2017年11月30日 11:00|ウーマンエキサイト

娘を「愛され女子」に育てるためにママができること【「一生メシが食える女の子」の育て方 Vol.4】

「一生メシが食える女の子」の育て方

「一生メシが食える女の子」の育て方

「これからの時代、女の子であろうとも自力で『一生メシを食える』大人に育てる必要があります」と、語るのは花まる学習会代表の高濱正伸さん。「娘にイライラする」と相談する母が多い中、ママたちも知っているよ…

娘を「愛され女子」に育てるためにママができること【「一生メシが食える女の子」の育て方 Vol.4】

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娘にはすてきなパートナーと出会い、幸せな家庭を築いてほしいと思うママは多いことでしょう。「仕事でも家庭生活でもキーワードとなるのが、『魅力』です。魅力的であることは、『自立』(※)の次のステップとして重要なのです」と言うのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。

では、魅力とは何なのでしょうか? かわいがられる女性の魅力について、お話を伺いました。
※高濱さんの考える「自分の力で生きていくために必要な幼児期からの習慣」
その1 休みの日も「遅起き」しない
その2 女の子だって「休まない体力」が必要
その3 女の子にも「なにくそ」と思える根性
その4 「やったぁ!」という達成感
その5 「これだけは負けない」ものをひとつ身に着ける

■魅力があるからこそ、次のステップにいける


娘を「愛され女子」に育てるためにママができること【「一生メシが食える女の子」の育て方 Vol.4】

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高濱さんが使っている「魅力」という言葉は、「まわりから好かれる=かわいがられる」という意味です。この場合の「かわいがられる」とは見た目の「かわいさ」ではなく、「この人と仕事がしたい」と思ってもらったり、「あの子、こっちの部に異動して欲しいな」などと、自分より年長で責任ある人から認められて、引っ張られる、引きたてられるという意味です。

人と人とのつながりで人は生きていて、社会が構成されている以上、『目上の人が引きたてて認めてくれて』のくり返しで、人は成長していくのです」(高濱さん)

■魅力のベースは、「愛されてきた自信」

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「魅力にはたくさんの項目がありますが、まず、魅力論のベースに来るのは、『愛されて育った人』に共通する、伸びやかなオーラです」(高濱さん)

「お母さん・お父さんは、私のこと、大好きだもんね」という、愛されてきた自信は、絶対の自己肯定感を育んでくれると高濱さんはいいます。

この自信は、人生を生き抜くうえで、そして人と対峙していくうえで、どんなに助けになってくれることでしょう。逆にこのベースがない女性は、本当にちょっとしたことでやる気や自身を失いがちになります。

ポイントは、「その子その子の成長を、認めてあげること」。そのための親の態度として幼少期に大切なことをひとつあげると、「比較して評価しない」ことだといいます。次の「OKワード」「NGワード」を参考に、声がけを具体的に変えていくことから始めてみてもいいですね。

<高濱さんの考えるOKワード・NGワード>
●OKワード
「あなたのいいところは〇〇ね」
「前より〇〇ができるようになったね」

そして、ほほえみやうなずき。
(ほめるのが苦手なママは、ちょっとしたほほえみやうなずきだけでもOKです。子どもは認められたことを敏感に感じとります)


●NGワード
「弟ができているのに、なんであなたはできないの!」
「隣のAちゃんはもう字が書けるんだって」
「うちの子、まだ〇〇ができないのよ(世間話で)」


■うまくいかないことを人のせいにしない

「品というのは、育ちから生まれるものなのでしょう」と、高濱さん。立ち居振る舞いや、節目、節目のちょっとした行動に、品のよさは現れます。高濱さんが一緒に働いている女性は、みな品のよい方たちだそうです。

「そんな女性たちの共通項は、愚痴と人の悪口は言わないことです」(高濱さん)。
彼女たちは、人の落ち度を責める態度は一切見せないそうです。何かあった際も、あくまで自分の落ち度として報告してくるといいます。


人間とは不完全な生き物です。そういう自分の弱さを直視できるからこそ、人の至らなさや弱さも許し、最終的には「自分が至らなかったんだ」という考えをもてるのでしょう。

人生において、うまくいかない局面は多くあります。そのうまくいかないことを人のせいにすること自体を、恥ずかしいと思う矜持があるということです。こういう女性は、絶対的に信頼できます。人のせいにした瞬間に失うものがあるのです。それが『品』なのです」(高濱さん)

■素直な気持ちが伸びていく秘訣(ひけつ)

高濱さんは、「他人からの指摘に対して、『そうかな』と思って、素直に受け入れることができる人は伸びます」といいます。人からの指摘というのは、基本的には苦いものです。
でもそれを受け止めて、自分を変えられるかどうかが重要なのです。

