連載記事:ママのプロになる!
「みんなができることが、アナタはできないの!」と言ってしまうママへ【ママのプロになる! Vol.4】
イラスト:平松昭子
子どもを生んではじめて、ママとなる。でもママになった瞬間、自分自身もそして周りからも「プロ」であることを求められているような呪縛にとらわれることありませんか?
どうしたら本当の
「ママのプロ」になれるのか? 木村 泰子先生からプロの極意である「ママたちに伝えたい20のこと」を教えていただきます。
<木村 泰子先生とは>
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』に出演して、不登校ゼロの公立小学校として話題を集めた大空小学校の初代校長。話を聞くのは、「先生の言うとおりにできない自分がダメ」と小学校時代に思いこんで育ちながら、「枠からハミ出てしまう」わが子に対して、「世の中で生きていくためには、フォーマットの中にいれないと」という気持ちにもなってくるライター楢戸ひかる。
■みんなができることが、何でアナタはできないの!
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木村:
親の視点で物事を考えているから、自分の価値観にはめよう、はめようとしてしまう。自分が子どもにかけた言葉を、いま振り返ってみてください。
楢戸:「ちゃんとして」「何で、そうなの?」「いい加減にして」などです
木村:こんな風に言わなかった? 「○○ちゃんをよく見てみなさい。アナタみたいなこと、していないでしょ」「みんなができることが、何で
アナタはできないの」
楢戸:「みんなができること、何でアナタはできないの」。それ、私も言われていました。
木村:みんなができることを、させようとする。ハミ出ている子を、普通にちょっとでも近づけようとする。これって、本人からしたらハタ迷惑な話ではなかった?
楢戸:私自身、「みんなができることができない」と言われ続けてきました。
私は、「みんなができること」、いわゆる「普通」を目指したのですが、結局、「普通」にはなれなかった。
「『普通路線』は無理だ」と思ったので、自分が生き残る道として、得意な書くことを生かしたライターの仕事をすることにしました。
■子ども時代に受け止めてもらえなかったママの子どもは?
木村:もし30年前に「あなたは、
あなたで、いいよ」と、先生や親に言ってもらっていたとしたらどうですか? 「みんなができることができない」で、楢戸さんは誰かに迷惑をかけたと思う?
楢戸:「迷惑をかけている」ということになってしまうんです。先生からは「みんなと同じことができない、あなたが悪い」と言われる。親からも、「学校の先生に怒られたから、あなたは悪い」と言われてしまうんです。
木村:それは「親が自分の子どもを
丸ごと受け入れて信じろよ!」っていう話でしょ。
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楢戸:「自分が受け入れてもらってきていないから、子どもを受け入れてやれない」ということに、最近、気がつきました。「息子が普通であって欲しい」と思う根にある問題は、私自身の問題だというところに行きつきます。
木村:楢戸さんの話は、「母が変われなかったから、子どもが
二次障害(被害)を受けてしまいますよ」ということだと思うの。
同じように、このことを集団の場に置き換えて考えてみて。「教員が変わったら、子どもが苦しまない」。もっと言えば、「まわりの子が変わったら、その子は苦しまない」。まったく一緒の仕組みなんですよ。