■やってあげたいこと その1.
「親子インタビュー」の時間を作る
© WONG SZE FEI - stock.adobe.com
「子どもに『書く力』をつけてあげたいなと思ったら、
インタビューをしてあげるのが、おすすめです」(竹谷さん)
自分から何でも話す子はそのままでいいのですが、学校や外でのことをあまり話さない子も多いと思います。聞いても「忘れた!」とすぐに言うタイプです。いろいろなことを経験して感じているはずなのですが、それをわざわざ思い出して伝えることには価値を感じていません。
そういう子には、1分でもいいので、できるだけその日にあったこと=
子どもが思い出しやすいことをテーマに聞いてみてください。本人が話したくなるような好きなことを切り口にしてみましょう。
また、「お母さんとお子さん。一緒に日記を書いても良いですね」(竹谷さん)。低学年の子どもたちは、ママと過ごす時間が多いはずなのに、親子で日記の内容は面白いほど違うそうです。
「お母さんが、『子どもと私、これだけ
違うものを、見ているんだ!』ということを感じるだけでも、とても意味があります。一日1行でもいいですよ」(竹谷さん)。
■やってあげたいこと その2.
「思わず観察してしまう時間」を確保する
© milatas- stock.adobe.com
「作文(文章)を書くときには、まずは丁寧に
観察できているかどうかが、すごく大事です」(竹谷さん)。この「ものを見る目」というのは、
感性とも言い換えられそうです。同じ場所から同じものを見ても、感じること、思うこと、気づくことというのは、人によって千差万別です。
では、観察が上手になるには、どうすればいいのでしょうか? 「もっとも必要なのは、『思わず、観察してしまう』というような時間や環境を、確保してあげることです」(竹谷さん)。
これは言い換えると、子どもが、ぼーっとしたり道草をしたりといった、
ルールのない時間です。それは大人からすれば一見意味のない時間のように思えるかもしれません。
けれども、今、大人が意識して作ってあげないと、「予定のない時間」を持つことができない子も多いのです。
© paylessimages - stock.adobe.com
「書くことを支えているのは、じつは
五感を伴う体験と、それに付随する
知的な思索です。大きくなったときに、『あの時の、あれって、めちゃくちゃ楽しかったよね』といった心動く経験があるかどうかが大切です。長いお休みのときは、意識して子どもたちにそういう時間をぜひとも作ってあげて欲しいと思います」(竹谷さん)
いかがでしたか? 「子どもの『書く力』を伸ばさなきゃ!」と思うと、ついつい肩に力が入ってしまいます。けれども、竹谷さんのお話しを伺っているうちに、「ゆったりした気分で、子どもの言葉を大切にしていけばいいのかも」という気持ちになりました。
そんな解脱の境地(!?)、ママと子どもたちが過ごせることを願っています!
© paylessimages - stock.adobe.com
■今回のお話を伺った竹谷和さんのご著書
『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』
花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)
●高濱 正伸さん
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。
花まる学習会公式サイト:
http://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/
●竹谷 和さん
千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。
現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2歳? 4歳? 6歳? 子どもの年齢別・添い寝からひとり寝への移行ポイント