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ママにとって、娘は同性。「だから、わかる!」という思い込みを、いったん横に置いておいて、
「女の子という生き物」について知ってみませんか?
「『娘にイライラしてしまう』というママは、すごく多いんです」とおっしゃるのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。娘に対して客観的な視点を持つことが、母娘関係の風穴になるかもしれません。
前回、女の子の特徴として「ママがモデル(お手本)」と伺いました。引き続き、女子の特徴について、高濱先生に解説していただきましょう。
■女の子はナンバーワンよりオンリーワン
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「男の子が群れの一番をめざす生き物であるのに比べて、女の子はだれかにとって
自分がオンリーワンであれば満足する生き物なのだと思います」(高濱さん)。
たとえば、花まる学習会のサマースクールという野外体験では、夕飯時や寝るときに、ホームシックになる子がいます。男子は、やせがまんで何とか乗り切るか、ポロポロ泣いて、疲れ果てたら眠る。
一方、女の子は、同じホームシックになっても、そのおさまり方がまったく違うそう。「リーダーに
『特別扱い』されると、あっという間に落ち着いてしまうのです」(高濱さん)
【ママの接し方のコツ】
女の子はお姫様扱いせよ!
野外体験のホームシック対策で、高濱さんがよくするのは、「お姫様作戦」。
まず、「ねぇ、星空を見に行かない?」と、ほかの子がいない空間に誘い出します。そして、「ほら見てごらん、星がきれいだね」「○○ちゃん、がんばれって、応援しているんだよ」とお姫様を扱うかのように言うと、あっという間に泣き止むのだそうです。
「目の前の人が『自分の気持ちをくんでくれて』
『自分のためだけに』何かをしてくれたら、女の子は、それで心が満たされるのです」(高濱さん)。
お姉ちゃんが下の子に嫉妬していじわるをする…なんていうパターンでは、この「特別扱い」は効きそうですね。
■女の子は「あなたのことを思っている」で納得する
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高濱さんが受け持っている教室で、先日、「作文が書けない」「絶対に書かない」と泣き叫ぶ小学校2年生のSちゃんという女の子がいました。キーっとヒステリックになり、廊下まで響き渡るほどの声で、意地になって泣いています。
そんなときは、高濱さんの出番です。高濱さんは、こんなとき、慌てず「今日は勝負だな」と覚悟を決めて、徹底して時間をかけます。「女の子は
『とことん心配してくれる』という、相手の熱い気持ちに反応するからです」(高濱さん)
【ママの接し方のコツ】
ヒステリーには感情で納得させよ
「作文なんて書かない。もう帰る!」と泣きさけぶSちゃんに対して、高濱さんは静かに語りかけました。
「Sの将来のことを考えたら、とてもこのままでは帰せない。
「書かない」ということは簡単だけれど、この先、「もういやだな」と思うことはもっとたくさんある。それを全部「やりたくない」って逃げてしまったら、「Sさんはいつもすぐ諦めるから」って言われてしまうよ。先生、がんばり屋さんのSがそんなふうに言われちゃうのは我慢できないんだ」
こんなふうに「いかにあなたのことを思っているのか」ということをラブコールのように伝えると、だんだん泣き止みはじめ、しばらくすると、Sちゃんはカリカリと作文を書き始めたそうです。
男の子が「理屈で説得」すれば納得するのに比べて、女の子は
「感情」で納得します。「『感情』が納得し、満足すれば、力を発揮し、目の前のことに取り組めるのが女の子です」。(高濱さん)