2019年11月27日 17:00|ウーマンエキサイト

【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは



■育児ノイローゼの原因

育児ノイローゼの原因は、主に「育児に対する不安」が原因
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0歳代の育児ノイローゼの原因


0歳でも、生まれて数カ月と、1歳間近では育児の悩みは大きく違うでしょう。

生まれて数カ月は、赤ちゃんは寝ているか泣いているかなので意思の疎通ができず、おっぱい・ミルクも3時間おき。昼夜の区別もないことから、お母さんは24時間、赤ちゃんにつきっきりでしょう。

それまでの生活とは180度変わり、どうして泣いているかもわからず、お母さんは戸惑いと不安でストレスを感じるでしょう。

一方、0歳後半となると、ある程度表情や言葉で意思の疎通ができるようになり、夜も長く寝てくれるようになってきます。

しかし、おすわり、ハイハイ、立っち、歩き始めと動き回れるようになって、危ないことも。さらに、赤ちゃんはお母さんとほかの人と区別できるようになり、後追いを始めます。

生まれてすぐとは別の意味で目が離せなくなり、お母さんは一人の時間を持つのは難しいでしょう。


1〜2歳代の育児ノイローゼの原因


早い子どもなら、1歳後半から「イヤイヤ期」が始まります。

なんでも自分でやりたがって、でもうまくできなくて、癇癪(かんしゃく)を起こし泣いて怒って暴れるの繰り返し…。

言葉もある程度交わせるようになったとはいっても、通じるかどうか、子どもが理解できるかどうかはまた別の話。そのフラストレーションも合わさって、お母さんが一番、育児をつらく感じる時期かもしれません。


3、4歳以降の育児ノイローゼの原因


3歳、4歳となると、ほとんどの子どもが幼稚園、保育園に通うようになり、同年代の子どもと集団生活を送ります。

子どもの世界が広がると同時に、子ども同士のトラブルも増えます。また、お母さんはほかの子どもと我が子を比較する機会も多くなり、言葉や行動の遅れなどがあると心配になりますよね。

また、ほかのお母さんと自分を比べて「どうして私はうまくできないんだろう」「母親として失格かもしれない」と落ち込むこともあるかもしれません。

「同じ年代の子どもを持つお母さん」としての世界が広がり、ママ友や相談する相手が増えるメリットがある反面、別のストレスや悩みが増える時期かもしれません。

全年齢に共通する育児ノイローゼの原因


子どもの年齢に関係なく、共通する育児ノイローゼの原因に、次の3つが挙げられるでしょう。


▼ワンオペ育児


核家族化で、さらに夫が仕事で忙しく帰りも遅いとなると、育児の負担はお母さんの肩にかかってしまいます。子育て学協会の調査によると、3人に1人が「父親母親どちらか一方に子育ての負担が偏っている」と答えているそうです。

特に、仕事復帰前や専業主婦の場合、子どもと24時間一緒で息抜きもできず、いつも緊張した状態が続き、負担が大きいでしょう。

▼身近に頼れる人がいない


実家や義実家が遠方だと、身近に頼れる人がいないため、一層子育てのプレッシャーを感じることが多いでしょう。

保育園や幼稚園に通うようになれば、子どもを通してママ友や園の先生など、相談できる人が増えますが、それ以前は、公園や児童館などで積極的にママ友作りをしない限り難しいといえます。

子育ての悩みや不安を気軽に話せる相手がいないことがストレスとなるでしょう。


▼完璧主義で手抜きが苦手


育児ノイローゼになりやすい性格というのもあるようです。

生真面目で完璧主義なタイプは、想定外のことばかりで自分の思い通りにならない子育ては精神的に追い詰められる傾向にあります。

そういった人は頑張り屋でもあるため家事や育児に「ま、いいか」と手抜きができず、自覚がないまま育児ノイローゼになっているケースも少なくありません。

■育児ノイローゼの予防・解消法

育児ノイローゼには原因があります。それを一つ一つ解消していくことが、予防や解消につながるでしょう。


育児ノイローゼの予防・解消法1: 誰かと話す


育児ノイローゼの原因として、身近に「話し相手がいない」というのが大きいでしょう。
まずは誰かと話すことから初めてみます。例えば、お店で店員さんと話す、宅配便の人にお礼を言うなど、一言、二言のあいさつくらいの言葉を交わすだけでも効果があります。

