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赤ちゃんが生まれると、予防接種のことをあちらこちらで見たり聞いたりする機会が増えますね。母子手帳に予防接種のページがあるので妊娠中から意識しているプレママもいる一方で、1カ月健診で初めて予防接種のことを知って、あわてて小児科を調べたというママもいるようです。
ワクチンデビューに最適な時期はあるのでしょうか? どのようなスケジュールで予防接種は進んでいくのでしょうか?
日本小児科学会が発行する
「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。
■生後2カ月になったらすぐ予防接種、そのわけは?
日本小児科学会では、ワクチンの接種を
生後2カ月から始めることをすすめています。生まれてまだ2カ月。「首も座っていないわが子に予防接種するなんて、かわいそう!」と思ってしまうかもしれません。
なぜ生後2カ月から予防接種を始めたほうがいいのでしょうか?
生まれてすぐの赤ちゃんは
ママからもらった免疫などによって
生後5~6カ月までは、多くの細菌やウイルスなどの感染から守られていますが、その期間を過ぎる頃からその免疫が落ち始めていき、感染症にかかりやすくなります。一度感染症にかかると重症化して入院が必要になったり、命にかかわる深刻なケースも出てきます。
これらの感染症から身を守るのが予防接種。生後5、6カ月までに、
予防接種の効果を十分に発揮させるためには、生後2カ月になったらすぐに予防接種を開始することがとても重要だといいます。
一度接種したら、一定の日数をあけないと次の接種ができないため、「スケジュールから逆算して、生後2カ月になったらすぐに予防接種を始めたほうがいい」と考えることもできますね。
■生後2カ月から1歳まで「どんな予防接種があるの?」
では、生後2カ月から接種をスタートするワクチンにはどんなものがあるのでしょうか?
1歳になるまでのワクチン接種の流れを見てみましょう。
日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」No.06「生後2か月から接種するワクチン」より
表で示してある通り、生後2カ月になったら、なるべく早めに接種したほうがいいワクチンは
ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス(任意接種)の4つです。生後2カ月のワクチンデビュー後も、毎月のように多くのワクチンを接種する必要があります。必要なワクチンを効率的にかつ安全に接種できる「同時接種」(※最新ワクチン情報第2回
「子どもの予防接種『ワクチンの同時接種は赤ちゃんがかわいそう?』参照)についても理解しておくといいですね。
生後5カ月を過ぎると、ワクチン接種はひと段落します。
赤ちゃんが病気になったりして、スケジュール通りに接種できないこともしばしば。心配してしまうママもいると思います。
6~7カ月健診や10カ月健診時に母子手帳などで接種の状況を確認し、遅れがある場合はこの時期に取り戻せば大丈夫ですので安心してくださいね。そういったスケジュール遅れのワクチン接種を
「キャッチアップ接種」といいます。
■理想は妊娠中から「予防接種、その準備と小児科探し」
生後2カ月からワクチン接種を始めるとなると、その前に小児科に
予防接種の予約をしておく必要が出てきますね。出産、退院して新生児との生活が始まると、毎日バタバタしてあっという間に予防接種を始める時期を迎えてしまいます。できれば妊娠中から予防接種の情報を聞いたり、小児科を探したりできると安心ですね。
1カ月健診で予防接種の具体的な接種スケジュールなどを確認したら、早めに予防接種の予約をすませておくといいでしょう。
予防接種専用の時間を設けているような人気の小児科では
外来の予約が1カ月先までいっぱいなんてことも。特にパパと一緒に土日に接種しに行くことを考えているママは、早めに予約しておくのがおすすめです。