夏休みの自由研究、どうする?「料理を科学する」ナショジオ式、親子で実験!
■「まるで魔法みたい!」食べ物の酸性・アルカリ性を知る“色の手品”
理科の授業でリトマス試験紙を使ったpH(ピーエイチまたはペーハー)を調べる実験をした記憶はありませんか? そもそもpHとは、液体の性質を示す単位で、pHが7より小さくなる物質は酸性、pHが7より大きい物質はアルカリ性と呼ばれています。この実験では、紫キャベツのゆで汁を使い、身近な食べ物のpHを観察してみたいと思います。
【準備するもの】
・容器(透明なガラス瓶、グラスなど)
・紫キャベツ 1/2個
・重曹または卵白
・家にあるいろいろな食べ物や飲み物
【実験方法】
1) キャベツを細かく切り、水(カップ3)と一緒に鍋に入れます。
気分はまるでクッキング。この手軽さがいいですね
2) 鍋を強火にかけ、煮立てます。5分ゆでたら穴あきおたまなどでキャベツを取り出し、ゆで汁の色が濃くなるまで2~3分煮つめ、火から下ろし、粗熱をとります。
ここがポイント!:
・煮詰めすぎると肝心な実験ができなくなってしまいます。様子を見て、適宜火から下ろしましょう。
・取り出したキャベツはピクルスやサラダの材料に使うとムダがありません。
鮮やかな紫色の茹で汁が出来上がりました!
3) 実験したい食べ物を用意。野菜などは細かく切っておきます。
冷蔵庫の中からピーマンを発見。娘も率先して準備します
4) いくつかの容器に、2)のゆで汁を注ぎ入れます。
5) まずは重曹または卵白を 4)に入れてかき混ぜ、色の反応を見ます。
ここがポイント!:
重曹や卵白はアルカリ性なので、まず試しに実験してみると、色の反応がくっきり出て(紫から青に変化)、子どもも楽しく実験ができます。
【before】
重曹ひとつまみを試しに入れてかき混ぜてみると…
【after】
たちまち青色に変化!
6) 同様に、ほかの食べ物でも観察します。
今回試したのは、梅干し、グミ、ソーセージ、重曹、牛乳、卵白、パン、ニンジン、ピーマン、ブルーベリーの10種類。鮮やかな色水ができあがり、娘も大満足の結果となりました。
いつも食べているパンからおやつのグミまで、いろいろな食べ物のpHをチェック。ゆで汁に入れた瞬間にパーっと色が変わる様子は、大人も見ていて楽しめます。ふだん、なに気なく食べている食品の成分について、あらためて見直す良い機会にもなりました。
色がはっきりわかる透明のグラスで実験するのがベストですが、(わが家のように)グラスの数が少ない場合は、内側が白いコップや湯呑みを使っても十分観察できました。
特別な器具を使わなくても、身近にあるものでも十分「科学」を学ぶことができます。そして何よりも、親子でひとつのことを楽しむことのできる「ナショジオ式自由研究」。ぜひこの夏、お子さんと博士になったつもりで“実験”してみてはいかがでしょう?
参考図書:
『ナショジオ式自由研究 親子でできるおいしい料理実験』(日経ナショナルジオグラフィック社)
2,000円(税別)
「マヨネーズを作って液体の乳化を観察しよう」「クッキーを焼いて、酸とアルカリの指示薬を試そう」など、料理を通して科学や生物学、簡単な生命科学について学べる料理実験48種を掲載。家庭にある材料や器具を使い、楽しく作って、おいしく食べて、深く学べる一冊。
親子で理科を楽しめる『親子でできる たのしい科学実験』も好評既刊。
文/長谷部美佐
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