子どもの失敗に激しく動揺…わが子以上に落ち込んでしまうのはどうして?
■子どもは「別人格」、切り離すための“心のスイッチ”
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子どもの失敗に気持ちが乱れてしまうなら
「子どもと私は別の人間だ」と認識する必要があります。
けれど、「子どもと自分は別」とすぐに頭を切り替えられる程度なら、そもそも苦労はありません。うまく感情がコントロールできないからこそママは悩むのです。
そこで、子どもを「別人格」と思えるようになるための練習を少しずつしていきましょう。
まず、気持ちの面でやってみてほしいのは、
自分の抱く思いを「それは本当?」と別の角度から問いかけてみることです。
例えば、子どもの学芸会の役決めが投票制でおこなわれたとしましょう。そこで、わが子は主役に選ばれず、「選ばれないのはわが子に人気や人望がないせいだ」「うちの子はダメなんだ」と落ち込んでしまったとします。
それは自分のなかに「主役になれる子=人気者=自分にとって望ましい子」という思いがあるからでしょう。
では、その自分の思いを、別の角度から分析・解釈してみます。
「わが子が選ばれないのは、大勢に良い顔するのではなく、自分と合う友だちを選んで付き合っているから。つまり、自分の考えが明確にある子なんだ」
「選ばれないのは、わが子が『やりたい!』という意欲をアピールしなかったから。いつもまわりに愛されている実感を持っている子だから、大勢の人に注目されたい承認欲求がないのね」
「選ばれないのは、演技がうまくなかったからじゃない。表舞台に立つより、大道具をつくるなど裏方仕事で力を発揮できる子なんだ」
子どもが主役になれなかったという事実は変わりませんが、とらえ方を変えるだけでいろいろな解釈ができ、決してネガティブなことばかりではないことに気づきますね。
落ち込んだときには一旦、
外側から自分をのぞきこむようなイメージで「それは事実なの?」と自分に問いかける習慣をつけてみましょう。そうすることで、子どもと同化してしまった自分の気持ちを徐々に切り離すことができるようになります。
■子どもの人格を認める「書く、聞く、努力する」
実際、行動することによって、子どもと自分の人格を切り離す作業もできます。
・子どもと自分の性格をそれぞれ紙に書き出し、違いを見つけてみる。
・普段から「どう思った?」など子どもの意見を聞くようにし、自分とは考えや感想が異なることを知る機会を持つ。
・落ち込んでいる事実に対し、親としてできる限りの努力をしてみる。
上記の行動があげられます。
3つ目の「できる限りのこと」とは、例えば、運動会でビリになったら一緒に走る練習をしたり、かけっこ教室を探したりする。小学校受験がうまくいかなかったら、中学受験を見据えて学習を始めさせるといったことです。
そうしているうちに「自分ができること」の限界に気づく人もいるかもしれません。結局のところ、子ども本人の行動や意欲がともなわなければ親の思い描く結果を導くことはなかなか難しいのです。
「私ができることには限りがある」と気づけば「自分と子どもは別の人間なんだ」と実感できるようになるのではないでしょうか。