ出てしまうわが子をどうする? 【ママのプロになる! Vol.1】

ママのプロになる!

ママのプロになる!

子どもを産んだら、ママになる。でも自分も、まわりからも「素人なのにプロ」を求められているように感じていませんか? 「どうしたら、ママのプロになれるのか?」と考え、プロ教師歴45年の木村泰子先生から「…

「普通」からハミ出てしまうわが子をどうする? 【ママのプロになる! Vol.1】

イラスト:平松昭子



■ママのプロになるために! 極意を教えてくれるのはこんな人

子どもを産んだら、ママになる。あたり前のことなのだが、「ママ業」は、デビューしたての素人も、「プロであること」を求められる仕事なんだと思います。

知識も、経験値もないのに、自分が無意識にイメージしている「ママ」は、じつは「プロレベル」のスーパーママなのではないか? と、気がついたのは、わりと最近のこと。周囲からも、「ちゃんとしたママであること」を求められているような気がして、「そんなの、できるわけないじゃん!」と、叫びたいけど、叫べない。

そんな、ひとりのママである私が、プロ教師歴45年の木村 泰子先生と、子育ての話で対談をさせていただきました。
木村 泰子先生プロフィール
大阪市出身。大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。
2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。
木村先生については、「『みんなの学校』流 親子関係のつくり方」もぜひご覧ください。

今回、この対談を担当させていただくのは、ライターの楢戸ひかる。3人の子持ちの母であり、うちひとりの息子には、発達障害があります。

プロ教師の木村先生と、素人ママの私が対談することで、木村先生が教育実践の中で得てきた「プロの極意(知恵)」を、普通のママたちが日常の子育てで使える「ママたちに伝えたい20のこと」としてお届けします。目指せ! ママのプロ!

■「先生の言うことを聞きなさい」とママである私は言うけれど

「普通」からハミ出てしまうわが子をどうする? 【ママのプロになる! Vol.1】

© paylessimages - Fotolia.com


楢戸:木村先生は、「学校の授業で正解のあることなんて、6時間の授業があるうち1時間も教えていない」と、おっしゃいました。

「学校で教えてもらうことには正解があり、正解を教えてもらうのが学校だ」と思っていたので、とても驚いたのですが…。

木村:もし学校が正解だけを教えているとしたら、先生は給料を1千万円くらいもらわないと割にあいません。
そんな人間離れしたこと、できるわけないと思いません?

それって、じつはママたちが「学校をどう見ているか」という話だと思うんです。

ママたちの「学校観」は、ママたちが受けてきた学校教育がベースになっていると思います。「学校で先生の言うことを聞いている子が『良い子』」と、思っている。だから、「先生の言うことを聞きなさい」と、子どもに言い聞かせて、小学校にいれているわけでしょ?

■わが子が先生の言うことを聞けない子だったら

「普通」からハミ出てしまうわが子をどうする? 【ママのプロになる! Vol.1】

© morita - Fotolia.com


楢戸:わが子は、「先生の言うこと」をきちんと聞くことができない、つまりは「普通」からハミ出てしまう子です。だから学校生活では、「うちの子が悪い。申し訳ありません」という気持ちでいっぱいになります。

木村:では、楢戸さんは小学校時代、本当にすばらしい学びを得たなぁと思っている?

楢戸:じつは、1ミクロンも思っていなくて。「小学校」と聞くだけでイヤな気持ちになります。


木村:それなのに、何で、自分の子が小学校に行ったら、「うちの子、迷惑かけてすみません」って言うの? そういうものだと思ってしまう根拠はどこにあるの? 

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