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小1がつまずきがちな文章題、解決策は読み聞かせと音読!今やるべきことは

あんふぁん
小学校に入り勉強が始まると、よく耳にするのが「文章題が解けない」という悩み。
文字の読み書きや計算は得意でも、文章を読解する力が足りずに文章題でつまずいてしまうことがよくあるようです。
この春1年生になった友人のお子さんも同じような悩みを抱えていました。数が大好きで常に数のことを考えているような男の子。小学校に入ったら勉強楽しみだねと話していたのですが、上記の問題に直面している様子。
なぜそのようなつまずきが起こるのか。そして解決法はあるのでしょうか。
今回は、ベネッセお茶の水ゼミナールの現役国語講師 秋元暁哉さんに解決方法について話を聞きました。


計算をする時に数字を“記号”としてとらえている


「読み書き計算」は得意なのに、文章題になった途端に解けなくなる原因について聞いてみると、
「計算と文章題を切り離して考える人が多いのですが、計算はあくまでも、文章題を解くためのツールです。文章題になると解けない理由は、計算をする時に数字を“記号”としてしかとらえていないことが原因のひとつ。数字の並びに反射的に反応しているので、その計算がどのような成り立ちなのかわかっていない可能性があります」とのこと。
そのため、『2+3=5』という計算ができても、『バスに2人のお客さんが乗っています。次のバス停でさらに3人乗ってきました。今、バスに乗っている人数は何人ですか?』と問われると固まってしまうのだそう。
これは、『2人と3人があわさって5人』という具体的なイメージを計算に落とし込むことができていないから。
そこで大切になるのが、「文章を映像化する力」なのだそう。


小1がつまずきがちな文章題、解決策は読み聞かせと音読!今やるべきことは


文章の映像化に必要なのは「音読」


では、低学年の子ども達が、文章を映像化する力を育むためには、何が必要なのでしょうか?
「僕は「音読」がとても効果的だと思っています。文字を目で追っているだけだと、読んでいるうちに問題の意図がわからなくなりがちです。声に出すことで耳からも情報が入ってくるので、文章を映像のようにイメージしやすくなります。これが、教科に関わらず問題を読んで解く時には必須です」。

「音読」のメリットと効果について



小1がつまずきがちな文章題、解決策は読み聞かせと音読!今やるべきことは
また、「音読」には3つの効果があると言います。その効果とは、

1.つまずきに気づき、脳の可視化ができる
問題を声に出して読ませることで、本人がどこでつまずいているかが分かります。
例えば、「ぼく は(wa) ○○」という文章を「ぼくは(bokuha) ◯◯」と読んでいるとします。これは「てにをは」がきちんと理解できていないことが分かりますよね。

語彙力不足、文章の成り立ちを理解できていない、文章を具体的にイメージできていない、などどこで引っかかっているのかが見えてきます。
つまり、お子さんの「脳の可視化」ができるのです。
わが子が何でつまずいているのかがわからない時はまず問題を音読させてみましょう。
大切なのは、音読している間はきちんと聞いてあげること。ただ読ませるだけではいけません。

2.集中力を起動させる
文章を声に出して読むと、読むことに集中せざるを得なくなります。
声に出すというのは、つまり身体を使うということ。目で追うだけでなく、口を使って読み、耳からも情報が入ります。
身体を使うことで自然と脳が集中してくれます。
そうすることで我に返り、自然と問題の意図やどこで間違っていたか気づけることがあります。

3.文章の映像化・身体化ができる
先述した通り、音読は身体を使って文章を読む行為。
視覚・聴覚の2つで文章を捉えることで、文字の羅列を絵にして再現しやすくなります。
身体を使って理解することで、どのようなストーリーなのかが手に取るようにわかるようになるのです。

音読できるようになるために必要なのが「読み聞かせ」


ただし、音読はだれでもすぐにできるようになるわけではないのだそう。
何も読んでもらったことがない子どもに、いきなり音読をしろと言っても効果的ではないので、ステップ順に取り組むことで、「音読」が力を発揮できるとのこと。

STEP0:絵本の読み聞かせ
STEP1:音読をしてあげる
STEP2:音読をさせる

つまり、まず最初にするべきことは、「読み聞かせ」なのだそうです。


「絵本の読み聞かせ」の大切さ



絵本の読み聞かせは、絵に対してのシチュエーション説明なので、子どもは絵を見ながら聞こえてくる文章でストーリーを理解します。これがまさに文章の映像化の第一歩なのだそう。赤ちゃん期は三原色を使った絵と音だけの絵本ですが、次にストーリーのある絵本を読むようになります。
その文章も対象年齢を追うごとに複雑になっていき、次第に絵が少なくなり児童文学へと進んでいきます。その過程をたどることで、文章だけで具体的な映像を想像できるようになるとのこと。

今までしてなくても大丈夫。これからが大切



絵本の読み聞かせの重要性が分かると、今まであまり読み聞かせに力を入れてこなかった場合、手遅れでは…と気になりますよね。しかし、「そんなことはありません。今から読んであげればいいと思います」とのこと。

「読み聞かせを始める時期は思い立ったらで大丈夫です。今、小学生以上で子どもが絵本に抵抗を示したら、児童文学や『ハリーポッター』のようなファンタジー小説の読み聞かせもよいと思います。それを繰り返していけば、自然と自分で読めるようになりますよ」。
ただし、一番よくないのは、一方的に「本を読みなさい!」とひとりで読ませようとすること。大切なのは、「親子で一緒に読むこと」だそうです。

「音読」は体験すべき必須過程



小1がつまずきがちな文章題、解決策は読み聞かせと音読!今やるべきことは


秋元さんの話を聞いて、「音読」は、子どもが文章をイメージして理解するのにとても効果的なことが分かりました。
それが、文章題を読み解く力につながるんですね。
最後に音読やその前提である読み聞かせにに最適な書籍はあるか聞いたところ、なんでもよいそうです。
一番は興味を持ってくれるもの。例えば、漫画でもOK!
とにかく読んでいて反応するかどうかが大切。極端に言うと映画やアニメでも、ストーリーに反応するお子さんであれば必ず読めるようになるとのことでした。
私もわが子が文章題を読み解く力を身につけられるように、読み聞かせや音読に力を入れていきたいと思います。

<文・写真:ライター秋音ゆう>

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