素直さを別の言葉でいうと、「世界に対する肯定的な見方を身につけていること」ともいえます。「これを子育てに置き換えて何が大事かというと、幼少期には、ポジティブな言葉をまわりが言い続けていることが重要なのです」(高濱さん)。

子どもは、周囲を見て育ちます。素直な姿勢も、人への敬意も、親の態度から学びます。ここで気をつけたいのは、ママが陥りやすい落とし穴。それは、「愚痴」です。女性同士では愚痴の言いあいが、世間話のひとつのようになっている場合もあります。
「せめて、子どもの前では愚痴を言わないでください」(高濱さん)。

■「漏れなく、きちんと」は最強の女の武器

「女性と一緒に仕事をしていくなかで、大きな魅力のひとつとして感じるのは、『漏れのなさ』『きちんと全部やる』という能力です」(高濱さん) 

いわゆる清楚(せいそ)な良妻賢母に求められる「きちんと」ではなく、女性本来の性質としての「きちんと」を母娘間で継承していくと、社会に出てからも重宝されます。

「ときどきいるお姫様体質の子や天才型の女の子はさておき、女の子が10人いれば、7人は『きちんと』ができる芽があると思います」(高濱さん)。

女の子の子育てにおいては、「きちんと」できたことを認めてほめてあげましょう。「その『きちんと』は将来、全部同時にやり遂げる『マルチタスク能力』として、わが子の大きな武器になります」(高濱さん)。


■「おしゃれ」は気持ちの負け組にならない

娘を「愛され女子」に育てるためにママができること【「一生メシが食える女の子」の育て方 Vol.4】

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「おしゃれ」と言うと、「なんだ、そんな表面的なこと」と思うかもしれません。もちろん、娘がおしゃればかりにかまけていたら、ママとしては心配でしょうから、何事もバランスが必要ではあります。ですが高濱さんは、「幼児期から思春期にかけて、外見に関して、気持ちの面で負け組にまわらないでほしいと思います」といいます。

高濱さんによると、「不思議なことに、外見の服のセンスは、その家の文化が母娘間で伝承することが多いように感じます。身なりに興味がないママは、娘がオシャレをしはじめると、得てして非難したりしますが、それは確実にコンプレックスを植え付けることになります」。

「娘さんの魅力をぜひ口に出してほめてほしいあげてください」(高濱さん)。「あなたは目がいいよね」「髪の毛がサラサラですてき」というように。どんな子にも魅力的なところがあるはずですから! 

いかがでしたでしょうか? 高濱さんが教育現場での20年を経て、ご自身の目で見て実感していることをお伝えいただきました。
「『そうそう』もしくは、『そうかなぁ?』と、いろんな感想があるかと思います。

この記事を書きながら、「女の子には、多くのプラスの言葉がけが大事なんだな」と感じました。筆者には、3人の男の子がいますが、日頃、「女の子のママたちは、まじめでがんばり屋の方が多いなぁ」と感じています。反対に言えば、プラスの言葉がけを意識していれば、少し抜けていても大丈夫なのかもしれません。女の子のママたちが少しでも肩の力を抜けるキッカケに本連載がなれたらうれしいです。

ママがいきいきと日々を過ごすことこそが、子どもにとって何よりも人生の指針となることを信じて!

【娘を愛され女子に育てるコツ】

「ママに愛されている」が自信になる
お母さん・お父さんは、私のこと、大好きだもんね」という、愛されてきた自信は、絶対の自己肯定感を育んでくれる。
●「他人のせいにするのは恥ずかしい」と思う矜持
品のある女性たちの共通項は、愚痴と人の悪口は言わないこと。
素直な気持ちが伸びていく秘訣
素直さを別の言葉でいうと、「世界に対する肯定的な見方を身につけていること」。幼少期には、ポジティブな言葉をまわりが言い続けていることが重要となる。
「漏れなく、きちんと」は最強の女の武器
女性本来の性質としての「きちんと」を母娘間で継承していくと、社会に出てからも重宝される。
●見た目で負けないように応援する
幼児期から思春期にかけて、外見に関して、気持ちの面で負け組にまわらない。娘の魅力は口に出してほめる。


■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書
『お母さんのための「女の子」の育て方』(高濱正伸/実務教育出版)
『お母さんのための『女の子』の育て方』
(高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)
●こちらもあわせてどうぞ!
『お母さんのための『男の子』の育て方』
(高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)


高濱正伸さん
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。
<Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された
思考センス育成教材アプリ
「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)
思考センス育成教材「Think!Think!」
「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。

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