おむつが外れた頃から、自分のおしりは自分で洗えるように
おむつが外れて、トイレでおしっこができるようになった頃から、自分でお尻をふくことを教えていきます。入浴中にも、性器は自分で洗えるように教えていき、家族や親戚でも触らせてはいけない大切な場所、プライベートゾーンであることを少しずつ伝えていきます。
それが後に犯罪から身を守ることにもつながり、また自分自身を大切にすることにもつながってくるのです。
男の子と女の子は体の構造が違いますが、違いを知る前にまずは自分の体を知ることから。性はプライベートなことなので、家庭の中では親子で個別に対応できるのが望ましく、できれば女の子はママが、男の子はパパが教えることができるといいそうです。
伝える親、大人の性意識
性を伝えていく親として、「親自身の“性の価値観”を見つめ直すこともやってほしい」と岩崎さん。
性には生殖性、快楽性、連帯性と3つの意味があるそう。「性はいやらしいものと否定的にとらえてきたかも…」「自分は子作りばかり考え、生殖のことでしか考えられなかったかも…」「友だちに同性愛の友人がいて肯定的に性の多様性を認められている」など、まず自分の意識を自覚することが、子どもへ性の話しをする方法にも関わるくらい大切なのだそう。それと同時に夫婦で性について話すことができるとなおよいのだとか。
「今後の夫婦間の性のあり方について語り合えると、予定外の妊娠は防げますし、より互いのことを尊重できるようになると思うのです」と岩崎さん。
男の子の性のロールモデルは父親、女の子は母親。父親が母親を女性として尊敬し、いたわり大切にする態度が、互いの性を尊重し合うことにつながり、また子どもへ自然と伝わっていくのです。
いざというときの相談相手、話ができる家庭を目指して
最後に、成長していく子ども達への性教育、親として心得ておくべきことを聞いてみました。
「思春期を過ぎても性の話ができるかどうかは、それ以前から家庭で性について話しているかどうか。困ったときには相談相手となるよう、子どもと話ができる環境を作っていくことが大切です」
かといって、無理をするのもダメ。いいお母さんになろうとして「家できちんと性教育を!」と、必死になるのも分かります。しかし、「家でできる限界、また自分の性意識や価値観は超えられないことがあるのも確か。なかなかニュートラルに語れない場合もあるので、そんなときは地域の保健師さん、理解のある小児科医、学校の保健の先生など専門家に頼ることも必要です」