私は保育士として働いていた時代、たくさんの子どもたちと接してきました。その中で、日々子どもの気持ちを読みとり、寄り添う経験をしてきました。
しかし、わが子を育てていて感じるのは、子どもは大人が考えている以上に複雑で、いろいろなこと考えているのだということ。
今回は、毎日ルンルンでこども園に通い始めた娘が、登園拒否で大泣きをするようになったときの思いもよらない理由についてお話しします。
しっかり者でママと離れても平気
入園前から娘は「しっかりしてるね」と言われることが多いタイプでした。
3歳年上のお兄ちゃんの影響もあって、「ママと離れて遊ぶ」ことにあこがれがあり、お兄ちゃんと一緒に友達の家や実家に、ママなしでいくことも平気。むしろ「お兄ちゃんと同じ」がうれしいようでした。
入園前にこども園のプレに通っていたのですが、その時も先生と一緒に何かをすることがうれしくて、「ママ、バイバイ!」と笑顔で私から離れて活動を楽しんでいました。
他の子が戸惑ったり、泣いてしまうことがある中、娘は1度も泣かずに園の活動に参加しました。
入園式の日は、緊張しながらも先生の話を一生懸命に聞き、まわりの泣いている子を心配するほどの余裕があり、頼もしさを感じるほど。
入園してからしばらくは慣らし保育で降園時間が早く、迎えに行くと「もっと遊びたかったのに!」と私に怒るくらいに、こども園が大好きになりました。
ある日、登園を嫌がり泣くように
入園から1か月過ぎた頃、娘が登園をイヤがり泣くようになりました。
わが家では、寝る前やお風呂の時間「今日はこども園どうだった?」と聞いています。帰ってすぐは園のことを話してくれなくても、ゆったりした時間に、ふと園での出来事を思い出して話してくれることが多いためです。
ある日の寝かしつけの時間、娘といつものように話をしていると、「男の子に叩かれたの」と言いだしました。
私は「それはイヤだったね、それでどうしたの?」と聞きました。
すると「やめてって言ったけどやめてくれなかった」とのこと。
先生には伝えていないとのことだったので、「そっか、園でイヤなことがあったら先生に言ったり、泣いていいんだよ」と伝えました。娘は「泣いてもいいの?」と聞き返してきたので、「うん、泣いたっていいんだよ」と念をおして伝えました。
その翌日、娘は登園を少しイヤがり、さらにその翌日からは、毎日のように保育室の入口で私にしがみついて大泣きするようになりました。