また、自治体の子育て支援センターなどが開催している、親子で参加できるイベントに出かけてみるのもいいでしょう。

育児ノイローゼの予防・解消法2: ワンオペ育児を解消する


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24時間365日、子育ての不安と責任がお母さんだけにのしかかる状況をまずは変えましょう。
例えば、休みの日は夫に子どもを見て欲しいと相談しましょう。それが難しいようなら、一時保育を利用する、ベビーシッターを頼むなど、育児の分担を。


育児ノイローゼの予防・解消法3: 一人の時間を作る


子育て中、それも子どもが小さければ小さいほど、「自分一人の時間が欲しい」というのは自分勝手なわがままだと感じ、自分を責めてしまうお母さんは少なくありません。

でも、育児ノイローゼの症状の一つ「我が子がかわいく思えない」というのは、ずっとべったり一緒にいるからではないでしょうか。

時には夫に子どもを任せ、一人で出かけてみてはいかがでしょう。それが難しいようなら、あらかじめ子どもの安全を確認したうえで、しばらく隣の部屋に移動する、トイレにこもるなどで短時間でも一人になれる時間を作るようにしましょう。
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育児ノイローゼの予防・解消法4: 人に頼るクセをつける


「子育ては母親の担当」という周囲の無言のプレッシャーから、なかなか「手伝って」「お願い」というのは言いにくいですよね。特に、育児ノイローゼになりやすい傾向のある「完璧主義タイプ」「頑張り屋タイプ」はなおさらでしょう。

でも、心身ともに不調をきたすまでお母さん一人で抱え込む必要はありません。「子どもはみんなで育てるもの」と気持ちを切り替え、実家の両親やきょうだい、夫、ママ友などに相談して、頼れるところは頼りましょう。

育児ノイローゼの予防・解消法5: 手を抜くことを覚える


育児に完璧、100点を求めないことが肝心です。
子どもとずっと一緒にいると一心同体のような感覚になりますが、どんなに小さくても別の人間で別人格を持っています。あなたがどれだけ完璧な子育て目指して用意周到しても、子どもは思う通りの反応や行動はしてくれませんよね。

それならば、お母さんも気楽に「ほどほど」を目指せばいいのではないでしょうか。育児も家事も手を抜けるところは抜いて、お母さん自身が楽になれる着地点を見つけましょう。

育児ノイローゼの予防・解消法6: 公的機関で相談する


例えば、自治体の子育て支援センターでは、主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。

自治体ごとに内容は異なりますが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。

また、気軽に利用できるように、電話やインターネットで子育てに関する相談を受け付けている自治体もあります。

まずは、お住まいの市区町村のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。

育児ノイローゼの予防・解消法7:専門家に相談する


産婦人科の多くが、産後フォローの一環として、子育て相談にものっています。産後や子どもの健診などで受診した際、相談してみてはいかがでしょうか。

また、子育てがままならないほど気持ちが疲弊してしまっているようなら、心理カウンセリングの利用や、心療内科・精神科の受診をおすすめします。
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その際は、夫にも付き添ってもらいましょう。子育ての大変さや、お母さんが今どういった状態かを第三者である専門家から説明されることで、夫も状況が理解でき、その後の育児参加が期待できるからです。

■まとめ

育児ノイローゼと一言で言っても、お母さんの状態や置かれた状況、子どもの年齢、周囲の環境などで、その程度も症状もさまざま。ただ一貫して共通しているのは「育児に対する不安」がその原因であることです。

「もしかして私、育児ノイローゼかも…」と感じたら、まずは、その原因を取り除くことから始めてみましょう。

参考資料:
・日本産科婦人科学会「HUMAN+」
・日本生活習慣病予防協会「メンタルヘルスケアが必要な妊産婦は4万人 育児不安や虐待の原因に」

・労働政策研究・研修機構「育児と仕事の両立に関する調査」報告書(2003年9月)
・子育て学協会「幼児期の子育てに関する悩み調査」(2014年)




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