2020年から幼稚園・小学校の学びはこう変わる!改訂のポイントを専門家と文部科学省に聞きました
そこで、幼児期は遊びの経験こそ重要であること、遊びで身に付けた力がやがて自ら学びに向かう姿勢を支えることが見直され、幼児期に特に育みたい力を「3つの柱」とした教育要領が定められたのです。
こうした力を3年間で育むために、園の先生たちは子どもたちが遊ぶ姿から今何に興味があるのかを読み取り、より豊かに遊びを広げています。幼稚園の毎日の遊びの経験が小学校以降の学びの土台となっていくのです。
幼稚園の遊びの中にはこんな学びが隠れています
● 思考力
遊びを面白くするために、どうすればうまくいくか粘り強く考える経験を積みます。年長さんになると遊びを発展させるために自分たちで道具を作り出すことも。
● 表現力
自分が遊んだ経験やイメージしたものを言葉で伝えたり、絵や工作で表現します。そこで培った表現力がまた遊びへと生かされていきます。
● 協調性
初めはお友達との関わり方が分からずけんかが起きることもありますが、徐々に自分たちだけで折り合いをつけたり、気持ちを言葉で表現できるようになります。
● 身体能力
遊ぶために工夫して、体を使いこなしていきます。「この高さからなら飛び降りられそう」と自分の身体能力を測ったり、体をコントロールしたり、調整したりする力を養います。
● 想像力
泥団子を食べ物に見立てたり、ごっこ遊びで役割を分担したり。イメージを膨らませて遊びを発展させていく想像力は、小学校で文章題を読み解く力にもつながります。
小学校の学び文部科学省・平千枝さん、荒川瑞穂さんより変動する社会を生き抜く力を育てることが新学習指導要領のテーマです
お話を聞いたのは:平千枝さん
文部科学省 初等中等教育局教育課程課専門官。小2の子、4歳児のママ。
お話を聞いたのは:荒川瑞穂さん
文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課。1歳児のママ。
何を学ぶかだけではなく新どんな力が必要かに視点をおいた改訂です
学習指導要領とは、文部科学省が定めている教育課程の基準のこと。子どもたちの教科書や時間割はこれを元に作られていて、およそ10年に一度のサイクルで改訂しています。
これまでの指導要領は「小学校1年生ではこの漢字・計算を学ぶ」というように、「何を学ぶか」という視点で作られていました。しかし今回の改訂においては、その視点だけでは子どもたちに必要な力が身に付かないのではという課題が挙がりました。