涙の別れ…この旅で見えたもの。ブラジル旅日記[完結編]
体の大きさや背の高さ…人と違って当たり前。他人との違いなんてどうでもいい!その感覚がとても心地よい。
(シュガーローフマウンテンから、コパカバーナビーチを眺める)
(外観だけ見られた、マラカナンスタジアム)
“私たちの住む日本は小さな島国だけど、世界はこんなに広いんだよ”、子どもたちにそんなことが伝わっていればいいなと、ツアー仲間と1日を共にしてそう思った。
(コルコバードのキリスト像、すごい人!!)
必ず目に入ってくるファベーラ(貧民街)
ガイドのおじさんが「あそこは高級住宅地、その上はファベーラだ」と指をさす。ビーチ前に立ち並ぶリゾートホテルからも、山側にファベーラが見えた。その背後の山頂にはキリスト像。どこを見ても“富と貧”が同時に目に入り、いやおうなしに考えさせられる。まるで世界の縮図を見ているようだった。
(手前は教会、奥の山にはファベーラ)
涙のお別れ
旅の最終地はサンパウロ。リベルダージ(日系人街)のど真ん中のホテルに滞在し、ブラジル日系移民資料館やラーメン店を訪れ、新旧の日系文化にどっぷりつかった。ここでは地下鉄に乗るという冒険もしてみた。切符を窓口で買うなんて、ものすごく久しぶりで新鮮だ。
(薄暗い地下鉄、ドキドキしながら乗った)
親子水入らずの時間はあっと言う間、お別れのときが近づいている。長女と次女は数日前からカウントダウン、こっそり泣いていた。それをちゃかしていた三女。しかし別れのときは「とうさ~~~ん」と号泣。
まだ5歳、父と一緒にいたい甘えたい時期だから無理もない。
「元気で。また会おう」
夫は初日に空港で出迎えてくれた時のように、笑顔で手をふっていた。
この旅で見えたもの
今回の旅の最大のテーマは“父の住んでいる国、町、仕事と生活”を見に行くこと。それは妻の私にとっても重要なことだった。
夫のいない生活と、仕事と家庭の両立に必死だったこの2年間。忙しさゆえに夫との連絡が激減、「亭主元気で留守がいい…」あのフレーズが何度かよみがえった。実はすれ違っていたんじゃないか?と思える時期もあった。
(この危機感を感じていたのは私だけらしいのだが…)
彼の住んでいる家や町、職場、お世話になっている方々に会うことで、“今の夫”を知ることができたこと、小さなことのようだが私にとっては一番大きかった。不思議と私の心が落ち着き、これからは互いのギャップをもう少し上手に埋めていけるんじゃないか、そう思えた。